A1_機体性能ベーシック編

 ACはもともと運動性能が戦力のかなりのウェイトを占める仕様にも関わらず、なぜかダミーパラメータや隠しパラメータだらけで組んだ機体の性能をまともに把握することができない。というわけで、ここではアセンした機体の正確な性能をに知るために戦闘中の運動性能および補助性能の算出方法について解説する。なおそれらの性能の扱いや脚部固有の性能については運動特性マニアック編を参照してほしい。

−−−目次−−−

機体運動性能の基本的概念

運動性能レベル
  運動性能基準レベル
  上昇ブースト性能レベル
  空中水平運動性能レベル
  地上ブースト性能レベル
  旋回性能レベル

運動性能値
  上昇ブースト性能値
  空中水平運動性能値
  地上ブースト性能値
  旋回性能値

運動補助性能
  エネルギー回復速度
  ブーストE消費速度
  被弾安定性能
  被弾硬直時間

防御性能
  実弾ダメージ係数
  E系ダメージ係数
  被ダメージ

運動性能の実例
  運動性能レベルと運動性能値の換算
  運動性能値と実際の速度の換算
  実際のアセン例

脚部隠しパラメータ


<<機体運動性能の基本的概念>>

 機体運動性能には大きく分けて「加速度」と「最大速度」の二種類があり、その役割は戦闘中の「速度値」に1フレームごとに加算される数値が「加速度」、「速度値」が取りうる最大値が「最大速度」となっている。そしてその「加速度」と「最大速度」にはそれぞれ垂直上向きの「上昇性能」、空中水平方向への「空中水平運動性能」、地上ブースト移動の「地上ブースト性能」、地上・空中共通の「旋回性能」そしてキャノン射撃姿勢中の旋回性能がある。それぞれアセンでの有効重量、ブースター性能、脚部性能等によって決定されるが戦闘中の運動性能の処理にはやや複雑な行程がある。以下は必ずしも必要な知識ではないが、ACの機体挙動を深く理解して操作に生かすのにはそれなりに重要なので詳しく解説しておきたい。なお、内部処理の最低単位は1フレーム(以降はfと表現)で約22f/秒(固定)、描画処理側は重くなるとフレームレートを落として(あるいはスキップして)処理されることがあるようだが詳しく調べていない。

「運動性能レベル」
 機体のそれぞれの運動性能を64段階で表すその機体の最大性能。
 まず、アセン(機体構成)から一時的に決定される「運動性能レベル」があり、これは機体の各運動性能を“64”段階にまとめたもの(※数値上は0および1〜64の65段階だが0は不可能。PP以前は0〜63だとか)。戦闘開始時に機体構成から決定され割り当てられるもの、戦闘中の運動処理ではこの運動性能レベルを参照して運動性能値に換算されたものが使われる。余談だが、運動性能レベルが参照されるのは主に開幕やミッション開始・切り替え時など、例外的にキャノン構え関連の性能などはアクション時に毎回参照・換算されるものもあるが、原則として戦闘中にデータを改造しても運動性能に直接関与しない。

「運動性能値」
 機体のそれぞれの運動性能を実際の移動処理に扱われる単位に換算したその機体の運動性能。
 次に、戦闘中の直接的な機体運動性能に相当する「運動性能値」があり、「運動性能レベル」を参照してそれぞれの性能に応じた係数で算出され、この運動性能値をもとに機体の1fあたりの「速度値」が処理される。運動性能レベルは64段階に固定された性能を表すが、運動性能は垂直や水平運動などに即した運動性能に換算されるためそれぞれの性能ごとに換算係数が異なる。なお運動性能レベルから換算される際の切り捨てや速度処理の仕様によって運動性能レベルと運動性能値は完全な比例関係にはならない。

「速度値」
 機体のその瞬間の速度値。
 運動処理中の数値で機体は水平方向のx・y軸と垂直方向のz軸の3種類の速度値を持ち、この速度値は「運動性能値」をもとに毎f処理されている。例えば空中ブースト中はz軸速度値に毎フレーム上向きの加速度が上向きの最大速度までを上限に加算され続ける。速度値が垂直と水平で独立しているので性能レベルや性能値も垂直と水平で分かれている。これは中継される内部処理中の数値なので便宜的に解説に加えたが機体性能として気にする必要はない。

「実速度」
 機体が1fあたりに移動する座標距離。
 最後に、機体が1フレーム間に移動する座標距離に相当する「実速度」がある。これは弾速などと同じ「座標距離/f」単位で、座標距離は機体サイズや射程距離などの単位として扱われている。機体の運動中は運動性能値をもとに1fあたりの速度値として処理され、その瞬間の速度値を「1/64」した値が実速度(実際の座標移動距離)になる。つまり運動処理用の速度値をさらに実速度に換算する行程になっており、やはり単位が異るため実速度と運動性能値には多少の誤差が発生し完全な比例関係とはならない。また一部に運動性能レベルや速度値を経由せずに直接「実速度」に反映される通常歩行のような挙動がありそれらは速度値の関わる運動性能の影響を受けない(無慣性運動)。

 やや複雑な行程だがそれぞれの「値」の役割としては、「運動性能レベル」は機体運動性能を“64”段階に丸める役割で、「運動性能値」は1fあたりの運動処理の基準として扱われるもので計算上小数点以下を反映できないため運動性能レベルを計算しやすい大きな数値でかつそれぞれの性能に見合った設定値(上昇方向と水平方向あるいは地上と空中では同じ性能でも速度の設定域が異る)に置き換えて処理するための数値として扱われる。「運動性能レベル」と「運動性能値」はいずれも機体性能を表す。
 そしてその大きな数値で処理されている途中の値が「速度値」、これを1fあたりの移動距離にした数値が「実速度」になる。これはいずれもその瞬間の機体速度を表す。
 したがって機体性能の目安としては「運動性能レベル」が簡略で分かりやすい。よりACの挙動を追及したい場合には「運動性能値」を理解したい。以降のレポートに説明する脚部依存特性や限界速度仕様などはこの運動性能値や速度値が前提となるのでさらなる追及にはどうしても必要になる。そして弾速や射程距離などと同じ単位に換算した「実速度」を把握しておくと戦術レベルで武器特性や機体性能を評価しやすい。
 それぞれの値が実際にどのように影響するかは運動特性マニアック編で解説する。

以降の説明ではそれぞれ以下のように表現する。
・「運動性能レベル」を「加速度Lv」「最大速度Lv」と表現。
・「運動性能値」を「加速度」「最大速度」と表現。
・「有効重量」とは「ジェネレータ重量」を除いた機体の総重量のことで、運動性能の算出にジェネレータ重量を含まない。
・「有効E消費」とはE回復速度に関わる「機体パーツのE消費」のことで、E回復速度の算出にはブースターと武装のE消費は含まない。

※計算過程を除いて小数点以下の概念は存在しません。このため段階的に計算しているものはそのつど小数点以下を切り捨てないと誤差が生じます。
※小数点以下を含む計算はその環境に依存した誤差が発生する場合があり、PS実機でも特定の誤差が発生します。このため下記の計算式でも計算環境によって誤差が異なる場合があります。以下の計算式は浮動小数点誤差の発生をできるだけ避けるため小数点以下の数値を用いずに表記します。例:80/100=0.8


<<各運動性能レベルの算出法>>

 運動性能レベルはアセンにしたがって算出される機体運動性能の目安となる性能レベルを表す。実践的には後述する運動性能値に換算する必要があるが、全性能レベルが同じ大きさの段階にまとめられているので目安としてはわかりやすい。

○運動性能基準レベル(上昇ブースト加速度Lv)

 「加速度Lv」と「最大速度Lv」は機体の「有効重量」と「ブースター出力」から求められる。以降のブースター出力に依存する全ての運動性能はこの「運動性能基準Lv」を基準に算出される。なおこの「運動性能基準Lv」は算出パラメータとして存在するものではなく、各運動性能の算出基準として暫定的に設定するもので実際には後述する「上昇ブースト加速度Lv」と同じもの。

「運動性能基準Lv」 = 「ブースター出力」×18284/「有効重量」/1000(小数点以下切捨)
 ※上限:“64”
 ※タンク型脚部のブースター出力は全パーツ“9800”で統一。

※この計算式は近似式なので運動性能基準Lvの算出には誤差が発生することがあります。具体的には運動性能Lvの境界となる有効重量に1〜2の誤差が発生することがあり、動性能Lvが整数境界ギリギリの数値となる場合(目安は主に算出Lvが整数に1万分の1単位まで接近した場合)では誤差により運動性能Lvが“1”前後する可能性があります。この誤差は通常の運動性能域では稀に発生する程度ですが、低出力ブースター装備や超重量機体などの境界で頻繁におきます。なお有効重量の境界が“2”ずれるのは低出力超重量機体の場合で、通常は発生してもほとんど有効重量“1”の誤差です。

○上昇ブースト性能レベル

 垂直上向きの性能を表す「上昇ブースト加速度Lv」と「上昇ブースト最大速度Lv」は以下の式で求められる。これは原則として空中でブーストを発動しているときに適用をうける垂直上向きの運動性能。またブーストに関わる運動性能は例外を除いて全てこの上昇ブースト加速度Lvを基準に算出される。

「上昇ブースト加速度Lv」 = 「運動性能基準Lv」
 ※上限:“64”
「上昇ブースト最大速度Lv」 = 「運動性能基準Lv」×80/100 (小数点以下切捨)
 ※上限:“50”

○空中水平運動性能レベル

 空中における水平方向の性能を表す「空中水平加速度Lv」と「空中水平最大速度Lv」は以下の式で求められる。空中の水平運動はブースト出力に依存するもののブーストを発動しているかは関与しない。このためここでは便宜的な表現を用いるが一般的に「空中ブースト性能」と呼ばれるものに相当する。なお水平と限定しているのは垂直運動とは完全に独立して処理されているため。

「空中水平加速度Lv」 = 「運動性能基準Lv」
 ※上限:“64”
「空中水平最大速度Lv」 = 「運動性能基準Lv」×80/100 (小数点以下切捨)
 ※上限:“50”

○地上ブースト性能レベル

 地上における水平方向のブースト性能を表す「地上ブースト加速度Lv」と「地上ブースト最大速度Lv」は以下の式で求められる。地上ブースト性能は二脚系についてはブーストしている場合のみ適用をうけ、四脚・タンクは通常移動に該当する。ただし四脚・タンクは各脚部依存の地上ブースト性能に相当するパラメータを個別に持つのでブースターや有効重量には依存しない(運動特性マニアック編に掲載)。

「地上ブースト加速度Lv」 = 「運動性能基準Lv」×120/100 (小数点以下切捨)
 ※上限:“64”
「地上ブースト最大速度Lv」 = 「運動性能基準Lv」×120/100 (小数点以下切捨)
 ※上限:“64”

○旋回加速性能レベル

 機体の「旋回加速度Lv」は各脚部パーツ固有の「脚部旋回加速性能」と機体の「有効重量」から計算される。「脚部旋回加速性能」はガレージの「PERFOMANCE」画面で確認できる「TURNING SPEED」の1/10、隠しパラメータなので本項の最後に一覧表を掲載する。なおこの「旋回性能Lv」は「旋回性能値」への換算で少数点以下の切り捨てが多く発生するため、目安にする場合でも後述する「旋回加速度」を用いたほうがいい。

「旋回加速度Lv」 = (「脚部旋回加速性能」×3573/「有効重量」)×3/10 (小数点以下切捨)
 ※上限“64”

○旋回最大速度レベル

 機体の「旋回最大速度Lv」は脚部パーツの隠しパラメータ「脚部旋回最大性能」と機体の「有効重量」から計算される。ただし「脚部旋回最大性能」は全脚部“64”で共通になっている。この「旋回最大速度Lv」も「旋回性能値」への換算の際に切り捨てが発生するため、目安にする場合でも後述する「旋回最大速度」を用いたほうがいい。

「旋回最大速度Lv」 = 「64」×3573/「有効重量」 (小数点以下切捨)
 ※上限“64”

○キャノン構え中の旋回加速度レベル

 各脚部の旋回性能パラメータは通常時とキャノン構え中の2種類割り当てられている。キャノン構え中の旋回性能Lvはその隠しパラメータ「脚部構え旋回加速性能」を用いて、通常の「旋回加速度Lv」と同じ式から算出される。各パラメータは一覧として後述するが、例外を除いて通常時の「脚部旋回加速性能」の80%になっている。

「キャノン構え旋回加速度Lv」 = (「脚部構え旋回加速性能」×3573/「有効重量」)×3/10 (小数点以下切捨)
 ※上限“64”
 ※原則として「脚部構え旋回加速性能」 = 「脚部旋回加速性能」×80/100 (小数点以下切捨)。
 ※例外:「LN−2KZ−SP」と「LB−H230」の「脚部構え旋回加速性能」はそれぞれ「100」と「109」。
 ※例外:四脚・タンクは通常時と同じ値、したがってキャノン構え時でも旋回性能は変わらない。

○キャノン構え中の旋回最大速度レベル

 同様に隠しパラメータ「脚部構え旋回最大性能」を用いて通常の「旋回最大速度Lv」と同じ式で算出される。ただしその隠しパラメータは例外を除いて全て“51”になっている。

「キャノン構え旋回最大速度Lv」 = 「脚部構え旋回最大性能」×3573/「有効重量」 (小数点以下切捨)
 ※上限“64”
 ※例外:「LN−2KZ−SP」の「脚部構え旋回最大速度性能」は“52”。
 ※例外:四脚・タンクは通常時と同じ値、したがってキャノン構え時でも旋回性能は変わらない。


<<運動性能値>>

 運動性能値は実際の処理に用いられる実践的な単位で、内部速度処理に直接使われる数値。加速度は操作中に各フレームの機体速度に加算される数値。最大速度は機体速度の取りうる最大値。座標距離に対応する「実速度」(弾速などと同じ単位で「座標距離/f」)に換算するには「1/64」にする。

○上昇ブースト性能値

 原則として空中でブーストを発動している間、垂直上向き方向に適用される運動性能値で、各上昇ブースト性能Lvから算出される。

「上昇ブースト加速度」 = 「上昇ブースト加速度Lv」×2
 ※上限:“128”
「上昇ブースト最大速度」 = 「上昇ブースト最大速度Lv」×200
 ※上限:“10000”

○空中水平運動性能値

 空中で操作中常に適用を受ける水平方向への運動性能値、各空中水平性能Lvから算出される。ブーストを発動しているかどうかには影響を受けない。

「空中水平加速度」 = 「空中水平加速度Lv」×14
 ※上限:“896”
「空中水平最大速度」 = 「空中水平最大速度Lv」×140
 ※上限:“7000”

○地上ブースト性能値

 接地している状態でのブースト中に適用を受ける水平方向への運動性能値で、各地上ブースト性能Lvから算出される。また四脚・タンクの通常移動は各脚部パーツが固有にもつ「地上ブースト性能Lv」から換算される。二脚系の通常歩行は完全に別処理として扱われるので運動性能とは相関性がない。

「地上ブースト加速度」 = 「地上ブースト加速度Lv」×14
 ※上限:“896”
「地上ブースト最大速度」 = 「地上ブースト最大速度Lv」×140
 ※上限:“8960”

○旋回性能値

 旋回操作中に適用される運動性能値で、各旋回性能Lvから算出される。空中・地上および脚部カテゴリによる差は無い。旋回性能値の単位は内部角度、サイトサイズやコアの迎撃範囲(×4)などに対応し、実際の角度との関係は“45°=512、360°=4096”。また「旋回加速度Lv」「旋回最大速度Lv」は64段階だが、運動性能値の「旋回加速度」は20段階、「旋回最大速度」は60段階なので換算時に切り捨て分が多く発生してしまう。このため「旋回性能Lv」は目安にならないことに注意。

「旋回加速度」 = 「旋回加速度Lv」×20/64 (小数点以下切捨)
 ※上限“20”
「旋回最大速度」 = 「旋回最大速度Lv」×60/64 (小数点以下切捨)
 ※上限“60”

○キャノン構え旋回性能値

 キャノン構え中に適用をうける旋回性能で各キャノン構え旋回性能Lvから算出される。四脚・タンクは通常時と同じパラメータに設定されているため変化しない。余談だが運動性能値は開幕時などに性能レベルから算出されて固定されるが構えるたびに構え旋回性能が性能レベルから再計算され、構え時以外は常に“1”になっている(通常プレイでは一切気にする必要はない)。発射反動係数も構えるたびに機体性能と各キャノンの補正値(と思われる)から再計算されるので、もしかしたらキャノンごとに旋回速度を変化させるつもりだったのかもしれない。

「キャノン構え旋回加速度」 = 「キャノン構え旋回加速度Lv」×20/64 (小数点以下切捨)
 ※上限“20”
「キャノン構え旋回最大速度」 = 「キャノン構え旋回最大速度Lv」×60/64 (小数点以下切捨)
 ※上限“60”


<<運動補助性能>>

○エネルギー(E)回復速度

 E回復速度は1fあたりのエネルギー回復量で、「ジェネレータ出力」と「有効エネルギー(E)消費量」から決定され、原則としてブースター操作をしていない(あるいはブースター操作が無効の)状態で適用を受けるが、動作によってはブースト操作が無効でもブースト入力しているとE消費状態になるものがある。「ジェネレータ出力」はパーツパラメータ「ENERGY OUTPUT」、「有効E消費量」は武器とブースターを除いたパーツのEP(ENARGY DRAIN)の合計、ただし脚部パーツのみ稼働時(移動時)と待機時でエネルギー消費が異る。このため「E回復速度」は脚部稼働時(通常歩行やジャンプ予備動作、着地動作、地上ブレード、地上ブースト&ブレーキング中など)と脚部待機時(停止時や空中時など)の2種類が設定される。なおパーツパラメータの脚部EPは脚部稼働時のもので、待機時E消費は隠しパラメータなので本項末に一覧を掲載する。

「E回復速度」 = (「ジェネレータ出力」−「有効E消費量」)×64/1000 (小数点以下切捨)
 ※「有効E消費量」:武装とブースターを除く機体構成パーツのEP合計値。
 ※「脚部稼働時E回復速度」上限:“192”
 ※「脚部待機時E回復速度」上限:“384”
 ※レッドゾーンでの回復速度は、稼働時、待機時ともにそれぞれの1/4(小数点以下切捨)。
 ※チャージング中の回復速度は、稼働時、待機時ともにそれぞれの1/2(小数点以下切捨、グリーンゾーンとレッドゾーンの区別なし)。

○ブーストE消費速度

 ブーストE消費速度はブースト中にジェネレータ容量に蓄積されたエネルギーが1fあたりに消費される速度で、E残量が0を下回るとチャージング状態になる。ジェネレータ容量はパーツパラメータ「MAXMUM CHARGE」、オプショナルパーツ「SP−CND−K」を装備すると“12000”加算される。ブースターの消費量はパーツパラメータ「CHARGE DRAIN」を基準に以下のように算出される。
 なおレッドゾーン・チャージ時のエネルギー消費・回復速度共に小数点以下は除去される。まったく気にする必要はないがジェネレータ容量に対する消費・回復速度の増減は正負逆向きになるので小数点以下除去による小数点以下切り捨ての影響も正負逆向きになる。

・空中ブーストE消費速度:1フレームあたり「CHARGE DRAIN」の1/10(小数点以下切捨)
・地上ブースト消費速度:1フレームあたり「CHARGE DRAIN」の1/20(小数点以下切捨)
・レッドゾーンのブーストE消費速度:グリーンゾーン時の1/4、つまり空中ブーストは1/40、地上ブーストは1/80(小数点以下切捨)。
 ※タンク型脚部の内蔵ブースターの「CHARGE DRAIN」は全タンク共通で“2680”

 エネルギー系武器発射時の消費量は隠しパラメータなので武器性能ベーシック編で紹介する。武器発射時のE消費は弾数1消費時に武器のEG消費パラメータ分消費する。したがって武器腕などは1射で2発残弾消費するので2発分、XW11やSPGUNは1発分の消費となる。また発射時E消費量はレッドゾーンでもグリーンゾーンと変わらない。実弾系武器は消費しない。

○被弾安定性能

 機体の安定性には被弾衝撃に対する安定性とキャノン発射反動に対する安定性の2種類があり別々に扱われる。どちらも「脚部安定性能」と有効重量から決定されるが相互に関与しない。「脚部安定性能」は脚部パーツパラメータ「STABILITY」、オプショナルパーツによって強化できる。なおパフォーマンス画面では被弾衝撃用とキャノン発射反動用のオプショナルパーツをまとめた加算値が表示されるが実際は各安定性専用オプションとなっている。被弾安定性は以下のように段階的に算出され、そのつど小数点以下が切り捨てられる。被弾安定性の細かい仕様については被弾安定マニアック編で詳しく解説する。

「有効重量Lv」 = 「有効重量」×64/1000×1/2 (小数点以下切捨)

「被弾安定Lv」 = 「有効重量Lv」×(「脚部安定性能」+「オプショナルパーツ安定性能」)/4072) (小数点以下切捨)

「被弾安定性」 = 「被弾安定Lv」×1000/64×2/5 (小数点以下切捨)

 ※被弾安定Lv 上限:“255”、下限:“32”、(64/1000×1/2)=(1/31.25)
 ※被弾安定性 上限:“1593”、下限:“200”、(1000/64×2/5)=6.25
 ※オプショナルパーツ安定性能は「SP−ABS」が“800”、「SP−ABS/Re」が“1600”で併用不可(ABS優先)
 ※無効化衝撃:“1:Lv42”“2:Lv83”“3:Lv124”“4:Lv164”“5:Lv205”“6:Lv246”

 ここで算出する「有効重量Lv」は安定性独自のもの、「被弾安定Lv」は安定性の目安となるもので運動性能Lvと同系列のデータとして扱われるが“256”段階となっており、「安定性能値」はレベルから“6.25”おきに換算されて衝撃値との処理に用いられる。

○被弾硬直時間

 被弾衝撃による硬直時間は被弾安定性の向上で軽減することができる。ただし衝撃加速度は衝撃値で固定されているので無効化しないかぎり軽減できない。

「被弾硬直時間(f)」 = 「被弾衝撃」×256/「被弾安定性」 (小数点以下切捨)
 ※上限:5フレーム

※訂正:二脚系は被弾硬直時間を通常歩行によって解除すると解説してましたが検証のミスによるもので、通常は空地を問わず被弾硬直時間の適用を受けることが判明したため修正しました。詳しくは被弾安定マニアック編で解説します。


<<防御性能>>

 機体フレームパーツには「実弾防御」と「E防御」の2種類の防御パラメータがあり、それぞれ防御値の合計から「ダメージ係数」が決定され、ダメージ係数と武器の攻撃力から被ダメージ量が算出される。防御値をもつのは頭部・コア・腕部・脚部で、オプショナルパーツ(防御スクリーン)は各パーツの防御値の合計を15%強化する。なお防御値が大きいほど「ダメージ係数」が小さくなり被ダメージが小さくなる。

○実弾ダメージ係数

 ダメージ係数は防御力“50”で“1”段階変化する。ただし基準となる数値が実弾系とエネルギー系で異る。

「実弾ダメージ係数」 = (2995−「実弾防御値」×「オプション係数」)/50 (小数点以下切捨)

 ※オプション係数:「SP−S/SCR」装備時“115/100”(115%)、非装備時“1”

 ※上限:“45”(MAでアセン可能な範囲は“6”〜“39”)

○エネルギーダメージ係数

「Eダメージ係数」 = (3125−「E防御値」×「オプション係数」)/50 (小数点以下切捨)

 ※オプション係数:「SP−E/SCR」装備時“115/100”(115%)、非装備時“1”

 ※上限:“45”(MAでアセン可能な範囲は“12”〜“41”)

○被ダメージ

「被ダメージ」 = 「攻撃力」×「ダメージ係数」/96 (小数点以下切捨)

※被弾ダメージ計算では“−1”の誤差が生じる場合があります。これは計算過程で発生する浮動小数点誤差によると思われますが詳しく調べていません(APが内部では4倍値の0〜39996で処理されており焼夷弾など表示に反映されないダメージもあります)。


<<運動性能の実例>>

 運動性能は段階的に処理されて実際の運動に反映されるために中継パラメータが多くややわかりにくいのでここで簡単に実例をあげてみる。

○運動性能レベルと運動性能値の換算

 まず「運動性能Lv」はアセン機体の運動性能の元となるもので、実際に運動性能として反映される「運動性能値」はこの運動性能Lvを参照して算出される。また各運動性能レベルは機体有効重量とブースター出力からそれぞれ算出されるのではなく運動性能基準Lv(上昇ブースト加速度Lv)が算出され、それを基準に各運動性能Lvが算出される。このため基準となる「上昇ブースト加速度Lv」は“1〜64”の値を段階的に取るものの、他の運動性能Lvはその基準に80%あるいは120%で算出され小数点以下を切り捨てるため重複あるいは欠番が存在する。例えば以下に各レベルの推移を抜き出すと、

地上ブースト

上昇・空中加速度

上昇・空中最大速度

64

55

44

64

54

43

63

53

42

62

52

41

61

51

40

60

50

40

58

49

39

57

48

38

 このように基準と同一になる上昇及び空中の加速度Lvの推移に対して“1.2倍”になる地上ブースト加速度・最大速度Lvは、一定間隔ごとに欠番が発生して一段階でレベル“2”の変動する場合がある(この表の範囲では“59”が欠番)。また基準レベル“54”以上で地上ブースト性能Lvは上限“64”になり65以上にはならない。一方基準レベルに対して“0.8倍”になる上昇及び空中の最大速度Lvは、一定間隔ごとに重複が発生するため二段階でレベル“1”の変動になる場合がある(基準レベルが変わっても変化しない、この表の範囲では“40”)。
 また旋回性能では旋回性能値が旋回性能Lvよりも小さい値なのでレベルが変動しても旋回性能が変化しない場合があり、特に係数の小さい旋回加速度は旋回性能Lv“3〜4”おきに対して“1”の変動となる。このため旋回レベルは目安に適していない。

○運動性能値と実速度の換算

 「実速度」は1fに機体の移動する距離で、運動性能値にしたがって内部処理されているその瞬間の「速度値」から以下の式で求める。単位は「座標距離/f」、弾速と同一で座標距離は射程距離あるいは機体サイズなどと同じ単位。

「実速度」 = 「速度値」/64 (小数点以下切捨)

 「速度値」とは「加速度」や「最大速度」に応じて内部処理されている機体の速度値で、「加速度」は操作中1fに加減算される数値、「最大速度」はその機体が取りうる速度値の上限値。例えば仮に「空中水平最大速度Lv」が“32”のとき運動性能値の「空中水平最大速度」は“4480”、「実速度」つまり1fに移動する距離は“70”。また例えば通常移動が地上ブースト扱いとなる四脚LF−DEX−1の「地上ブースト加速度Lv」及び「地上ブースト最大速度Lv」は“19”、したがって「地上ブースト加速度」は“266”、「地上ブースト最大速度」は“2660”になるので停止状態から最大速度に到達するまでと最大速度から停止するまでに10fを要し、最大速度到達時の「実速度」は“41”になる。

 旋回速度は1fあたりに機体の旋回する角度で、運動性能値にしたがって内部処理されているその瞬間の旋回速度。単位は「内部角度/f」、旋回性能値と同じ単位なので速度値→実速度のような換算をせずに直接パラメータ角度として扱われる。内部角度512で実際の45度。サイトサイズも内部角度でパラメータ化されており“256×256”は機体正面から上・下×左・右にそれぞれ256なので計512×512となり正面45度の範囲に相当する。

○実際のアセン例

 実際の例として「LB−1000−P」で有効重量“5555”、ブースター「B−T001」で運動性能は以下の通り。まだ解説していない細かい仕様も例として挙げるが詳しくは運動特性マニアック・ディープ編で解説する。

・上昇ブースト加速度Lvは“56”、上昇ブースト最大速度Lvは“44”。
 したがって上昇ブースト加速度は“112”、上昇ブースト最大速度は“8800”となり、上昇開始後79f(約3.6秒)で最大速度に達し、最大速度での上向き実速度は“137”つまり1fに距離137上昇する。ブースターを停止すると落下加速度で1fごとに“256”だけ下向きに加速されるため34fで慣性を消費して落下に転じ、その後38fで落下最大速度“9600”に達する(落下加速度・最大速度は運動特性マニアック編で解説)。そしてダッシュジャンプ(小ジャンプ)加速度はこの場合“2200”、逆関節の脚部ジャンプ加速度は“6016”固定値でこれを利用して上昇する場合にはジャンプ予備動作を除くと最大速度に達するのに25f(最大速度までの残り2784加速分)を要する。

・空中水平加速度Lvは“56”、空中水平最大速度Lvは“44”。
 したがって空中水平加速度は“784”、空中水平最大速度は“6160”となるため停止状態から加速すると8fで最大速度に達し、同様に減速操作で最大速度から停止までに8fを要するが、ニュートラル状態のブレーキングで停止する場合には加速度が1/4になるため32fを要する。なお最大速度とは別に「限界速度」という設定がなされており二脚系の“4800”には約6fで達し、その速度では1fに距離“75”を移動する。そして限界速度を超える速度が余剰慣性として切り返しや減速時の遅延につながる仕様になっている。

・地上ブースト加速度Lv及び最大速度Lvは“64”。
 したがって地上ブースト加速度は“896”、地上ブースト最大速度は“8960”となり、ゼロ速度からブースト加速すると10fで最大速度に達し、同様に最大速度から減速操作で停止するまで10fを要する。地上でのブレーキング(操作解除での自動的な制動)の加速度は減速操作時と変わらないが二脚系はブレーキング開始に若干時間がかかりブーストを解除しているとその間はエネルギーを回復(脚部稼働時)しながらブースト加速し続ける。なお二脚系は地上停止状態からは脚部移動予備動作を経てブースト発動するため実際に要する時間はアセンや操作方向によって変動する。そして通常歩行は運動性能や機体重量とは関係なく脚部カテゴリに固有の性能を持ち、速度値がかかわる運動処理を無視するため慣性が発生しない。そして地上ブーストも同様に「限界速度」の制約があり、これが切り返しや減速の遅延を発生させる原因になるが空中に比べ地上ブーストの方が最大速度が大きいのでその影響が強くなる。

・旋回加速度Lvは“27”、旋回最大速度Lvは“41”。
 したがって旋回加速度は“8”、旋回最大速度は“38”となり、旋回開始後1fごとに“8”加速するため5fで最大の“38”に達する。FCSのQXシリーズやP/CVのSPサイト横サイズ(内部角度180)に例えると停止状態からの旋回加速でサイト中心からサイト末端まで6〜7f、最大旋回速度では約108fで360度(内部角度4096)を旋回する。なお旋回性能は空中でも地上でも変化しない。


<<脚部隠しパラメータ>>

 参考までにガレージ画面等で確認できない脚部の隠しパラメータを紹介する。なお、脚部カテゴリごとに特有の運動性能について運動特性マニアック編で解説するが、脚部カテゴリは以下に示したような分類になっている。人間型二脚「LN」シリーズはガレージではバラバラに纏めてしまってあるが実際の運動特性はカテゴリごとに固有の性能が設定されている。

 

待機時E消費

脚部旋回加速性能

キャノン構え旋回加速性能

○軽量二脚
LN−SSVT

608

123

98

LN−501

835

123

98

LN−2KZ−SP

582

118

100

○中量(標準)二脚
LN−1001

643

115

92

LN−1001−PX−0

541

116

92

LN−1001−B

676

112

89

LN−502

857

119

95

LN−D−8000R

1345

112

89

○重量二脚
LN−3001

670

107

85

LN−SSVR

847

110

88

LN−3001C

910

106

89

LN−S3

969

106

84

LNKS−1B46J

1132

109

87

○逆関節二脚
LB−4400

286

125

100

LB−4401

345

128

102

LB−4303

371

133

106

LB−1000−P

198

142

113

LBKS−2B45A

425

137

109

LB−H230

305

125

109

○四脚
LF−205−SF

2265

116

116

LFH−X3

1990

105

105

LF−DEX−1

2972

110

110

LF−TR−0

1600

110

110

LFH−X5X

3250

101

101

○タンク
LC−MOS18

295

91

91

LC−UKI60

324

98

98

LC−HTP−AAA

2355

118

118

LC−MOS4545

1312

112

112

LC−HTP−H5

2525

112

112

 

待機時E消費

脚部旋回加速性能

脚部構え旋回加速性能


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