B3_斬撃挙動ディープ編

 AC戦の切り札として空中ブレードが極めて強力なため多くのレイヴンがブレードを戦術に組み入れている。しかし一方でブレード関連についてはほとんど仕様が公にされてこなかったため最も情報の少ないカテゴリともいえるだろう。そこでここではブレード戦術に関わる仕様やパラメータを解説し、さらなる斬撃技術の追及のための可能性を考察する。ただしブレードの特性はパラメータではなく処理上の仕様によるところが大きいため、直接データを解析できなかった部分については内部メモリのデータ推移などから拾って再計算したものも多くあることを御了承願いたい。各ブレードのパーツパラメータについては武器性能ベーシック編に解説する。

※一部間違い(ブレホのスケジュール)があったため改訂版で訂正しました。

−−−目次−−−

空中ブレードホーミング
  ブレードホーミング
  運動特性
  追跡基準
  攻撃判定(垂直位置)
  攻撃判定(水平マップ)

各脚部カテゴリのブレードマップ

アセンによるブレードマップの変化

アセンによるブレードマップの例外的変化

空中ブレード多重ヒット

ブレホキャンセル

ブレホ参考情報

地上ブレードホーミング

地上ブレード判定(未調査)


<<空中ブレードホーミング>>

 空中でブレードを発動すると目標の予測位置に向けて軌道修正を行いながらブレードによる攻撃を行う。この課程は以下のように進行しブレードホーミング(以降ブレホと表現)の強さは運動性能および限界速度のみに依存する。つまりブレードパーツや腕部あるいはFCSなどのパーツパラメータには影響をうけない。

○ブレードホーミング

・ブレホの発動条件は発動時に機体の視点中心から内部角度で“512”の範囲内に目標があること。
・同発動条件は発動時に距離“3000”の範囲内に目標があること。

・ブレード操作から3f後にブレホを発動する(※1)。
・旋回追跡は機体運動性能の「旋回最大速度」の4倍を上限に運動する。
・移動追跡は機体運動性能の「空中水平最大速度」を上限に運動する。
・旋回・水平速度ともに加速度の影響を受けず上限まで瞬時に加速する。
・上昇方向への追跡運動は「上昇ブースト加速度」の4倍を加速性能として最大速度を上限に加速する。
・落下方向への追跡運動は自由落下による。つまり「落下最大速度」を上限とする「落下加速度」に依存する。
・実速度の上限は各脚部特性の「限界速度」に依存する。
・旋回と水平運動と垂直運動による追跡は独立して制御され、それぞれに相互依存性がない。
・ブレホ中はそれぞれの機体運動操作を受け付けない(上下方サイト旋回は有効)。
・ブレホは双方の機体実サイズの中心座標を基準に予測追跡運動を行う(※2)。
・ブレホは双方の機体実サイズ値の半径範囲を接近限界として重なると反発する(※3)。
・ブレホ接近限界は半径のみ有効で垂直方向へは無制限の円柱範囲になる。
・旋回追跡と移動追跡はそれぞれ“15f”間継続する(※4)。

・発動8f目に主に前方に2つの攻撃判定範囲を発生する。
・発動9f目に主に左前方に2つの攻撃判定範囲を発生する。
・計4つの判定を持ち各脚部カテゴリ(重量級腕部よって変化する脚部あり)によってその判定形状が異る。
・LS−1000Wは発動8f目に機体前方正面に射出する(※5)。
・攻撃判定はいずれも機体実全高の“50%”の高さで水平方向へ発生し、垂直方向へは大きさを持たない。
・ブレホ中に武器変更すると追跡運動が解除される。
・ブレホ中に着地あるいは被弾衝撃が発生するとブレード動作そのものが解除される。

※1:操作2f後にE消費、3f後に追跡を開始する。
※2:自動制御方法の制約により追跡運動はかなり大まかなになる(後述の参考情報参照)。
※3:ブレホ接近限界は機体実サイズが適用されるが四角柱オブジェクトとしてではなく半径の円柱範囲として扱われる。
※4:追跡継続時間は空中水平最大速度で例外があり、二脚系は“2368以下”で四脚・タンクは“2688以下”(おそらく実速度換算の限界速度の1/2)でそれぞれ旋回が16fへ移動が18fへ継続時間が変化する、判定発動は変化しない。
※5:ブレード光波は射撃武器の40系に相当し弾の移動遅延により射出時の飛距離は“0”なため実際に攻撃判定が発生するのは発動9f目になる。
※ブレードは各武器のリロードタイムを無視して発動できる。なおブレードモーション中はリロードタイムのカウントが一時停止する(リコイルカウントは停止しない)。

○運動特性

 ブレホの発動条件は目標が自機の視点中心から上下左右の内部角度で“512”内(全幅全高角度1024)かつ機体中心同士の距離“3000”以内の範囲、上下方向へもサイティング有効だが旋回限界アリ。実際の角度では中心から45°、レーダーのスタンダードサイトの透明部分、あるいはコクピット視点切換えでの画面内がおおよその範囲になる。余談だがこの発動条件エリアはロックサイトなどと同じような円柱状の一部を切り抜いた形と推定される。また1次ロック中の距離カウンターは射撃点から目標機体中心(被弾半径分を除いた値)の座標差分距離で概念が円柱ではなく球になっており、もともとあまり正確な数値ではないが表示上は同高度正面でおよそ2850前後の距離になる。

 ブレホの強さは機体運動性能に依存し、旋回追跡は旋回最大速度の4倍を上限に瞬間加速、水平移動追跡は空中水平最大速度を上限に瞬間加速し、垂直追跡は上昇ブースト加速度の4倍と落下加速度を適用する。つまりブレホ中は水平移動と旋回については加速度の影響を受けずに瞬間的に最大速度まで加速し、垂直方向の移動は加速度が適用される。またブレホ水平速度は例外的にx軸とy軸を独立制御してそれぞれ最大速度まで適用されるため、限界速度以上の機体運動性能はブレホの踏み込み速度にはほとんど影響を与えない(詳しくは後述)。そして目標予測位置を機体正面に捉えるように旋回追跡を行うが、移動追跡は機体の向きとは関係なく目標予測位置にむけて運動する(ミサイルのように向いている方向へ加速するわけではない)。なお実速度は限界速度を上限とするため水平方向へは二脚系よりも四脚の方が速く移動距離が大きくなる。
 またブレホ発動まで水平速度は固定されるが旋回とブースト操作は有効。時間的余裕が短く細かい操作は不可能だがブースト継続か解除かは斬撃の成否を左右しうる。ただしブレホ中はブースト操作を継続しているとブーストE消費するので注意。なおブレホが解除される条件は着地及び被弾衝撃と選択武器の切り替えで、発動すると機体位置関係に関わらず規定の時間内は追跡運動を継続する。

○追跡基準

 ブレホの追跡の基準は双方の機体実サイズの中心座標で、被弾判定サイズ中心を基準にする予測射撃とは異る。水平の中心位置はいずれも同じだが判定高と実全高が異なる場合(四脚・タンクと二脚系キャノン構え)では垂直位置が異る。ブレード攻撃判定自体は被弾判定サイズが適用される。したがって垂直運動は自機の機体実サイズの中心座標が敵機のそれよりも低い位置にある場合にはブースト上昇を、高い位置にある場合には自由落下による高度調整を行う。水平運動は目標の中心座標を基準に追跡するが、双方の機体実サイズ同士が重なった場合には離脱方向への移動を行う。なお機体実サイズは地形との接触判定には全高・半幅の四角柱を形成するが、ブレホでは双方とも同じ機体実サイズを機体中心座標からの距離範囲(水平のみ)として扱うため結果的に高さ無制限の円柱範囲になる。このため高度差に関係なく水平座標間の距離が双方の実サイズ合計以下になると離脱側へ反発される。
 追跡基準となる機体実サイズが脚部アセンによって異るのでそれにしたがってブレホの運動特性が変化する。例えば四脚・タンクは機体実全高が二脚系よりも低い位置にあり、その全高の差によって着地前に上昇と下降による調整を行う余地があるため地上付近でのブレホの挙動は二脚系とは大きく異り、かつ高い限界速度により踏み込み距離と速度の上限が高くなる。一方で機体実サイズの半径が二脚系よりも大きいためブレホによる接近限界が遠く自動的に離脱してしまう範囲が大きくなるので攻守ともに有効な攻撃タイミングが若干異る。特に四脚・タンク系同士の斬撃戦では特殊接地硬直もあってシビアになりやすい。

○攻撃判定(垂直判定)

 空中の判定位置は正面・側面ともに機体実全高の50%の高さで固定され上下方向に幅はなく、見た目上のブレードの振り方とは関係しない。したがって攻撃判定の高さは二脚系と中量二脚(例外を除く)と四脚・タンクで異なり、ブレードの振り方に関わらず発動8f目に主に前方に、同9f目に主に左前方から左側面にいずれも同じ高さの平面的な攻撃判定が発生する。ただし水平マップは機体構成によって異るため実射程は変化しうる。

  軽量二脚 中量二脚 重量二脚 逆関節二脚 四脚 タンク
機体実サイズ 全高 225 ※212 225 225 150 150
空中ブレード高 112 ※106 112 112 75 75

※中量(標準)二脚のみコアと腕部によって2種類の全高があり、コアパーツ「XCL−01」か「XCH−01」、腕部パーツ「AN−K1」か「AN−3001」か「ANKS−1A46J」のいずれかを装着している場合は全高が“225”となり空中ブレード高も“112”となる。武装(武器パーツのアセン)は全高に関与しない。

○攻撃判定(水平マップ)

 空中ブレードの攻撃判定とブレードモーションには直接的な関係はなく光刃や腕の振りはダミーと考えていい。ただし判定マップ自体はブレードの振り方に矛盾が生じない程度には合わせた設定になっている。ブレードの攻撃判定は発動8f目と9f目にそれぞれ二箇所づつ発生し最大4ヒットが可能だが、アセンによって判定形状が変化するため命中条件や多重ヒットの条件も異なる。なお以降の解説では便宜的に発動8f目の攻撃判定を前撃、同9f目の攻撃判定を後撃と表現する。
 また、LS−1000Wの判定は射撃武器と同様(IDでは40系“51”に該当する)に現在の座標と前フレームの座標を結ぶ直線がエンカウント判定なので面積や体積を持たない。

 以下にカテゴリごとの空中ブレードマップを紹介するが、各判定の形状は判定中心線から左右におおよそ平行に切り取ったような六角形の形状を4本もち、前撃判定が右側2本、後撃判定が左側二本になる。図は縦軸と横軸の交点が攻撃側機体の中心、縦軸が機体中心から前方への距離、横軸が機体中心から側方への距離を表し、目盛りは距離50刻みで末端の目盛りは300、単位は座標距離で機体サイズや弾速などに対応する。図の内側の円(白線)は攻撃側の機体被弾半径“75”で機体同士のエンカウントにも用いられる大きさ、外側の円(灰線)は機体実サイズ(※地形エンカウントは四角柱オブジェクトを形成するがブレホでは半径値扱い)で二脚系が内側の半径100、四脚・タンクが外側の半径112、ブレホ中に双方の機体実サイズ同士が重なり合うと離脱側へ反発する。
 なおこのブレードマップはパラメータではなくエンカウント判定を持つ座標を抽出したもので、処理上のブレード判定はその中心線を基準として判定幅を形成している可能性があり、機体の向きによっては僅かに形状が異る可能性もあるが細かく確認はしていない(まあ影響は無いと思うが切っ先部分の形状が絶対軸に沿って切り取られている可能性がある)。このためブレードマップはブレード判定の中心部分の位置や長さとそのだいたいの幅として参考にして欲しい。


<<脚脚部カテゴリのブレードマップ>>

 図のブレードマップは標準タイプが「XXA−S0」+「AN−25」の組み合わせ、重腕タイプは「XXA−S0」+「ANKS−1A46J」の組み合わせの判定座標をそれぞれ図にしたもので、重腕に該当するパーツは「AN−3001」と「ANKS−1A46J」の2パーツ、軽・中量二脚以外の脚部では重腕でもマップ形状は変化しない。そして脚部カテゴリごとに共通で脚部パーツ個別の変化は無い。また標準タイプのS0コアと初期コアとD0コアの三種は共通で変化なく、その他のコアや腕部の組み合わせでは大差ないが若干変化するので後述する。細かい座標情報は省略する。

全カテゴリ

軽量二脚・標準

軽量二脚・重腕

中量二脚・標準

中量二脚・重腕

重量二脚

逆関節

四脚

タンク


<<アセンによるブレードマップの変化>>

 ブレードマップは上記のカテゴリでほぼ固定されるが組み合わせるコアや腕部で微妙に変化する。あまり気にするほどのものでもないと思うが何度も斬撃を繰り返すと“10”程度の変化でも多重ヒットの発生率に若干の差が生じる状況が見られたためコダワリたい方のために紹介する。微妙な差で変化する原因はおそらくブレホ特性などにより多重ヒットの発生するスポット(特に3重ヒット以上)がかなり限定的な条件と範囲になっているせいだと思われるがはっきりとした確証はない(操作の癖などでも変わってくるし)。また左腕に装備する構造上、判定形状を前方あるいは左へシフトしたほうが有利に働く場合が多い。
 基準は標準タイプが「XXA−S0」+「AN−25」、重腕タイプが「XXA−S0」+「ANKS−1A46J」で、以下はその基準に対しての変化量を紹介する。

○コアによる変化

 コアでは前後左右へ判定の起点が移動するような変化になるがさほど大きいものではない。以下の例で同じコアでも変化に幅があるのは腕の振り方(脚部カテゴリ)によって若干異なるため。一部例外的に大きく変化するパーツの組み合わせは後述する。
 数値は座標距離でブレードマップの目盛単位と同じもの。図に合わせて前方及び右側へ正、後方及び左側へ負としている。詳しい数値は省略する。

・「XCA−00」「XXA−S0」「XXL−D0」の3種は共通で変化しない(図の基準コア)。
・「XCH−01」(以降重コアと表現)は基準に対して以下のように変化する。
 前撃は、前後へ“0”〜“+2”、左右へ“−4”〜“−1”程度(つまり前方へ0〜2、左へ1〜4)。
 後撃は、前後へ“−2”〜“+1”、左右へ“−4”〜“−2”程度。
・「XCL−01」は基準に対して以下のように変化する。
 前撃は、前後へ“−4”〜“+1”、左右へ“+3”〜“+5”程度。
 後撃は、前後へ“−2”〜“0”、左右へ“+3”〜“+6”程度。

○腕部による変化

 腕部は主に軽・中量級腕部と重量級腕部で変化が異るが、重量級腕部でマップ形状自体が変わる脚部も存在するためやや複雑に変化するが例外を除いてさほど大きな変化はない。同じ腕部でも幅があるのはコアと同様に腕の振り方(脚部カテゴリ)で若干変化量が異なるため。例外的に大きく変化する組み合わせは別途後述する。
 以下はいずれも基準とした腕部「AN−25」に対する変化量。詳しい数値は省略する。

・軽・中量級腕部(重腕とK1以外の通常腕部)
 前後左右へ前撃・後撃とも“−2”〜“+2”程度。
 「863−B」と「891−S」は前後へ“−1”〜“+4”、左右へ“−4”〜“+1”程度。
 「AN−K1」のみ四脚・タンクを除いて例外的に変化幅が大きい(後述)。
・重量級腕部(重腕)
 前後へは、重量二脚と逆関節では“−2”〜“+1”程度、四脚では前撃が“+4”〜“+5”に後撃が“+1〜”〜“+3”程度、タンクでは“+5”〜“+8”程度。
 左右へ、前撃・後撃とも“−11”〜“−4”程度、変化が大きい順におおよそ重量二脚>逆関節>四脚・タンク。
 ※軽量二脚と中量二脚はマップそのものが異る。


<<アセンによるブレードマップの例外的変化>>

 ブレードマップは脚部以外のアセンでも多少変化するが例外的に比較的大きく変化する組み合わせがある。以下にざっと検証した範囲で例外として確認したものを紹介する。例外となる法則はだいたい決まっているが全てのアセンを検証したわけではないので他にも例外がある可能性は否定できない。このタイプの変化はカテゴリごとのマップ変化ほどではないもののコアや腕部による標準的な変化量より大きく、多重ヒットの条件などへの影響も大きくなりうるので若干の差に期待して組み合わせを試してみる価値はあるかもしれない。

○軽量二脚

・「軽量二脚+K1」
 K1は総じて二脚系機体に装備した場合に若干左側へ旋回する。変化としては僅かなので例外といえるほどではないと思うが、K1は特殊腕部(軽・中量球級腕部ではない)という位置づけで扱われているようなので一応紹介してみる。
 余談だが地上ブレードでもK1を装備(全脚部)していると垂直方向の攻撃判定の高さが大きく変わる。なぜかK1はブレードに限らず様々なものが例外的な扱いを受ける。

・「軽量二脚+重コア+軽・中量腕部」
 軽量二脚に重コアと軽・中量腕部を組み合わせると標準タイプの判定形状を維持したまま大きく縮退する。ブレオンに近い状態の軽量二脚では重コアと組み合わせることもあるかもしれないが、判定マップは重腕タイプの(暗色で示した)マップに近くなりその密度を下げつつ右へシフトしたような形状になる。ただし腕部がK1の場合はK1タイプの判定(上のマップ)が優先され、重腕の場合は重腕タイプの判定マップが優先され、いずれも重コアによる変化は標準的なアセン変化になる。

○中量二脚

・「中量二脚+K1」
 中量二脚はK1と組み合わせる(全コア)とやや後退しつつ左側へ旋回するが、前撃に比べ後撃の変化が小さいため若干ながら判定が密集する。マップは省略するが全体的に前後へ“−2〜−9”そして前撃が横へ“−10”、後撃が横へ“0,−6”のようにそれぞれオフセットし、変化量は軽量二脚+K1のそれと同程度。ただし中量二脚+K1では機体実全高及び被弾判定高が大きくなり、垂直方向の判定位置が“106”から“112”に変化するなどデメリットが大きい(運動特性マニアック編で解説)。PPではほとんどがK1と思われるが。

・「中量二脚+重コア+重腕」
 中量二脚は重腕と組み合わせると判定形状そのものが変わる(暗色で示したマップ)が、さらに重コアを組み合わせるとそれが若干左前方へシフトする。中二+重腕はもともとブレードの実用性が低いマップ形状で、重コアと組み合わせるとブレードの観点からは多少斬りやすくなる。まあはっきりいって焼け石に水なのでブレードのためにわざわざこのアセンにするメリットはほとんど無いと思うが、ガンバル人は応援したい。

○重量二脚

・「重量二脚+K1」
 二脚系の中でもK1との組み合わせ(全コア)で最も大きく変化する。変化は基準(暗色系で表示)に比べ左側へ大きめに旋回するもので、左前方に入射あるいは左側を払い抜けるような斬撃で若干有効性が高まる。ただブレードを優先して重量級に装甲の薄いK1を選択する戦術上のメリットは・・・どうだろう、脚部によってはないわけでもないかな?PPの場合はポピュラーか。基準を「S0コア」+「AN−25」としてしまったのでやや分かりにくいが、重量二脚は重腕のみでも横方向に“−10”程度シフトするので、基本通り重コア+重腕による標準的変化でも先に紹介したマップに比べ前方への射程を維持しながら横方向へ“−10〜−15”程度オフセットする(K1の変化量に比べると1/4〜1/3程度)。

○逆関節二脚

・「逆関+K1」
 逆関節のK1による変化は前撃が横方向へ“−5〜−10”シフトしながら後撃の位置が維持されるため若干密度が上がるが、全体的に前後に“−5〜−12”程度変化つまり後退する。わずかな密集による利点よりもともと短い前方への有効距離がさらに短くなる変化の方が大きいのでこれを生かすのは難しいか、しかしデメリットというほどでもない。逆関節は重腕の標準的変化で前後の位置をほぼ維持したまま前撃・後撃とも横方向へ“−6〜−7”シフトするのでこちらのほうがいいかな?重いけど全然別のメリットも大きいみたいだし。

○四脚

・「四脚+重コア+重腕」
 重コアと重腕を組み合わせるとやや左旋回しながら左前方へ比較的大きめにシフトするが、命中範囲が広がるだけでなく前撃左側がほぼ正面方向となるため右方向への衝撃加速が発生しにくくなるメリットがある。そして基準判定マップ(暗色系で表示)に比べて前方と左方向への判定範囲が広がりながら判定密度が高まるため左側で空振りしにくくなり、かつ左前方へ入射あるいは払い抜けで重ヒットが発生しやすくなる。珍しく明らかに上位変化といえるだけの違いがあり、これが生かせれば四脚使いにとってメリットになりそうだが四脚に重コアと重腕を組み合わせろというのか・・・愛かな?

○タンク

 タンクには変化の大きいアセンは無い。タンクはほとんどの判定が右側に傾斜しているのがネックなのでできるだけ左へシフトさせたいが、基準(XXA−S0+AN−25)にくらべて重コア+重腕で横方向へ“−5〜−10”程度変化する。


<<空中ブレード多重ヒット>>

※以下に多重ヒットについて説明しますがブレード戦術の実践はかなり感覚的な要素が大きく、衝撃加速などの不確定要素も多いのであくまでも参考までに。なおここでは3ヒット以上を多重ヒットと表現します(同f2ヒットが多ヒットで1ヒットづつ2fで重ヒットかな?)。

 ブレホによる攻撃判定は2fにわかれ各fに2ヒットの判定が発生する。したがって同fにおける多ヒットの発生条件は目標機体の被弾判定が2本の攻撃範囲に同時にエンカウントすればいいので比較的容易だが、2fにわたる重ヒットは前撃の衝撃加速と機体実サイズによる反発そして着地解除によって難易度が飛躍的に上昇する。このため衝撃は小さいほど重ヒットしやすくなるがいずれにしろ前撃に2ヒットした場合や高速の落下斬りでは多重ヒットを狙って発生させるのは極めて難しい。
 ブレードの衝撃ベクトルはマップ形状の各攻撃判定の中心線ベクトルとほぼ一致(被弾した位置によって若干変化するっぽい)し、被弾側の速度ベクトルとの兼ね合いから衝撃加速される。そしてほとんどのカテゴリで前撃判定が右前方へ傾斜しているためこれがヒットすると右前方へ加速して後撃から遠ざかる可能性が高くなり、特に衝撃の強いMOONLIGHTでは移動目標でもこの状況が発生しやすい。そして多重ヒットは根元に近いほど判定が密集して発生しやすいものの双方の機体実サイズ範囲内に踏み込むと反発するためさらに厳しくなり、加えて地上目標へは2fにわたる攻撃判定を着地前にエンカウントさせなければならない。ついでに旋回性能の高い機体はブレホによる旋回が強すぎて入射位置を調整するのは難しい。なおブレホ中は通常の4倍の旋回最大速度と上昇加速度によりサイトギャップが著しく増大してしまうのでロックサイトは入射位置の基準にはできない。たとえばロックサイト左側で斬撃しているように見えても実は機体右前方にエンカウントして空振りしていることがあるので斬撃位置の目安には適さない。(サイトギャップについては射撃特性ディープ編で解説)
 つまり2ヒット以上を狙う場合には前撃2重か後撃2重が実用範囲で、一部の脚部や空中戦などで前撃1+後撃1が現実的といえる。

 このように狙って多重ヒットを発生させるには判定2fにわたって目標をそれぞれのブレード範囲に捉える必要があり、ブレホ中は機体挙動が完全に自動化してしまうのでブレードマップや双方の運動状態、あるいは地形などを適した条件に合致させるのが非常に難しく、4重ヒットとなると運をもってしても至難の技といっていい。
 参考までに一応狙って多重ヒットできるものを検証してみたところ、単純な地上停止目標(対二脚系)に対してブレホで3ヒット以上が発生しうるのは軽量二脚標準とタンク(ただし踏み込み速度が遅いと難しい)のみ、障害物等を背負わせた状態や理想的な位置にカウンター気味に入射した場合などでは他の脚部カテゴリでも可能。ブレード範囲が広いタイプでは機動戦などで偶発することもあるが、いずれにしても確率はとても低い。発生しやすい例としては左方向からの出合い頭ヒットで自機に対して目標が左側からT字合流してくるような状態(軽量二脚標準は右からでも可)、特に双方右奥へ移動中に緩やかに合流するY字合流の様な状態が理想的で深く入れば比較的発生しやすくなる。これは被弾前の機体速度が右前方への衝撃加速を吸収して前撃の衝撃で運動方向や速度が変わりにくいこと、後退目標へはブレホによる減速制御や実サイズ反発が発生しにくくなることで結果として2fにわたって命中しやすくなると考えられる。また同条件でブレホが発動しない場合は容易に3ヒット可能で、ブレードマップ次第で4ヒットも発生しうる。ブレホの発動目標は機体中心なので接触距離ではブレード判定範囲でも機体中心がブレホ発動圏外の場合があり、自動追跡・反発挙動が発生しないことでより左前方に密集するブレード判定に捉えやすくなる、ブレホキャンセルでも可。このような状況自体が稀なのでやはり狙って達成するのは容易ではないが、発生条件を知っていれば応用して多少なりとも可能性を高めることができるかも。またブレードから逆向きにブースト脱出しようとすると近い状況が再現し多重ヒットが発生しやすくなることがある。


<<ブレホキャンセル>>

※以下は仕様上こんな方法も可能ですよという紹介です。これを使えばビシバシこんなスゲーことができるという夢のような技ではないので誤解の無きよう。

 空中のブレホ中に武器切り替えをするとブレホが解除されその後はブレホ適用外のブレード動作と同様になる。具体的にはキャンセル後ブレード動作終了まではブースト上昇以外の操作は受け付けず、水平運動はキャンセル時の速度を維持し、旋回速度は解除されて機体角度を維持する。そしてブレード判定はブレホ時と同じように発動8f目と9f目に発生する。このブレホキャンセルは使い所が難しいものの幾つかの利点がある。

 まず二脚系で地上目標に斬撃する際にブレホは多大な補助運動をしてくれる半面、状況次第ではブレホの継続が斬撃のタイミングをむしろシビアにさせ、かつ後撃ヒットの可能性を低下させる問題がある。具体的に例を挙げると二脚の標準全高は“225”、ブレホの追跡基準は機体全高の50%で地上目標の追跡基準高度と同じ“112”なので、必然的に自機の機体中心がその“112”に達すると着地してしまう。つまり二脚系対二脚系での対地落下斬りではブレホによる上昇の余地が存在せず、ブレホ発動から斬撃までの間自由落下し続ける。そして被弾高と着地までの余地は“113”なので、この範囲を落下する間に攻撃判定の2fを挟まないかぎり前撃と後撃にわたる多重ヒットは発生しえない。そして被弾全高が低くなる中量二脚、特に四脚・タンク、そして構え二脚にたいしての余地はより小さくシビアになる。加えてブレホ中に双方の機体実サイズ半径が重なる範囲まで接近すると反発してしまい、多重ヒットどころか空振りのリスクが増大する。特に機体実サイズによる反発範囲が広い四脚・タンクや、前方にリーチが狭い逆関節や軽・中量二脚重腕タイプはこの影響が大きい。
 したがってブレホを意図的にキャンセルすることでブースト操作により高度をコントロールしながら双方の被弾サイズまで踏み込むことが可能になり、着地解除と反発運動を抑制し同時に前撃や後撃ヒットの可能性を高めることでブレードマップの狭いカテゴリや機体実半径の大きい機体同士でも斬撃しやすくなる場合がある。

 二つ目の利点はブレホで機体正面に目標を追跡しようとする運動から開放され、斬撃の入射位置をコントロールすることで正面や真横を払い抜けるなどの斬撃パターンが可能になる。ブレード入力後は水平方向の操作を受け付けなくなり、ブレホ発動と同時に旋回とブースト操作がそれぞれ不能になり、慣性を無視して最大速度まで瞬間加速する。したがってブレード入力からブレホ発動までの予備時間にキャンセルするとブレード入力時の水平速度とその瞬間の角度を維持したまま斬撃を敢行し、発動後にキャンセルするとブレホの初速と角度を維持したまま斬り込むことができ、いずれもブースト操作による高度調節が可能になる。つまりそのままの運動で斬撃を狙う場合には発動前に、ブレホによる強大な瞬間加速を利用して斬り込む場合には発動直後にキャンセルすることでブレホでは不可能な斬撃パターンが可能になり、かつ攻撃判定発生後も継続するブレホから解放される。これにより例えば機体左側の判定形状に優れるカテゴリなどではすれ違い様に側面を払い抜けて足を止めることなく離脱することも可能になり反撃のリスクを低減することができる。

 三つ目には3重ヒット以上の可能性が高くなる利点がある。多重ヒットはブレホによる機体正面を基準にした予測追跡と、双方の機体実半径内に踏み込むと必ず離脱方向へ反発するという二点において極めて発生が難しい。ざっと検証してみたところ停止目標に対してブレホで3重ヒットが発生しうるのは軽量二脚標準とタンクのみで、他の脚部は双方の運動状態や地形次第だがいずれにしろその確率は著しく低い。逆にブレホ無効の場合には被弾判定サイズまで接近できるため判定の密集する根本近くでのヒットが可能となり、反発運動や正面への旋回を伴わないため左前方や側面でも捉えることができ、加えて地上目標へはブーストコントロールにより着地前に前・後撃を達成するタイミングを調整しうる。ただし機体被弾サイズ同士が接触すると反発する。そしてブレード判定形状によって多重ヒットが発生しやすい双方の運動状態や位置関係は異り、停止目標に斜めに踏み込むあるいは左前方の至近距離をかすめるだけでも発生する場合もあれば実質不可能なほど困難な判定マップのアセンもまた存在する。なお適したブレードマップ形状でも多重ヒットが発生する条件は厳しく確率も高いものではない。

 しかし効果的なブレホキャンセル自体が非常に難しいことが最大のハードルになる。キャンセルが有効かその刹那に分析している余裕など皆無に近いので、ブレホ発動時のターゲットと自機の運動条件などを満たすと判断される位置関係から行使するか、イケルと直感が反応した場合にキャンセルできるように練習を重ねて身体に染み込ませるのが現実的だろうか。なおキャンセルは前撃が発動した時点で入力しても間に合わないのでブレホ発動前にキャンセルして速度を維持するか、ブレホの強烈な初動加速を利用するかという方法になるだろう。ブレホ発動から斬撃発動までにはキャンセルする時間的余裕がわずかながらあるので熟達すれば多少融通がきかなくもないかもしれないが、上昇や旋回挙動が大きすぎる軽量機体はカメラワークに振り回されて機体の向きや位置関係が把握しにくい。またエイミング・ロック中は視点がわずかに目標方向へずれて(機体角度は変わらない)斬り込む位置が正確に判断しづらいので、発動前にキャンセルする場合にはエイミングしない武器のほうがやりやすい。ブレホ初動を利用する場合にはその加速方向を見極める必要があるがやや左右へ角度をつけた位置からの方が安定しやすく、この加速方向は絶対軸に縛られる傾向にある(後述)ため地形や背景などを目安に効果的なポジショニングができれば精度が高まる。

 ブレホキャンセルの攻撃的活用にはタイミングと発動時の相互関係が極端にシビアで、戦術的価値も空中斬りによる攻撃力の増大のような大きいものではない。しかし一部の脚部では有用な戦術に昇華できる可能性があり、かつ可能性は低くても通常困難な尋常ならざる攻撃力を狙って達成しうるという観点から起死回生の一撃あるいは斬撃を主軸にすえる戦術や斬撃技術に快感を見出すレイヴンにとってはさらなる追及のためのポテンシャルを秘めているともいえるだろう。これもまた開発段階で狙ったものとはとても考えられないがPSACには「高度な技術を要するが原理的には実現可能な仕様がある」というもの(穴か?)が多々あり、そのような仕様の一部が実際の戦術に採り入れられている例もまた数多く存在する。まあここでいろいろと原理や可能性などを紹介したが当方もこれをマスターしているわけではなく、対人戦での実用性も未知数なのであくまでも参考までに。
 余談だがこの様な開発側が意図していないと思われる応用的技術は全般的に細かいバグを摘み切れていないとおぼしき現象が見られることがあり常に安定した結果を約束するものではない。例えばこのブレホキャンセルや、ブレホ当て、ブレホ解除撃ち、ブレホ解除多重ロック、衝撃加速ベクトルの偏向、自爆抜け、自爆キャンセル、グレネードブースター、四脚着地グレや展開グレ、キャノン反動のクイックジャンプ、コア挙動による偏向射撃、腕武装の手動補正射撃、構えキャンセル、しゃがみガード、ジャンプキャンセル、壁抜け、踊り・踊り歩き、ブレード避けやブレード急停止、即ロックでミサイル撃ち上げ、ミサイル掃射中断、固めと固め斬り、ブレーキングE回復&再ブースト、風やブースト発動短縮の固め抜け要素などがあり、特に機体ギミックとの連動やバグ(や仕様の隙間)を利用したものはアセンや操作や状況など特定の必要条件を満たさないと再現しないものが多い。そしてまれにバランスを逸するほどの不都合をきたす問題(リロキャンや土遁など)を起こすこともある。


<<ブレホ参考情報>>

※ブレードホーミングの挙動についての技術的な解説ですが、挙動再現性の検証とメモリ監視程度で詳しく解析していませんので参考までに。

 ブレードホーミングは旋回と水平方向x軸、同y軸、垂直方向z軸速度がそれぞれ独立して制御され目標の予測位置を追跡する。ただし予測に関わる要素は不明(通常の予測処理の弾速部分を機体の実速度に置き換えている?)。例えば前方から急接近する目標に対するブレホで後退することや、目上の落下目標へのホバー斬りで上昇せずに着地するなどの予測追跡挙動が見られる。このため運動性能に著しい差があると照準しづらくなる場合があるが、機体運動速度はそれほど大きな差にはならないのであまり気にする必要は無い。

 旋回追跡:発動時に旋回最大速度の4倍を上限として慣性と加速度を無視した旋回追跡を開始し、常に機体正面に予測目標を捉えるように追跡しつづける。このため角度の追跡限界は旋回性能が高いほど有利になるが、半面入射位置を意図的にコントロールすることが難しくなる。

 垂直追跡:発動時に上昇ブースト加速度の4倍もしくは落下加速度により各最大速度を上限に目標との機体中心高度を合わせるようにブーストのオン・オフで自動調整し、実速度は垂直限界速度に制限される。つまり垂直方向については他の追跡運動とは異り加速度が適用され慣性の影響を受ける。また上昇ブーストはブレード入力後もブレホ発動まで有効なため、落下斬りや対四脚・タンクへのホバー斬りなどではブーストを継続した方が落下加速度に束縛される時間を短くできるのでタイミングが取りやすい。またブレホキャンセル時には上昇ブースト操作のみ受け付ける。

 水平追跡:x軸とy軸の独立制御により最大速度を上限として加速度を無視した追跡運動を行う。まずブレホでは例外的にx軸とy軸で独立して最大速度を上限とした速度値が与えられ、実速度は各脚部機体の限界速度に縛られる。例えば二脚系限界速度は4800だが、ブレホではx軸とy軸に別々に機体の最大速度を上限に制御されるため、実質的に機体の最大速度4800でブレホの水平上限速度に達する。つまりブレホは上昇性能と旋回性能が高いほど強くなるが、水平方向は限界速度を超える運動性能はほとんど影響を与えない。そして双方の機体実サイズ半径(垂直位置は無視)が重なると自動的に離脱方向へ加速する。※水平追跡はインターバルタイプの軌道修正と推察していましたが、毎f追跡制御していることを確認しました。ただし追跡制御の制約によりおよそ4方向の運動を数f単位で切り返す挙動が強くなります。

 参考までに水平方向のベクトル制御仕様(※詳しくは調べていません)は、x軸とy軸の速度値をそれぞれ“64”刻みで可変させる方法で制御し、至近距離を除いてほぼ各軸に最大速度を適用するため移動可能な方向はかなり段階的な制約を受ける。ブレホは即座に到達するような至近距離では予測による速度制御を行うがそれが有効になる距離外では全速で接近を試みると思われる。このため発動時にx・y軸ともに最大速度が割り当てられることが多く、特に最大速度が大きい場合には速度制御が有効になってもそれが限界速度を超えていると制御が無視されてしまう。つまりx軸・y軸ともに最大速度を適用されるか限界速度を超過すると必然的に絶対軸45度方向へ加速し、機体の最大速度が大きくなるほど顕著になる。たとえば仮に最大速度7000の機体でx・y軸速度値が“7000,7000”でも“7000,4800”でも実速度は各絶対軸で限界速度の制約を受けて4800以上の制御は無視されるため結果的に45度方向へ運動することになり、最大速度4800の機体で同“4800,4800”の場合と水平方向に関しては同じ実速度になる。そして相対位置が遠いとほぼ常に各軸に最大速度が割り当てられるが、接近してくると減速制御が行われ例えば“6400,3200”のように軸速度が限界速度よりも小さくなると制御が有効になる。
 このため最大速度が高いと追跡制御が限界速度を超えて無視されやすく、絶対軸45度方向に制約されてガクガク切り返す挙動が強くなり、さらに減速できずに実サイズ内に踏み込んで反発されて前後方向にも頻繁に切り返すようになる。これを一因に運動性能が高いほど追跡挙動が激しくなるが、実際には正確に制御できずに前後左右への運動に振り回されることになるので旋回性能とブレード判定マップへの負担が増大し、間合いやタイミングがシビアになりやすい。つまり高旋回でブレードの判定範囲やリーチに優れるカテゴリは高運動性能化のリスクを低減しやすいが、判定が狭い機体や低旋回・ハイブースト機体などは余計な水平運動に旋回が追いつけなくなりむしろ斬りにくくなりやすい。一方、最大速度が限界速度と同等の場合は両軸に最大速度が割り当てられる場合を除いてベクトル制御が常に実速度に反映され追跡・減速制御がより正確になる。ただし予測追跡なため最大速度が限界速度よりさらに低下していくとより遠い未来位置を追跡しようとするので予測が散りやすくなる。このため高旋回・ローブーストのような極端な機体は旋回が前方を追いすぎて扱いにくくなり(特に光波ブレ)、最大速度が著しく低いタンクなどは目標側が急接近してくると予測目標が背後側になりそこへ向けて旋回や後退するなどの影響が出る場合がある。
 したがって限界速度を超える運動性能はブレホ水平速度の上限には影響を与えず、ブレホ中の追跡制御の有効性に影響を与える。このためブースト性能と旋回性能のバランスがブレードマップや特に光波ブレなどの命中力に作用する場合があるが、ブレホ水平速度に限れば実質的に空中限界速度と同じ空中最大速度で上限に達するため踏み込みのスピードアップを狙って運動性能を高めるメリットはほとんど無いと思われる。ただし空中戦を主体とする場合は垂直追跡制御も重要になるのでこの限りではないが、運動性能レベルの上限を超えてブースト性能を追求する意味は無い。なお体感的には左右切り返しや実サイズ反発、旋回や上昇ブーストが激しくなるほどカメラワークが飛躍的に大きく振り回されるようになるため、ブースト性能が高いほどブレホが強いと感じる可能性はある。

 またブレードホーミングの加速ベクトルが段階的で特定方向へ制約されやすい性質により、ブレホ発動時の相対位置やブレホキャンセルのタイミングでその後の移動方向をある程度コントロールすることができる。これをうまく活用すると目標に正面から突撃せずに至近距離を払い抜けたり脇腹を抉るような斬撃が可能になるが、同時に加速方向がマップ絶対軸に縛られやすい。発動前の水平運動を維持して斬り込む方法では絶対軸の影響は受けないが、ブレホ発動後にキャンセルする方法では双方の相対位置や速度が全く同じタイミングでも絶対軸の向きに影響を受けて加速方向が変わることがある。このためブレホキャンセルは地形や背景あるいは方位計(分割対戦時は非表示)などを目安に加速方向を予想しつつ位置関係をコントロールしなくてはならない点でハードルが高い(東西南北が一致する升目のあるマップで斬撃練習するとわかりすいかも)。


<<地上ブレードホーミング>>

 地上でのブレホは空中と全く異り脚部固有の前進運動と機体性能の旋回による追跡運動を行う。詳しく調べていないので、以下は参考までに。

○旋回

 旋回追跡運動は機体運動性能の最大旋回速度(1倍)に瞬間加速し26f間継続する。ただし移動・旋回・ブーストいずれかの入力操作でブレード判定発動後の動作をキャンセルして13fに短縮する(ブレード動作や攻撃判定発動は変化しない)。

○踏み込み距離(発動前と発動後の停止位置の機体中心座標から算出)

 発動後に前方へ加速を開始し、ブレード動作後に減速する。地上でのブレホは旋回追跡のみで、移動は脚部固有の加減速を常に機体正面方向へ行う。この加減速は脚部カテゴリ別の固有の動作で、二脚系は歩行動作による条件が加わるため前進入力を伴うと前進距離が伸び、後退入力を伴うと発動が若干遅くなる。このため後退入力しながら連続発動すると発動間隔が長くなるが、歩行動作を持たない四脚・タンクでは起こらず、二脚系でも後退予備動作を短縮できるアセンでは発生しない。
 この加速度は通常歩行のようにパラメータとは独立した予定動作処理で詳しく調査していないので、参考までに移動距離の実測値(発動前後の内部座標差)を以下に掲載する。

  通常 前進
軽量二脚 531 681
中量二脚 516 666
重量二脚 516 666
逆関節二脚 328 480
四脚 496 496
タンク 562 562

※脚部カテゴリのみに依存。
※四脚・タンクは前進入力でも移動距離が変わらない。


<<地上ブレード判定>>

※大変申し訳ないが地上ブレード判定については空中とは異り脚部や各腕部、腕の振り方によって判定マップがそれぞれ垂直方向にも複雑に異ることが判明したため詳しく調査していない。

−−−参考−−−

○地上ブレード判定回数
 大まかに検証した範囲で二脚系は1〜4回、四脚・タンクは1〜10回のヒットが可能で数fにわたって判定を発生するが、衝撃で後退させるためどのカテゴリでも1〜2ヒットが支配的。ただし厳密に何回の判定が発生しているかは不明。※四脚・タンクは左側方からその正面への線判定なため機体正面の目標にヒットしにくいが、部屋の隅に追いつめて突くとオモシロイ光景が(抉り)。

○「LS−1000W」の地上射出高
 某公式ガイドブックなどに二脚では四脚・タンクに当らない場合があると記されており、実際はどうなのか大まかに調査してみた。結論は軽量二脚以外は問題なし。調査方法は目標を地上に固定し、被弾判定の全高値を変化させて調査。なお四脚・タンクの被弾判定高は“137”、二脚系キャノン構え時の被弾判定高は“134”。

・カテゴリ別地上光波射出高度(腕部「AN−25」、コア「XXA−SO」に固定して脚部カテゴリの変化を調査)

軽量二脚 159 ※1A46Jの場合“162”、K1の場合“147”
中量二脚 108 ※以下のコア別・腕部別の基準脚部
重量二脚 129  
逆関節二脚 122  
四脚 71  
タンク 64  

・コア別地上光波射出高度(中量二脚、腕部「AN−25」に固定してコアでの変化を調査)

XCA−00 108
XCL−01 106
XCH−01 108
XXA−SO 108
XXL−DO 108

・腕部別地上光波射出高度(中量二脚、コア「XXA−SO」に固定して腕部での変化を調査)

AN−101 111
AN−201 111
AN−K1 93
AN−D−7001 109
AN−3001 111
AN−1A46J 110
AN−863−B 108
AN−25 108
AN−891−S 110

 以上のように射出高度はほぼ脚部依存で、コアと腕部によりそれぞれ“2〜3”程度の変化(K1のみ例外的にかなり低い位置に変化)になる。調査は中量二脚メインで他は少ないが、経験則的なアセンによる例外的変化を加味しても四脚・タンクに対して同高度の地上から「LS−1000W」で攻撃することができないのはおそらく軽量二脚のみと考えられる。また地上ブレードは旋回追跡速度が遅く光波は発射時に通常予測武器に準ずる1f移動遅延がありかつ弾速が遅いので移動している目標にはタンクにすら命中し難い。そしてかなり大きなグラフィック幅をしているが実際は線判定なことも感覚的に命中しにくいイメージに影響していると思われる。一方で軽量二脚は突出して低い位置になる「AN−K1」でも147なので命中させることはできず、ジャンプ斬り(軽二脚の場合は接地直前で“113”)や地形の利用が必要になる。なお全てのアセンで検証したわけではないので気になる場合には分割対戦かランカーメイキング等で確認して下さい。


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