A2_被弾安定マニアック
ACは被弾衝撃による運動阻害の影響や戦術的価値が大きいため、このレポートでは被弾による衝撃安定性に焦点をあてその計算方法とその値が及ぼす影響を検証解説したい。
このレポートは、四脚ACを組んだ際にあまりに脆弱な衝撃不安定な特性をイカンともしがたく、あれこれネットで調べてみたがドウシヨウモナイ弱点ということが分かり、一縷の望みをかけて解析したデータを元にしている。今思えば近年久しぶりにと手に取ってしまったが運の尽き→忘れたどんなんだっけ→かんぴょ〜氏の初代AC用語集を拝見→四脚オモシレ〜→衝撃がイカンともナラン→用語集→CPU命中率高い?→用語集→解析→ループ。で、結局イカンともしがたい衝撃はやはりイカンともしがたく、補正に手をだして泥沼化、調べ始める前にきっぱり割り切って楽しめばよかったか・・・。まあ、ACプレーヤーがこの一連のレポートをその魅力を再発見する一助にしてくれるかもしれないのでいいとしようかな、衝撃は戦術バリエーションをかなり広げてくれる要素でもあるわけだし。
−−−目次−−−
・安定性の影響
安定性限界値
被弾衝撃の無効化要求値
被弾衝撃による硬直時間
被弾衝撃による加速度
・被弾安定性と被弾衝撃の関係
衝撃無効化と被弾安定性
硬直時間と被弾安定性
衝撃加速度と被弾安定性
被弾衝撃と加速方向
機体の被弾安定性は以下のように計算の各段階でレベルという概念に分割され、そのつど小数点以下が切り捨てられる。「被弾安定Lv」は機体の被弾安定性を0〜255の“256”段階であらわす数値、これを実際の衝撃処理に扱われる性能値に換算したものが「被弾安定性」。「有効重量Lv」は被弾安定性の算出独自のもの(他の計算に用いられているかは不明)。「脚部安定性能」はパーツパラメータ「STABILITY」の数値で、オプショナルパーツによる増強は脚部安定性能に固定値が加算される。
「有効重量Lv」 = 「機体有効重量」×64/1000×1/2 (小数点以下切捨)
「被弾安定Lv」 = 「有効重量Lv」×(「脚部安定性能」+「オプショナルパーツ安定性能」)/4072 (小数点以下切捨)
「被弾安定性」 = 「被弾安定Lv」×1000/64×2/5 (小数点以下切捨)
※オプショナルパーツ安定性能は(SP−ABSが“800”、SP−ABS/Reが“1600”)で両立不可
※係数“6.25” =1000/64×2/5
※係数“1/31.25” = 64/1000×1/2
※係数に小数点以下を含むと誤差の原因になる場合があります。
被弾安定性は被弾衝撃による硬直を軽減、或いは無効化するための性能値で、この被弾安定性には下限値と上限値が設定されておりそれを逸脱する場合には限界値が割り当てられる。このため安定性を極端に追及しても意味はない。
○安定性限界値
被弾安定性 上限値 : 1593 (上限被弾安定Lv 255)
被弾安定性 下限値 : 200 (下限被弾安定Lv 32)
○被弾衝撃の無効化要求値
安定性に対応する衝撃は“256×「衝撃値」”、無効化に必要な安定性はそれより1以上大きい必要があるため、被弾衝撃の無効化と被弾安定性の関係は以下のようになる。
「無効化に要求される被弾安定性」 > 「被弾衝撃」×256
ただし被弾安定性は“6.25”の倍数値しか取らないので衝撃無効化の条件は以下のようになる。
衝撃 | 無効化要求・被弾安定性 | 無効化要求・被弾安定Lv |
1 | 262 | 42 |
2 | 518 | 83 |
3 | 775 | 124 |
4 | 1025 | 164 |
5 | 1281 | 205 |
6 | 1537 | 246 |
7 | 無効化不可能 | 無効化不可能 |
このように安定性により最大“6”までの衝撃を無効化することができる。被弾衝撃は各武器に設定された衝撃値(隠しパラメータ)なので武器性能ベーシック編で紹介する。
○被弾衝撃による硬直時間
被弾衝撃と機体が硬直する(機体操作を受け付けなくなる)時間(f)の関係は以下の通り。
「被弾硬直時間」 = 「被弾衝撃」×256/「被弾安定性」 (小数点以下切捨)
※被弾硬直時間:1〜5f(最大5f)
例えば衝撃“10”の被弾硬直時間は以下のように安定性によって軽減される。
硬直時間 | 被弾安定性範囲 |
5 | 1 〜 512 |
4 | 513 〜 640 |
3 | 641 〜 853 |
2 | 854 〜 1280 |
1 | 1281 〜 2560 |
このように被弾硬直時間は衝撃値と機体の被弾安定性から決定されるが、被弾安定性は“6.25”の倍数しか取らないので、例えば衝撃“10”の硬直時間の“2”と“3”の境界は実際には“850/856”(被弾安定Lv136/137)となる。また被弾硬直時間は原則として5fが上限なので軽減できない場合は衝撃値に関わらず5fの硬直になる。
※二脚系は地上では被弾硬直を歩行動作によって直後に解除すると解説していましたが検証時のミスで条件が限定的であったため訂正しました(詳しくは後述します)。硬直時間を強制解除する条件を除いて全ての機体が空地を問わず硬直時間の適用を受けます。
○被弾衝撃による加速度
被弾衝撃による加速度は、衝撃値のみに依存し衝撃を無効化しないかぎり安定性や機体重量などで軽減することはできない。衝撃加速度は計算可能だが参考までに以下に着弾時に発生する衝撃加速をメモリから抜き出した数値を列挙しておく。(衝撃加速度は通常歩行など速度値を伴わない運動に対処するためか実速度と加速度の換算を経由し段階的な切り捨てにより衝撃値と完全な比例関係にならない)
被弾衝撃加速度一覧 | |
衝撃 | 加速度 |
1 | 128 |
2 | 320 |
3 | 576 |
4 | 768 |
5 | 960 |
6 | 1216 |
7 | 1408 |
8 | 1664 |
9 | 1728 |
10 | 1920 |
11 | 2176 |
12 | 2368 |
13 | 2624 |
14 | 2816 |
15 | 3008 |
16 | 3264 |
17 | 3456 |
以下略 |
※停止目標では衝撃“18”で発生する衝撃加速度の上限に達するが移動目標の場合や上下方向からの入射角度によってはその限りではない。
被弾衝撃の加速方向は原則的に着弾の入射角度に依存する。つまり、着弾時の弾のx・y・z軸の各弾速成分(詳しくは射撃特性ディープ編で解説)にしたがって着弾時の衝撃加速度が分配される。ただし移動中に着弾した場合の加速度は機体運動ベクトルと衝撃加速ベクトルの和の方向へ加算されると推測される処理を行っている。このため直前までの機体運動ベクトルを十分偏向しきれない衝撃ベクトルが発生した場合には見かけ上その運動方向を維持する方向へ加速度が加わることがある。例えば上昇中に上側から着弾衝撃で上昇方向へ加速する。運動が小さい場合や衝撃が大きい場合はこの現象は表面化しない。
○衝撃無効化と被弾安定性
便宜的に運動性能や安定性能のように性能レベルと性能値に例えると、「武器衝撃パラメータ=衝撃Lv」、「衝撃性能値=衝撃Lv×256」、無効化条件は「被弾安定性>衝撃性能値」という関係になる。そして武器衝撃は弾1発づつに割り当てられるので散弾系ハンドガンなどでも衝撃を無効化してしまえば何発同時に着弾しても衝撃は受けない。例えば武器衝撃“1”の無効化には被弾安定性“257”以上が要求され、実際は“6.25”刻み(小数点以下切り捨て)なので“262”以上となる。また被弾安定性には限界値の設定があるので下限値を下回る機体は全て“200”(安定レベル32)になり、不安定な軽量二脚や軽量四脚はだいたいこの値になるが「SP−ABS」装備でほぼ全ての機体(ミサ腕のみなどで例外はある)で安定性“262”以上が可能なので衝撃“1”は全ての脚部で無効化できる。そして上限を超えても同様に上限値“1593(安定レベル255)”になり、タンクや高安定重量二脚などオプショナルパーツ無しでも達する機体があるので注意しないとオプショナルパーツがただの負荷パーツになる場合がある。なお無効化衝撃の上限6は“1537(安定Lv246)”で達成するが、硬直時間の軽減に影響しうる安定性も“1537”で上限になる。したがってそれを超える被弾安定性は実質的に意味をなさないと考えていい。
余談だがACでは安定性“200〜1593”を逸脱するアセンはできないが、ミッションではその範囲外の安定性をもつユニットも存在する。例えばセラフ(改)は六千以上の被弾安定性をもち、安定性“0”ではあらゆる衝撃を無効化する。
○硬直時間と被弾安定性
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※訂正:二脚系が地上に接地している場合は無慣性歩行動作によって被弾硬直時間が解除される旨の解説をしていましたが、特定条件の再現が繰り返されていた検証ミスであることが判明し、原則として地上の二脚系も被弾硬直の適用を受けることを確認したため関連の記事を訂正いたしました。硬直が直後に解除される条件は跳ね上げ→着地が発生した場合に限られており、地対地の水平射撃や下側からの射撃以外ではほとんど発生しません。
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被弾硬直は最大5fを上限とし、この間はいっさいの運動操作を受け付けない(ブースト・移動・旋回等。射撃や上下サイティングなど運動以外の操作は可能)。そして被弾硬直時間は「衝撃値×256」/被弾安定性(小数以下切り捨て)となり、衝撃値“30”まで被弾硬直を軽減できる。連続硬直(固め)からの脱出にはこの硬直時間が大きく影響するが複雑な仕様や要素が関わるため射撃特性ディープ編で解説する。また二脚系に限りキャノン構え姿勢中は硬直を無視する(固定ユニット扱い?)ため被弾衝撃に影響されずに旋回することができる。なおノックバック動作は被弾硬直時間に比例した五段階で決定される(ノックバック距離は衝撃加速度の影響も受ける)。
また被弾硬直は着地によって解除されるため衝撃で瞬間的に浮き上がって再着地した場合は直後に硬直を解除するため安定性の影響を無視するが、二脚系は軟着地動作からそのまま歩行&ブーストに移行可能で、四脚・タンクは被弾硬直中に着地すると8fの特殊接地硬直を起こす。浮き上がる条件は上向きの加速度が発生した場合で、拡散した上向きの弾や目標点より射撃点が低い条件で発生しアセンや機体挙動によって射撃点が変化する、特に四脚・タンクの腕武装は射撃点が低いため二脚系への水平射撃では起こりやすい。上空側からの射撃では起こらない。
○被衝撃加速度と被弾安定性
被弾衝撃による加速度は衝撃値のみに依存した固定値で安定性によって軽減することはできず、発生直後に機体速度に加算され以降の運動に慣性として影響を与える(地上の二脚系は通常歩行で慣性を強制解除する)。ただし衝撃を無効化した場合には加速度は発生しない。
また後退距離はいくつかの仕様が重なるので条件によって変化する。まず被弾時に衝撃加速度が発生し加速度ベクトルがx・y・z軸へ分配されて機体の速度値に加算され後退するが、速度値が機体最大速度を超えた場合(被弾衝撃は瞬間的に機体の最大速度を超えても加速する)は2f目に最大速度まで減速し、硬直中は専用のブレーキング加速度(おそらく全機体共通で空地で異なる)で減速し、硬直解除と同時にブレーキ力が機体の運動性能(地上の二脚系は無慣性動作で速度を瞬間的に解除停止)に切り替わる。そして機体運動は限界速度(運動特性マニアック編で解説)の制約を受けるので衝撃加速やその後の制動による速度値の変化が限界速度以上の速度域の場合は機体運動には反映されない。このため硬直時間と運動性能または脚部によって後退する距離に差が発生する。おおまかに衝撃値が大きいほど、最大速度が大きいほど、硬直時間が長いほど、限界速度が大きいほど、後退距離が大きくなる。ただし硬直解除と同時に機体運動性能に切り替わるため運動性能が高いほど操作の影響が強くなり、後述するように被弾の瞬間の機体運動によって衝撃ベクトルが偏向するなどの要素も絡む。またノックバック自体は演出動作なので仰け反る大きさと後退距離には直接的な関係はない。
なおこの後退距離が連射衝撃への対応に影響する場合があるが詳しくは射撃特性ディープ編で解説する。
○被弾衝撃と加速方向
被弾時の衝撃加速度は原則的に弾速のx・y・z軸への分配比率(詳しくは射撃特性ディープ編で解説)に基づいて加速度ベクトルに受け継がれる(機体円柱に対する着弾位置によって若干の修正があるようだが詳しくは調べていない)。よって弾の入射角度と衝撃方向は依存関係にあり、例えば同高度で水平射撃した場合には水平方向への加速度が発生し、上空から下方の目標への射撃では下向きに、下方から上空の目標への射撃では上向きの加速度が発生する。ミサイルの場合もエンカウント時のミサイルの速度ベクトルにしたがって分配される。爆風は判定表面と爆心の相対位置にしたがって分配される処理が考えられるが詳しくは調査していない。
なお被弾直前の機体の運動ベクトルを維持する方向へ衝撃加速する現象、例えば上昇中に被弾すると上空からの攻撃でも上方へ衝撃加速が加わる現象がある条件で発生する。これはまず衝撃加速ベクトルの加わる方向が直前の機体運動ベクトルと衝撃入射ベクトルの和方向に決定され、改めてその方向への衝撃加速度が機体速度に加算される処理をしていることが原因と推定される。つまり「被弾前の機体実速度」が衝撃加速を加算する方向の決定に関わり、改めて「被弾前の機体実速度」に衝撃加速が加算されて被弾後の運動になるという二重に関与する構造になっている。おそらく速度値を持たない通常歩行等に対応するための措置だと思われるが、結果として衝撃入射ベクトルがその瞬間の機体運動ベクトルを逆転あるいは十分に偏向するだけの大きさを持たない条件では機体運動を維持する方向へ加速する現象が発生する。
分かりにくいので例えば「大きい上向きの機体運動」に「中程度の下向きの衝撃」を加えるとそのベクトル和として「小さい上向きのベクトル」が算出され、あらためて「大きい上向きの機体運動」に「小さい上向きの衝撃加速」が加算されると推定される。そしてこの現象は垂直・水平方向共に発生する。したがってこの現象は停止目標を除いて常に発生していると考えていいが、おおよそ目標の運動が大きいほど、衝撃が小さいほど、その運動に対する入射角度が大きい(直角に近い)ほど、着弾前の運動を維持する方向への加速度を発生させやすい。そしてこの特性により衝撃強度や目標の運動状況次第で衝撃加速方向を特定しやすく、垂直運動目標の撃墜やミサイル着弾への狙撃などの戦術に大きな影響を与える。逆に十分な衝撃を与えた場合や、弱衝撃でも加速度が目標運動より十分大きい条件などでは衝撃ベクトルと機体運動が相殺されてこの現象が表面化しないためそれほど違和感なく加減速する。
参考までにこの現象は十数程度までの比較的弱い衝撃の武器で表面化しやすく、ざっと検証した限りではACの速度域では衝撃“30”程度までは衝撃の入射角度や機体運動の兼ね合いで発生が見られる。例えば弱衝撃系武器や広角運動にも命中しやすい散弾系射撃武器や小型ミサイルで起こりやすく、グレネードキャノンや機雷クラスの衝撃になるとほとんど表面化しない。
参考までに以下に各脚部が実現可能な被弾安定レベルをリストアップしてみた。想定するアセンはジェネレータ「GBG−10000」及び「GBX−TL」を使用し、積載を最大限満たした状態のもの(※実際に最大まで積載可能な組み合わせがあるかは検証していません、あくまでも参考までに)。
GBG−10000 | GBX−TL | |||||
OP無 | ABS | Re | OP無 | ABS | Re | |
○軽量二脚 | ||||||
LN−SSVT | 32 | 51 | 80 | 32 | 38 | 60 |
LN−501 | 35 | 68 | 101 | 32 | 52 | 78 |
LN−2KZ−SP | 138 | 174 | 211 | 110 | 139 | 169 |
○中量(標準)二脚 | ||||||
LN−1001 | 48 | 86 | 124 | 39 | 69 | 100 |
LN−1001−PX−0 | 39 | 74 | 110 | 32 | 59 | 87 |
LN−1001−B | 68 | 109 | 150 | 55 | 89 | 123 |
LN−502 | 34 | 66 | 99 | 32 | 51 | 76 |
LN−D−8000R | 63 | 106 | 149 | 52 | 87 | 123 |
○重量二脚 | ||||||
LN−3001 | 184 | 242 | 255 | 160 | 211 | 255 |
LN−SSVR | 130 | 179 | 228 | 110 | 152 | 193 |
LN−3001C | 239 | 255 | 255 | 211 | 255 | 255 |
LN−S3 | 87 | 134 | 182 | 73 | 113 | 153 |
LNKS−1B46J | 255 | 255 | 255 | 225 | 255 | 255 |
○逆関節二脚 | ||||||
LB−4400 | 101 | 140 | 180 | 82 | 114 | 145 |
LB−4401 | 151 | 195 | 240 | 126 | 163 | 201 |
LB−4303 | 127 | 168 | 209 | 105 | 138 | 172 |
LB−1000−P | 100 | 135 | 170 | 79 | 106 | 134 |
LBKS−2B45A | 96 | 134 | 173 | 77 | 108 | 139 |
LB−H230 | 189 | 240 | 255 | 162 | 206 | 250 |
○四脚 | ||||||
LF−205−SF | 32 | 56 | 88 | 32 | 43 | 68 |
LFH−X3 | 32 | 68 | 104 | 32 | 54 | 83 |
LF−DEX−1 | 43 | 85 | 127 | 35 | 70 | 104 |
LF−TR−0 | 32 | 68 | 109 | 32 | 56 | 89 |
LFH−X5X | 65 | 112 | 159 | 54 | 94 | 133 |
○タンク | ||||||
LC−MOS18 | 255 | 255 | 255 | 255 | 255 | 255 |
LC−UKI60 | 255 | 255 | 255 | 255 | 255 | 255 |
LC−HTP−AAA | 32 | 74 | 116 | 32 | 61 | 95 |
LC−MOS4545 | 255 | 255 | 255 | 255 | 255 | 255 |
LC−HTP−H5 | 47 | 99 | 151 | 40 | 85 | 129 |
無効化に要求される被弾安定レベル
衝撃 | 無効化要求レベル |
1 | 42 |
2 | 83 |
3 | 124 |
4 | 164 |
5 | 205 |
6 | 246 |
7 | 無効化不可能 |
※被弾安定レベル最小値“32”、最大値“255”、被弾安定性への換算は6.25倍
参考までに以下は衝撃10程度までの主に衝撃を戦術の起点として活用するあるいは活用可能な武器のリスト。無効化できる衝撃は最大で“6”、衝撃“1”の無効化が不可能な脚部は存在しない。戦術や活用法が異る衝撃の大きい武器や衝撃が戦術的価値を持たないものは割愛する。全武器の一覧は武器性能ベーシック編に掲載する。
・衝撃「1」の武器
「WG−HG770」「WC−ST120」の2パーツ
・衝撃「2」の武器
「WC−SPGUN」の1パーツ。
・衝撃「3」の武器
「WG−RF35」「WG−HG235」「WC−LN350」の3パーツ、及び「LS−1000W」の爆風外縁付近。
・衝撃「4」の武器
「WG−HG512」の1パーツ、及び「LS−1000W」の爆風中心付近。
・衝撃「5」の武器
「AW−R/4」「WM−TO100」の2パーツ及び、「WM−SMSS24」と「WG−B2180」の爆風外縁付近
・衝撃“6”の武器
存在せず、爆風衝撃は「WM−SMSS24」と「WG−B2180」の爆風中心付近。
・衝撃“7”以上の衝撃戦術系武器
それぞれ「WG−RF/5」は“7”、「WG−RF/P」は“9”、「WG−PB26」の爆風は“7〜9”、「WG−HG1」は“10”、「WM−MVG812」など小型ミサイル系は“12”、「WR−S50」は“19”、「WR−L24」の爆風は10以上(未調査)、「WRR−10」及び「WC−GN230・IR24」は爆風でもカタログ値に近い衝撃を発生、などなど以下略
※以下筆者の主観による解説を含みます。
衝撃系武器は幾つかの例外を除いて実弾系武器に集約される。実弾系武器は実弾耐性が比較的優れるパーツが多いことで火力的な制約を受ける半面、衝撃は相手の運動性能・戦術を阻害し自機の戦術を展開しやすくする側面があり、この仕様は弾速・攻撃性に優れるものの自機の運動性を制約するエネルギー兵器と特徴的な対比をなしている。
実弾系の衝撃武器には火力重視で衝撃をサポートさせるものと衝撃重視でそれを起点に戦術を展開させるものに大別されるが、後者は主に衝撃“1〜10”程度の連射性能や命中率に優れるタイプが多く様々な戦術に対応する特徴的なパーツがラインナップされている。一方、実質的に機体の運動特性を決定する「脚部」はその安定性能により衝撃“1”〜“6”の無効化を可能としており、回避性能に優れる半面安定性と耐久力に劣る軽量級と、回避性能に劣るが耐久力と安定性に優れる重量級というこれも特徴的な対比をなしており武器の性質と合せて優れた戦術バランスを実現している。これは全般的に安定性に優れる脚部は実弾耐性、不安定な脚部はエネルギー耐性に重きをおくパラメータ設定からも見て取ることができる。
以上のように衝撃を戦術展開の要とする連射系衝撃武器あるいは連携可能なミサイルなどは機体アセンによる衝撃無効化の範囲にあるものが多く、それらの選択には実用的戦術の観点から悩むことになるだろう。衝撃が無効化されてしまえばその攻撃力に期待できるほどの火力を持たないものが多いからだ。例えば衝撃系連射武器として足止め効率の優れるパーツは衝撃が弱いものに多く、衝撃が強くなるほど連射力や継戦能力の低下などのデメリットを持っている。しかしパーツの性能を前向きに評価すれば弱衝撃武器ほど命中率や連射力に優れるため軽量級等への高い対応力を発揮し、強衝撃武器ほど戦術バリエーションを失うものの対重量級戦への戦術的価値を確保する傾向にある。そしてACは4種類の武器を組み合わせることが可能で、一つの武器の想定対象を特化しても残りの武装で十分補うことができれば単独では貧弱な武器であっても相乗的な戦力を期待でき、かつ衝撃武器は他の武器との連携戦術やポジショニングサポートにこそ威力を発揮する性質があるので単独では扱いにくい武装を衝撃武器の対象戦術に組み込むことで真価を発揮する。
つまり単純に火力を積み上げていくのではなく戦術を想定しそれに合せて特化しながら技術的にフォローが困難なあるいはサポートが必要な部分を補い、かつそれぞれの相乗効果を生み出せるようにパーツを組み合わせることで戦力を維持しながら相性の悪いコンセプト機体への対抗手段を得たり、衝撃と連携することで扱いの難しかったパーツの実力を発揮することができるようになるなど戦術の起点という役割を担える。またどうしても短時間で多くのAPを削り取ることを重視してしまいがちだが、衝撃を無効化されやすい系列の武器は軽量かつ近距離での命中率に優れるものが多く弾数も豊富なので、対軽量級への高い対応力を確保しながら対重量級でも回避しながらコンスタントに削り続ければパーツ重量に見合ったダメージを計上できるものも多い。そして衝撃系連射武器を選んでも残りの武装スペースで十分な火力を得られるパーツも多彩にラインナップされており、アセンの的確なアプローチとそれに見合った戦術・操作技術の向上でより衝撃系連射武器の価値を見いだすことができるだろう。
なお衝撃武器を起点とする戦術には賛否両論あると思われるがこのように対比的なバランス設定がなされており、例えば高機動を選ぶ場合には高い回避力を獲得する代償に被弾すれば隙もダメージも大きくなり、弱衝撃武器を選ぶなら高機動機への対応力を大きく増強できるが重量級には戦術も火力も制約されやすく、重量級を選ぶなら回避力を犠牲にするが衝撃での運動を阻害されにくいなどの戦術的相互バランスを確立しており、かつ多くの場合それらによる弱点もアセンや操作技術などのコストを負うことで対応できるように設定されている。ごく一部のイカンともしがたいパーツはともかく、リスクを含めてアセンに組み込んできた戦術ならば堂々と受けて立つのがレイヴンたる宿命だろう、もちろん逃げるのも戦術だが。
最後に、連射衝撃への対応(固め抜け)は様々な仕様が複雑に絡むため端的に解決方法を示すのは難しいですが、参考までに関係する仕様や効率のいい操作方法、注意点などを射撃特性ディープ編と各脚部別に機動戦力エクストラ編で紹介しているので興味がある方はそちらを参照してください。ついでに、明らかにバランスを逸脱していると評価されそうなイカンともしがたいパーツについて、禁止パーツ無しの対戦ルールをネタにPSAC裏話編で取り上げているので興味があったらそちらを参照して下さい。ただしEX編はあくまで筆者主観な個人的意見ですのでアシカラズ。