Frozen Fire Before The Wind


このレポートは経津さんより頂いた文章をかんぴょ〜がhtml化、一部加筆(主に画像の追加)したものです。


●はじめに

PSACは軸武器・軸無視武器や1P・2P補正などの仕様により予測射撃が1〜2f分だけ後ろ(過去側)に逸れるのでそうやすやすとは命中できない特徴がある。
ではどうするかというと、後ろに逸れにくい軸無視武器を選ぶ、アセンを工夫して2Pを穫る、曲射や弾道を操作できるミサイルを駆使する、後ろに逸れても当たるタイミングや位置関係を狙撃する、衝撃による硬直を活用する、避けられない状況に追いつめる、範囲攻撃に巻き込む、ブレードで叩き斬る、自由に射撃できるロケットを磨く、などなど戦術の組み合わせや駆け引きが面白いわけだけど、もしこれに加えて予測射撃を手動でアジャストするテクニックがあるとしたらどうだろう?。

ところでPSACには軸武器や2P補正とはまた別にフルオートエイムとセミオートエイムの2種類の武器タイプがある事をご存知だろうか。分割対戦でこの射撃タイプの違いを体験してみよう。

(1)1Pの肩にチェインガン(WC-CN35)と右手に千マシ(WG-AR1000)を装備。
(2)射程距離で1Pはぐるぐる回転、2Pは放置。
(3)千マシ→ロックオン→発射→安定して2Pに命中!→フルオートエイム
(4)チェインガン→ロックオン→発射→弾が旋回方向に流れて停止している2Pに命中しない!→セミオートエイム

回転しながらの射撃←GIF画像(4370KB)

いったい何が起きているのか?
まずACはロックオンすると目標の予測位置へ自動的に狙いを付ける(エイム)動作をする。そしてゲームはコマ送りのような処理をしているので次のコマ(=フレーム)でエイムしているべき位置は現在のコマの時点で予め動かす大きさとして指定される。ところがこれにはプレイヤーが操作して動かす分までは考慮していないので、次のコマでは予定のエイムに1コマ分の機体の移動距離と旋回角度がオーバーラップしてしまうのだ。

なんてこったいこれでは狙いがブレブレに…これを解消すべくPSACではこのエイム動作から独立して自動的に予測座標に狙いを定めて発射するシステムを採用している。これがフルオートタイプの武器だ。これでどんなムチャな姿勢から発射しても安定してロックオンした位置への着弾を約束する…がしかし、正確に着弾した時点で後ろに逸れている仕様なので射撃に直角に動かれるとどうにも当たらない。さらに完全自動の予測に縛られた射撃はそれを逆手に取って散らされたり弾道を予想されやすい。

一方セミオートタイプの武器はこのエイム通りの角度で発射する。すると弾道が常に機体操作方向に流されるので安定しない…が、裏を返せば射撃方向を手動で修正できるということに。予測射撃は安定して後ろに逸れるので逆にその分だけ前方に再修正してやるだけでいい。そしてどこに飛んでくるか予想できない弾を回避するのは難しい(※)。
一見すると操作でブレて扱いにくいセミオートタイプは巧く扱えれば回避困難な狙撃武器に変貌する、相手が2Pだろうと飛行四脚だろうとあとは腕次第というわけなのだ(理想)。

※歩行中を除いて操作から被弾範囲の離脱まで短くても10f前後(コンマ5秒前後)かかるのでその間の弾の飛距離範囲での目視回避はまず困難。ロケットと同様。

と、いうわけでこの仕様を利用した射撃方法はどことなくカメラの流し撮りに似ているのでとりあえずここでは流し撃ちと表現します(CPL's Reportでは手動補正射撃)。…流し撃ちが完全にはいったのに…。
と思ってググったらマシンガンとかの射撃方法の一般的な呼称っぽいですね、面倒は嫌いなので好きに呼んで下さい。武器ごとのタイプは以下の通り。

セミオートタイプ(角度基準)の武器:構え肩キャノン(WC系)、WG-XW11の下門
フルオートタイプ(座標基準)の武器:その他全ての予測射撃武器、武器腕はフルオートタイプとその平行射撃

※3部作共通、サイトタイプとは無関係で識別できる表示はない。フル/セミオートはここでの便宜的な表現で正式名称ではありません。ミサイルは全く別のロック&発射システムを採用。

え、セミオートタイプの武器ってそれだけ?。
いえ、ほぼ全ての予測射撃武器でセミオートモードにする方法もあるので流し撃ちのポイントなどとまとめて紹介します。

まず流し撃ちの基本原則は、自動エイムにその瞬間の旋回角度とその瞬間の移動距離がそれぞれ上乗せされる事。操作次第でそれぞれの影響がバッティングしたり無効化することがあるので要チェック。


●フルオートタイプをセミオートモードにする方法

武器が一つだけになると武器切り替えがロックオンの一時解除になる。
 ↓
フルオートモードはロックオン中のみ有効なのでロック解除して撃つとセミオートタイプのような射撃になる。
 ↓
ロック解除するとエイム動作が予測位置を追わなくなる(現在位置を追う)のでロック解除と同時に発射する必要がある。
 ↓
右手武器と武器腕でセミオート射撃したい時は以下の3点を満たして流し撃つべし。

・単武装状態にする(他の武器に残弾が無い状態、ブレードは無関係)。
・ロックオンして目標に狙いを定める(自動エイム+機体操作)。
・ロック解除と発射をきっかり同時に入力する(同フレーム内で同時入力)。

※両肩キャノンはエイム動作が無いので流し撃ち非対応。
※後半戦を流し撃ち前提にするなら肩武器は前半で撃ちきりやすいものが使いやすい。

奥の手としてPARなどで発射と武器切り替えを重複させた改造キーアサインデータを作ることも可能です、が…もし対戦に使いたい場合は取り扱いには十分注意して下さい。例えばブレレスにして空いたキーに重複させるか、切り替えボタンに発射を重複させて切り替えのタイミングを工夫して無駄撃ちを抑えたり単装ガンナーにしたりなど、L3R3を使えるかは不明。入力ミスを無くすだけとはいえ対戦への改造セーブデータ使用は必ず事前の同意を得て下さい。


●自動エイムの特性

・自動エイム動作にも速度の上限がある。

→流し撃ちはまず二次ロックして予測位置に自動で狙いを定めていることが前提。
→ロックオンして予測位置に狙いを定めるまでに少し時間がかかる(〜コンマ数秒程度)。
→ある程度ロックし続けるスキルが必要でFCSロック範囲が大きいほど流し撃ちに有利。
→フルオートタイプをセミオート化する方法は1発ごとにロック解除するので高速な連射には向かない。

・自動エイムは角度基準(小数点以下が切り捨てられる)であまり細かくは狙えない

→フルオートタイプ(座標基準)の射撃に比べると精度が粗い。
→遠距離ほど精度が粗くなる(半径と弧の長さの関係)。

・肩キャノンは上に約60度、下に約40度までしかエイムできない

→砲身が可動できない範囲までロックオンできるので注意。
→腕の武器に制約はないが上下角度が極端に大きくなるとエイムが狂うことがある(原因不明)

・自動エイムは機体動作で常に流れる

→複雑な機動中に流し撃ちは不向き。フルオートタイプの武器ならセミオートモードとの的確な撃ち分けがキモ。


●旋回の特性

機体を旋回させながら撃つとおよそその瞬間の旋回角度がエイムに上乗せされる。

・旋回の効果は目標が遠いほど大きく、近いほど小さい(半径と弧の長さの関係)
・旋回速度が高いほど効果が強い
・旋回加速度が高いほどレスポンスがいい(効果の強さには関わらない)

まず旋回速度は細かく調整できないので、流し撃ちは機体の最大旋回速度と距離の兼ね合いで狙うのが基本。そして効果はその瞬間の自機の速度依存という事に注意。
ロケットのように相手の前方を狙うというものではなく修正したい方向に速度を乗せること、相手の移動に旋回が追いつかなくてもエイムへの加算分で予測射撃の遅れ分さえカバーできれば命中する。射撃が移動目標の後ろに逸れるなら近すぎるか旋回(+移動速度)が小さすぎる、前方へオーバーするなら遠すぎるか旋回(+移動速度)が大きすぎる。ということで旋回が弱い重量機は遠距離でも使える弾速が高めの武器と相性が良く、軽量機は近距離戦でも流し撃てるので弾速が低めの武器も扱いやすい。

旋回操作のポイント

・旋回加速度/旋回最大速度の比に注目(アセンで異なる)。最大速度まで少し時間がかかり、逆旋回に切り替えて最大速度まではその倍かかる。
・垂直方向の旋回は自動エイムや機体動作とは無関係なので流し撃ちに効果無し。
・人脚と逆脚は旋回速度が0にリセットされる動作があるので注意、着地(空中から接地)時、地上で被弾硬直時、歩行中に全ての方向キーをリリースした時など。
・地上付近では速度がリセットされない四脚とタンクの方が安定する。ただし四脚は硬直中にブーストすると素ジャンプモーションを発動して移動と旋回を停止する。

旋回しながらの流し撃ちの例←GIF画像(2933KB)

流し撃ち(左側)と通常の射撃(右側)の比較←GIF画像(8606KB)

キーコンフィグを変えて射撃と武器切り替えと重複させた状態でRF/Pで流し撃ちを成功させたリプレイで、ボタンの重複を解除した例。流し撃ちをした場合は当たっていたのに、重複を解除して通常の射撃になると当たらなくなったことが確認出来るのではないかと。


●移動の特性

機体を移動させながら撃つとおよそその瞬間の移動距離に比例して弾道が平行にずれる。

・弾道がほぼ平行にずれる効果なので目標までの距離とは無関係。
・平行移動だけでは予測射撃が後ろに逸れる幅をカバーしきれない。
・旋回と移動の組み合わせ方が流し撃ちのキーポイント。

旋回の効果が距離と比例関係なのに対して移動の効果は距離とは無関係なので、遠距離ほど旋回が近距離ほど移動の効果が重要になる。
というわけで旋回だけでカバーしきれない距離では同じ方向に平行移動を重ねる、旋回だけで十分な時は発射の瞬間に平行移動を抑える方法で調整する。またブースト移動の最高速は重量機と軽量機で大差なく、旋回が弱い重量機では旋回と移動の重ねがけが特に重要。四脚とタンクの地上移動は二脚地上ブーストに比べて遅いので効果は低い。
そして特に旋回と移動が打ち消し合う操作に注意。いわゆるサテライト運動(右移動しながら左旋回、もしくは逆)は旋回と移動が逆向きに打ち消しあって当てづらくなる。旋回でオーバーシュートしてかつ近寄りたくない時などは旋回に逆移動をかけるのは有効。

移動操作のポイント

・移動も最高速まで少し時間がかかるので切り返し後は溜めを意識。移動の最高速は最大速度と限界速度と移動方向で変化する。
・カメラの動きと自機の速度にはギャップがあるので注意、左に切り返したつもりがまだ右に移動中なんてことも。
・二脚(人脚と逆脚)は空中から着地するたびに移動速度がリセットされる。そして歩行初速で急加速できる(凪)。
・垂直移動速度も流し撃ちに有効、ただし操作性が悪いので小ジャンプできる二脚系の方が縦運動に合わせやすい。


●その他知っておきたい仕様

・歩行中であれば脚の駆動力で慣性を無視して方向転換できる(踊りや凪など)。

→二脚の歩行中は瞬時に切り返せるので歩行や着地寸前を狙って流し撃つのは難しい。

・限界速度:風圧などの環境抵抗のようなもので機体速度の上限を抑える。設定は一律で四脚&タンク>二脚。

→一定以上の性能ならブースト移動に大きな速度差はない=予測射撃の遅れ幅はどの機体でも大差なし。
→軸避けなど横移動中はだいたい速度が一定で流し撃ちの狙撃チャンス。

・限界速度の方位:限界速度は四方位(東西南北)に沿って設定され、四隅点(45度方位)の方向で限界が√2倍になる。

→限界速度を超える機体がサテライト運動をすると、円中心から見て四方位から四隅点へ向かう間は加速域になり四隅点の方位で最高速に、四隅点から四方位に向かう間は減速域となり四方位で最低速になる。
→加速域を狙うと予測が過小偏差になり若干当てにくく、減速域を狙うと過剰偏差が射撃の後退を相殺し若干当てやすくなる。この加減速はサテライトの半径が小さいほど勾配が大きい。

・余剰限界速度:限界速度を超えると加速せずブースト最大速度まで運動エネルギー(慣性)だけが蓄積される。ブースト最大速度は地上>空中。

→横移動の速度に乗った空中の軽量機や地上ブースト中などは減速や切り返しの反応速度が低下しやすく流し撃ちが当てやすい。
→四方位に近い方向へ移動中は反応速度が鈍りやすく、四隅点に近い方向へ移動中は影響が小さい。
→ブースト性能が高いほど影響を受けやすく、限界速度≧最大速度で影響を受けなくなる。

・武器腕の射撃は左右に幅がある

→単発であれば右手武器に比べて流し撃ちを命中させやすい。
→流し撃ちは動いている目標にも両腕直撃させやすい(フルオート仕様では移動目標に両腕直撃させるのが難しい)。
→流し撃ちではCLコア(幅減=両腕ヒット域大)、CHコア(幅増=単発ヒット域大)、他コア(中間)で選べる。
→武器腕は流し撃ちすると平行に飛ばなくなる(左右で別々に角度による制約を受ける)。

・ベクトル固有判定:弾道の上下アングルが大きいほど目標の有効判定が縦に伸びるように変化する、揺らぎ大。

→流し撃ちが効きにくい縦方向に動く目標はある程度縦アングルがつく位置関係で撃つと命中しやすい。


●流し撃ち八旋

WG-1-KARASAWA:始まりに唐沢あり そして終わりに唐沢あり
WG-XW11:チョキで グーを 殴り 抜けるッ
WG-RF/E:ハハハ、ご冗談を
WG-RF/P:その時君は、美しい。
WG-B2180:そこっ!
AW-XC65:紙「メ・ギ・ド」
AW-DC/2:突いて駄目なら引いてご覧なさい
WC-SPGUN:…光に…満たされる…


●CPU戦

PPのCPUはいわゆる軸避けをせず移動軸を狙って撃てば当たるのであまり流し撃ちの出番は無さげ(※2P補正はおそらく初代三部作で共通仕様)。
MAのCPUはプレイヤー正面で切り返す癖があるので流し撃ちにはサイトの片側半分しか使えないのがネックで(もともと1P&軸武器仕様は切り返しに当てやすく、ロケ的な撃ち方をすると勝手に当たりに来る)、軸避けに誘導できてしまうのであまり実戦的ではない。とりあえず練習には炎刃(人形)あたりを相手に引き撃ちすると感触を掴みやすく軸武器もサクサク刺さって爽快。射撃戦&遠距離寄りならATHENA(セイレーン)、空中戦寄りならジハード(エフネ)あたりがオススメ。自機正面を境に切り返す癖を抑えるにはランカーメイキングでロックロジックを低めに設定するといい。
なお流し撃ちは外しても何が原因で失敗したか判別しにくいので、はじめは着地時の速度リセットが無い軽めの四脚と入力ミスがなく集弾性&弾速良好なWG-XW11やWC-XC8000でまず流し撃ちの特徴を掴んでから好みのアセンに切り替えていくといいかと思います。


●練習相手(かんぴょ〜による追記)

練習用ランカーMK設定
その1(軽4)
練習用ランカーMK設定
その2(軽2)
[13EUZJKeY]

HD-H10
XXL-D0
AN-K1
LF-205-SF
GBG-10000
QX-9009
B-T001
No Equip
No Equip
No Equip
No Equip

SP-S/SCR
SP-E/SCR
SP-ABS/Re

[13EBlzCzC]

HD-H10
XXL-D0
AN-K1
LN-SSVT
GBG-10000
QX-9009
B-T2
No Equip
No Equip
No Equip
No Equip

SP-S/SCR
SP-E/SCR
SP-ABS/Re

REBEL POINT:3
SHOOT FREQ.:100%
BALDE FREQ.:0%
LOCK FREQ.:0%
AVOID FREQ.:0%
FLY FREQ.:0%
RANGE TYPE:L100%
REBEL POINT:3
SHOOT FREQ.:0%
BALDE FREQ.:0%
LOCK FREQ.:0%
AVOID FREQ.:100%
FLY FREQ.:40%
RANGE TYPE:L100%

↑はランカーMK用のサンプル。非武装の機体なので射撃に専念出来るのではないかと。

MAのサブアリーナのラッキーホッパーは飛行4脚で攻撃頻度も低いので練習しやすい。ただ、やはりプレイヤー正面で切り返す癖がある点には注意。慣れてきたらEX300で(笑)。

PPではアリーナ8位のアディーン(モールニヤ1号)が練習相手に良い。PPのSPとNDは狭いのでSPはともかく、NDで狙うのはかなり厳しい。

海上基地だと弾が海面に着水した時のエフェクトが出るので、流し撃ち自体は成功したけど角度が乗りすぎて相手の移動先を狙ったことが確認しやすいんじゃないかと思います。

初代の輸送列車護衛などの戦闘機(ウェルキン)も練習に使えなくはないけど、攻撃力を下げる等の改造をしないとすぐに撃破してしまう。


Let's try!


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