EX2_火器戦力エクストラ編

 ここでは隠しパラメータを含む武器性能やそれぞれの射撃システムの仕様にみる戦術的観点から各武器にスポットを当てつつ個人的な性能評価をしてみたい。ACの魅力はPSで実現可能な範囲でできるだけリアルな挙動に近づけたいというような深く練り込まれたシンプルな仕様と様々な演出、そしてそれらに大きく影響を受けるように設定された各パーツの性質をベースに単純かつ特徴的な特性を配された火器の数々だろう。いわばジャンケン的要素をもつパーツ群を組み合わせながらも、飽くなき技術の追及を許容するシンプルかつ懐の深い仕様群がそれに捕われない戦術の多様性を演出する。そもそもミッション遂行型として開発されたといわれるように、これらはもともとベクトルのややズレたこだわりと無意識の偶然が生みだした産物といえるかもしれない。それゆえ対戦にはややツメがあまいシステムのスキマやいくつかのどうしようもない弱パーツ、イカンともしがたい強パーツなどもあるのはご愛嬌といったところだろうか。
 そういうわけでここでのコンセプトはやはりできるだけ多くのパーツに光を、ということで前向きなコメントをできるだけ含めるようにしたく技術的にかなりツライ戦術もピックアップしていたりするので、期待したのに使えねーよとコントローラを叩き付けたりしないように。そしてこちらもマイナージャンルほど解説が長いのはご愛嬌。なお解説するアセンや戦術はあくまでも一例で、より効果的な方法はほかにいくつも考えられ、それを練るのもまたACの魅力といえるだろう。また既存の戦術やアセンを否定するものでは一切ないので誤解のなきよう。意図したわけでないにしろもしそのような記述があった場合、AC全盛期に高度な対人戦で培われた戦術がより実践的な説得力に満ちているという事実こそ優先すべき情報だといっていい。何度か申し上げたように筆者はデータを解析しているだけでたいした対人戦経験もなく、現在にいたってはそういった環境にもないのでそのへんを念頭にお付き合いいただきたい。
 また武器特性や戦術で実用上、対CPU戦にはあまり効果を期待できないものも多々あるのでアシカラズ。

※文中の「15f瞬間火力」は着地硬直などの瞬間的なチャンスを想定した便宜的な火力性能で、定義については武器性能ベーシック編を参照のこと。単発威力や時間火力とは若干意味合いが異なります。
※0系や20系などの分類は一般的な名称ではなく解析の段階でカテゴライズせざるを得なくなったためそのIDから便宜的に使用している名称です。20〜60系にはパラメータ以外の差はほとんどありません。
※ライフルやグレネードといった分類はAC世界においてカテゴライズされたもので、現実の軍事仕様の観点からツッコマレテも筆者にはいかんともなりません。

−−−目次−−−

精密予測武器(0系)

通常予測武器(20系)

通常予測武器(40系)

通常予測武器(60系)

武器腕(二門兵器)

爆雷・機雷(70系・90系)

肩キャノン

ミサイル(誘導兵器)

ブレード(格闘戦兵器)


<<精密予測武器(0系)>>

 精密予測武器の特徴は予測精度の正確さにより切り返しや加減速を伴わない運動には高い確率で命中できるもので、回避やポジショニングに専念しながらでも比較的安定した命中を狙える点で優れる。一方で予測が正確なゆえに回避を意図した挙動などに対して弾道が散りやすく、特に目標の切り返しや減速方向への回避運動に弱い。精密系では主に連射速度や微弱な散開でその弱点を補うことで切り返し運動等の合間に命中させるコンセプトにたった武器が多く、射撃fに判定が発生する性質も含めて戦術的には切り返しの余裕を与えない近距離での射撃戦や機動戦で高い性能を発揮する。これらの特徴から運動性能を駆使した射撃技術で命中率を上げにくい重量級にとっても使いやすいカテゴリで、対軽量・高機動級戦に適している。また堅実に削りつづけることができれば対重量級戦でもサポート火力として十分実用できる。また単発・瞬間火力がやや低いパーツが多く衝撃もないため連携戦術や手動補正射撃にはあまり適さない。

 「WG−RF35」は初期装備ながら精密予測武器で唯一の衝撃武器でもある。衝撃値“3”は主に2KZ−SPと逆関節を除く軽量級全般に有効で中量級以上の機体でもアセンによっては有効な衝撃となる場合もあり、高い予測精度、豊富な弾数、そして広いサイトという性能で使いやすい。時間火力にはほとんど期待できないが、肩武器やブレードで重量級に対抗しうる十分な戦力がある場合などでは対軽量高機動型へのサポート手段として選択の余地があるだろう。追うあるいは引く際やまとわりつく軽量級の迎撃・サポートに有効で、衝撃を無効化されない限りブレード動作を強制解除させる。ただし連射性能が低いことで精密系の弱点が露呈しやすく、距離が離れると地上を歩きまわる軽量二脚や左右へ切り返す高機動機にはむしろ当てにくい。15f瞬間火力“436”、総火力“43600”ともに数字上は右腕武器中ほぼ最下位だが射撃技術次第でかなりスペックに近い火力を戦力として計上できるようになり、重量級でも3000程度は削れるので対軽・中量級戦ではダメージソースとしても使えないこともない。性能のわりにやや重いがリコイルの発生でリロードが結果的に“11”と長くなることが最も大きな弱点だろう、まあこれがRFM118並の連射力だったらむしろ恐ろしいが。また表立ったメリットではないが、ブレードモーション中はリロードのカウントは停止するもののリコイルカウントは継続するため射撃直後にブレードを挟んだ場合はリコイル分は無視できる。なお発射する弾の性質はRFM118と全く同じもの(内部処理上同じ弾データを共有している)なので弾速や命中精度などは同一で武器パラメータ以外の差はない。

 「WG−RFM118」はRF35の衝撃のない攻撃的互換武器で、弾速は“700”だが精密系は発射fに判定飛距離を持つので通常系に比べて1f分のアドバンテージがあり近距離ほどこれを生かしやすい。それなりの攻撃力を高精度で速射するので特に回避が難しい近距離では自機の回避運動に専念しながらでも高い命中率と時間火力で削りつづけることができる。しかし散開しないタイプなので的確な回避運動に弱く連射力もさほど高いわけでもなく、中距離程度では射撃技術のサポートが必要になりそれ以上離されると命中させるのは容易ではない。特に踊りや軽量二脚の通常歩行に弱く高機動ACや特殊挙動を駆使する目標に弱いので近距離で使用したいが、ややサイトが狭いので近距離での機動戦には旋回性能が高くないと難しくサイティング技能も要求される。総火力は“54400”、15f瞬間火力は“1020”と共に低めで衝撃も持たないので、数値に近い性能を引き出しやすいとはいえ高耐久型AC戦を想定するには別に強力な肩武器か信頼できるブレード技術が必須となるだろう。まあネガティブな表現が先行してしまったが総合的にバランスは良く、至近距離は難しくても回避困難な有効距離を維持できれば三次元戦闘も含めて屈指の高性能な実弾武器で、散開するマシンガン系に比べて有効距離が長く四脚・タンクに対してもその有効距離を維持できるなど様々な状況に対応できるので戦術とアセン次第では十分主力武器として活躍できる。そして狭角射撃で弱点をフォローしやすいのでより効果的な近距離戦で回避しながらでも的確に射撃できるようになると装甲の心もとない軽・中量級にとってはなかなかオソロシイ武器だ。

 「WG−MG系」はやはり接近戦ほど適性が高いが広いサイトに高い連射力、適度な拡散により有効な距離でサイトに捉え続けるかぎり堅実に削り続けることができるのが最大の特徴だ。回避と有効距離の維持に専念しながらでも命中できるので軽量級よりも重装中量級や重量級用に適している。ただし攻撃力は低く重量級であっても回避やポジショニングがおろそかでは打ち負けてしまう。また回避の合間を埋める連射力にも優れるので中距離程度でも削りとして十分活用できるが、弾道が散開するので離れすぎるとコンスタントに少しずつ命中しつづける問題があり表示されつづける「HIT」シグナルに惑わされないように。攻撃的な有効距離は最大でも5000程度と見ておいたほうがよく、身長が低い四脚・タンクや高度差が大きい(射撃点から見た投影面積が小さくなる)目標に対しては有効距離が短くなる欠点があるのでやや接近する必要がある。なお予測ギャップがある場合は直角に近い運動に対しては散発的にしかヒットしないが、目標移動軸に対する必中角度が浅いので意識して操作するだけでも命中率が向上するので状況に応じて若干射撃条件を調整したほうがいい。
 実弾系マシンガン「WG−MGA1」「WG−MG500」は瞬間火力に劣るもののE負荷が無くサイトサイズに優れるので非常に扱いやすく接近戦で有利な性質を発揮しやすい。両者の弾パラメータはカラー以外は同じ値に設定されており弾速は“700”、集弾性も同一。選択は単純に武器パラメータで判断していいがリロードタイムは射撃の1fを含まないのでMG500の射撃間隔はMGA1の1.5倍となり、時間火力はMGA1よりMG500のほうがやや高くなる。15f瞬間火力はMGA1が“680”、MG500が“810”だが、実用上は射撃間隔が短かいMGA1の方が細かく切り返すターゲットや機動戦あるいは空中戦などでは結果的に命中率や時間火力が高くなる傾向にある。総火力はMGA1の“42500”に対してMG500が“67500”と高いので、約90の重量差を目安として1.5倍の継戦能力・総火力を重視する場合はMG500を優先するといい。一方で総合的に十分な火力があり対高機動機への特化武器が欲しいが運動性能や積載量の制約に悩むなどではMGA1も選択肢になるだろう。
 E系マシンガン「WG−MG500/E」は弾速を含めて全体的に高いパラメータもさることながら小数点以下切り捨てというシステムの盲点をついて(?)リロード短縮オプション装備で“2”→“1”というトンデモ連射武器だ(射撃間隔は“3”→“2”)。攻撃性に優れるE系なうえ15f瞬間火力は“1696”と比較的高く、弾速も“900”と実弾系マシンガンよりかなり速いため動き回るターゲットに対しての命中率がより高くなる特徴がある。そして精密系ではほぼ唯一単独でもあらゆる機体の耐久力を上回る総火力“106000”を持つ。単純に撃ち合うとこんなんアリですか?というぐらい強力だが実弾系とは違い最適なはずの近距離の機動戦や空中戦では狭いサイトとE負荷で扱いにくいというジレンマがあり、中距離以上ではロックできても実効火力が低下してしまう欠点はマシンガンならではだが追うにもE負荷が足枷になる。このため実弾系マシンガンとの戦術的な互換性は低く扱える機体コンセプトを選ぶが、使いこなせれば実用火力的に非常に頼りになる選択肢といえるだろう。

「AW−MG25/2」は武器腕の項にて解説する。

 「WA−Finger」は全射撃武器で最軽量ながらトップクラスの瞬間・時間火力をもち、精密系の射撃システムに加え突出して高い弾速“1000”と大きく拡散する弾道そして優れた連射力により有効距離でロックオンしている限りいかなる手段をもってしても回避困難という非常に強力な特性を持つ。ただし有効距離が近距離のごく狭い範囲なので主力にする場合は必然的に空中戦を交えた至近距離での高機動戦を要求されるがサイトが狭いので扱いが難しく、衝撃武器&ブレード連携戦術と有効距離が被るのでリスクが高い。そして散開角度が大きくパラメータ上の射程距離は“3700”にもかかわらず距離“3000”で1/3も当らず、距離“2000”程度ですら半数近くの無駄撃ちを強いられるが、必中距離では“4650”というあるまじき高さの15f瞬間火力を撃ち尽くすまで持続し、“77500”と実弾精密系で最も高い総火力を僅か14秒足らずで叩き込む。削り武器としても利用価値はあるが、接近戦に限定すれば今なお最強クラスの存在といっていい。至近距離を維持できれば正面に張り付いたままでも打ち勝てるほどの時間火力をもつので、積載量に乏しい脚部でも肩武器に強力なものを選んで2種の主力級武器を搭載できる利点は大きい。また狭角射撃の必要性はほぼ皆無なので削りと割り切るなら重量級の選択肢にもできるが、武器の性能を最大限発揮させるつもりなら可能な限り運動性能は高い方がよく特に旋回性能とFCS選択が重要になる。極端な特化型武器なので選ぶにはそれなりのリスクを伴うがその価値は十分にある。


<<通常予測武器(20系)>>

 軽量速射武器というカテゴリで、主にブレードや肩武器を主力とした戦術のサポート武器としての色合いが濃く、使いこなすには工夫と熟練が必要な武器も少なくない。そして通常予測射撃は移動目標のやや後退する性質があるので単に乱射するだけでは命中させることは難しく、各武器の特性にみあった射撃技術が要求されるが軽量でサイトが広い武器が多いので空中戦や接近戦とは相性がいい。選択するなら次の一手を準備し武器の特性を生かしてタクティカルに使いこなすこと、少なくとも右手一本でなんとかするカテゴリではない。

 まず「WG−AR1000」は圧倒的な弾数と連射力ながら悲しいほど低い攻撃力と乱射してもそうそう連続命中しないので、パラメータのわりにがっかり武器の幹部クラスにあげられてしまう。マシンガンと銘打つがMG系とはまったく別のかつ散開しない狙撃系通常予測武器で戦術面でもほとんど互換がなく、瞬間火力も“840”と低く衝撃も無いため活用方法が難しい。最大の特徴は“105000”という高い総火力と圧倒的弾数による継戦能力だろうか、弾速は“800”で実弾系としては速い。戦術としては狭角射撃やタイミングのよい連続攻撃でプレッシャーをかけ続けること。単発威力はともかくタイミングを狙って数発づつ当てるつもりで弾ギレを気にすることなく攻撃を加え続けるような戦術に適した武器はそう多くない。非力とはいえ無制限とも錯覚するほどの連撃を延々浴び続けるのは精神的にもよろしくなく、被弾閃光によって周囲の状況を把握しにくくなるのもポイントかな?。高率で命中させる状況をつくりだし続けることができればという条件に加え回避能力との両立もできるならば十分な戦力の連射武器といっていいだろう。まあそれが難しいんだけど。また無衝撃かつ単発威力が低すぎて狙撃戦術には向かず予測ギャップの有無で激変する武器なので条件やルール次第では異る側面も見せてくれるかもしれない。なお狙撃系・無衝撃・点描画・高速連射等の性質が狭角射撃の練習に適しており、命中する状況・角度・タイミングが目視で確認しやすい利点がある。同じ弾をもつ武器腕の「AW−GT2000」は武器腕の項にて解説する。

 「WG−HG512」は狙撃タイプの衝撃系連射武器で、サイトが広く狙撃系実弾武器としてはRF/Pに次ぐ弾速“800”なので射撃技術の適応性は高く中距離戦や空中戦でも活用可能で、連射力にも優れるので衝撃が有効なら地上では2〜3発は連続して追撃できるので連携適性も高い。しかし狙撃系なゆえに性能を発揮させるにはそれなりの運動性と射撃技術が要求される。着弾衝撃は“4”で例外軽量二脚を除いて逆関節か重量級以上でなくては無効化できず、衝撃を無効化できない機体に対しては連携戦術がかなり効果的で対軽量級戦であればメインのダメージソースとしても使いやすい。連続で足止めするには近距離で予想される離脱方向に狭角化しながらたたみかけて次につなげるのが基本となるが、特に急接近しながら当てつづけると離脱しにくくなるのでブレードとの相性はいい。そして戦術的には衝撃で地面へおしつける方がより有効なので、積極的にアプローチする場合には目標よりも上空側からの射撃もまた基本となるだろう。衝撃加速は小さいので運動する目標などに着弾した場合には相当速度が小さくないかぎり着弾時の運動ベクトルを増幅する方向へ衝撃加速する。総火力は“52440”、15f瞬間火力“874”とやや不足気味なので他の武器を主力とすることになるが、サイトが広く対応できるアセンの幅が広いので連携可能なミサイルやブレードとの相乗効果を追及したい。実質カラスが不安材料の筆頭になるがそれを除けば運動性能の高い機体はほとんど止められるため、対重量級に対応できる肩武器やブレード戦術がかなえば対高機動戦に優れた連射衝撃系のサポート武器として活躍してくれるだろう。狙撃系の衝撃武器には実弾系スナイパーライフルもあるがアプローチも戦術もだいぶ異るため、対軽〜中量級をターゲットに特化してサポート性能と近距離戦を重視する場合はHG512のほうが扱いやすい。ただし衝撃を無効化された場合は予測ギャップによる戦術性の差異が大きくなるので戦術や射撃方法を切り替える必要がある。

 散弾系の「WG−HG235」と「WG−HG1」は内部処理上同じ弾を共有し弾速は“720”。大きく散開するので狭角射撃よりも有効距離に踏み込んでタイミングとシチュエーション、連射力で捉えるのが基本となる武器だ。そして3発同時発射による着弾衝撃で高い足止め効果をもつのでブレードや強力な火力兵器をより効果的に使いこなすためのサポートとしての役割が重要になる。戦術によっては重量級などでも活用しやすく引き撃ちや迫撃にも適した特性を持つが中距離以上では戦力にならない。3発がランダムに散開する性質のため射撃条件などによってかなり戦術的な効果の違いが生じる。まず衝撃加速は原則として弾の入射ベクトルに依存するため水平射撃では射撃点が低いほど跳ね上げが起こりやすくなるが、3発が全て片側へ大きく偏ることは殆どなく上下に散開した弾が両方命中すれば中和され片側へ散開した弾だけが命中すると衝撃加速が偏りやすくなる。つまり1〜2発命中した場合はより跳ね上げが起こりやすくなる。具体的には地対地で射撃点が低いほど跳ね上げが起こりやすくなるが四脚(移動中)やタンク、二脚系のブースト移動などで射撃点が低く、二脚系の通常歩行や停止中では射撃点が高くなり、至近距離になるほど全弾命中しやすくなり射撃点の高さの影響が強くなる。したがって地上硬直を狙う場合は跳ね上げないように上から撃ち下ろす方が適しているが、対象となる脚部カテゴリによってはその限りではない。なお散開幅は近距離ほど狭くなるので接近すると通常予測射撃の後退幅が散開幅を上回って広角運動目標には命中しにくくなり、逆に距離が開くと散開幅が大きくなり散発的には命中しやすくなるが不確定要素が大きくなる。したがって攻撃的戦術や足止めを軸にする場合にはそれに適した有効距離で足を止めつつ距離を詰めるように移動すると効果的で、着弾間隔に与える影響もあるので後退しながら射撃するより前進しながら射撃したほうが圧倒的に相性がいい。逆に回避側の観点からは至近距離では広角回避が有効だが、ある程度距離が離れた場合には狭角化方向へ直線的に後退したほうが被弾リスクが低くなる。ただし散開はランダムなので運に左右される。
 「WG−HG235」の衝撃は“3”とやや低いが連射力が高くサイトも広いうえに極めて軽量で、その連射衝撃が有効な中・軽量級に対しては比類なきサポート性能を発揮しうる。ただし跳ね上げが発生しないかぎり連射衝撃からは脱出不可能になるため戦術的には数発程度を目安に連携へつなげるのがウツクシイか。衝撃を無効化された場合は三発とも命中させるのは難しいので“67800”という総火力は心もとないが、15f瞬間火力は“678×3”と意外に侮れない性能なので近距離での削り用にもなり狭角射撃などでできるだけ2発以上あてるつもりで。衝撃が無力化した場合も想定したアセンは必須になるが機体負荷やFCS相性に優れるので肩武器に強力なものを選びやすく、衝撃と高い連射力を連携やサポートに生かせれば対軽〜中量級への特化型武器として非常に優秀な性能を持つといっていい。これもカラスが最大の不安材料になるが対策ができれば十分選択肢にできるだろう。
 「WG−HG1」は連射可能な近距離武器のなかで最も強力な衝撃値“10”をもつ。あらゆる機体を硬直させる衝撃武器の決定版ともいえる性能で、やや連射力が落ちるとはいえ衝撃の強さと散開による攻撃範囲の広さのためまったく問題にならない。近距離戦ではうむをいわせぬ性能をもつのであらゆる機体を対象に引き撃ちや迫撃などの防御用から、ブレードやミサイル連携のサポートなど積極的な攻撃用としても多様な戦術の組み合わせに実用的で、さらにサイトが広く軽量ながら単発威力にも優れ総火力“84000”も平均以上と単独での攻撃性能も十分。15f瞬間火力は“1680”だが、衝撃でチャンスを自力で作り出して連続して追撃を命中させることができるため数値以上の能力を持つ。ただこの武器の連射衝撃は一部の脚部を除いて技術的にも機体アセンでも対処が困難で特に高機動機が固め殺し&斬りを主体に使いこなすと中・重量級の存在価値を淘汰してしまうほど激減させかねないため、対戦ルール等で性能調整すると色んな衝撃武器や機体構成がハッピーになってより楽しくなるかも。

 「WG−HG770」は主力級の火力性能を持ち極めて軽量でサイトも広い強力な武器に見えるが、単純なロック射撃では非常に命中しにくいため射撃システムの理解と的確な射撃技術とアセン無くしては性能を発揮させるのが非常に難しい。まず他のハンドガンと同様に射撃時に1f分の移動遅延がある弾速“720”の単弾を発射し、距離“2160”で分裂するがその際に発射過程と同じ処理を経るため再び1f分の移動遅延を伴い、3発に分裂後は弾速“540”に減速する。つまりただでさえ後退する射撃が分裂時の移動遅延と弾速の低下でさらに追いつかなくなってしまうのだ(※訂正:分裂直後のfまで予測が有効とのコメントをしていましたが実際には距離“2160”で実質1f停止することが判明したので訂正しました)。そんなわけでこの武器を使いこなすために、主に分裂前に命中させる前提で射撃すること、距離2160で分裂すること、そして分裂前の弾速を基準に予測射撃しているため分裂後は離れるほど予測が後方へ狂っていくことに注意したい。分裂前でも対軽量級には十分な威力であり戦術的に扱いやすい距離で分裂するので馴れてくると分裂直後を狙うことも十分可能で、性能を最大限に引き出せば装甲特化の重量級やタンクすら削り倒せる火力を持つ。また弾数も豊富なので牽制や削り用としては射撃後分裂という性質は駆け引きや射撃技術次第では大きなメリットにもなるので、狭角射撃や単装化後の手動補正射撃に適した広いサイトと極めて軽量で運動性能や積載量やFCS選択肢そしてE管理を圧迫しない点も含めサポート兼攻撃手段としての価値は十分にある。ただしよりシビアな射撃技術とかなり限定的な有効距離を両立する必要があり、アセンはもちろん操作技術と射撃技術そして戦術的駆け引きなど総合的に高い水準を要求される。なお衝撃は“1”なので意図的に安定性を除外した機体以外は硬直させられないが、逆にミサイルの着弾や着地硬直への追撃には使いやすい。まずは距離感をつかむために22代将軍あたりにお手合わせを願いでてみよう。距離2160は海底ドームのタイルにして約3マス半だ。

 エネルギー系ハンドガン「WG−XP1000」と「WG−XP2000」は軽量ながら高いE系火力をもつが軽量級相手には乱射してもなかなか命中せず、狭角射撃をするにしても単発では攻撃力が低く衝撃もなく、ついでに角度は小さいが拡散するなどやや使い勝手が悪い。一方でE系火力は装甲を物ともしないのでブレードや肩武器を含め軽量級相手に十分な展開ができるのであれば重量級以上をターゲットに残りわずかな余剰積載量を埋めるような選択肢はあっていい。というより対重量級戦に対応できる武器でこの重量なら十分アリだ、特にタンク戦ではこれ一本でも十分な火力になる。オプションを装備した状態での総火力は前者が“63460”、後者は“100000”。15f瞬間火力は前者が“2082”後者が“1500”、弾速は前者が“800”後者が“840”と速い部類に属しリロードと総弾数に優れ総火力に余裕があれば無駄撃ちを気にせずに連射できるのでミサイル連携や着地硬直等の追撃には使いやすい。一方で連射のたびに莫大なエネルギーを消費するので空中戦や機動戦には向かず、単発威力も低めで弾道が乱れるので狙撃戦術にもあまり適していないが、いずれも重量効率からみればかなり優秀な武器といえるので使い方次第だ。そして衝撃がなく手動補正射撃にもあまり適さないので予測ギャップの有無による戦術的落差がやや大きくアセンアプローチを選ぶ。連携や硬直のチャンスにビシバシ削る瞬間火力重視なら前者を、中距離も含めてプチプチピンポイントで狙撃しまくる総火力重視なら後者を選ぼう。削りと割りきるならお供のE系オプションも戦術に合せて一つあれば充分だ。なおたいした問題ではないが当り判定は弾の中心なので光環部分は視覚効果のみ、視認性が高いので遠距離では避けられやすい。基本性能はいいので組み合わせる武器や射撃技術次第でだいぶ状況が変わるだろう。できれば某初期型ランカーばりの連射力があれば・・・。

 「WG−FG99」ですが、まあ、その、なんですか?。弾速が“88”と異様に遅いので射程距離900はまったく意味がなく実質寿命11f(0.5秒)と考える必要がある。機体慣性は弾速に影響を与えないため、例えば実速度“84”の限界速度で飛行する四脚が発射すると相対速度はなんと“4”はっきりいってブレードの判定距離よりも短く、落下に至っては容易に機体が火炎を追い越してしまう。逆に後退しながら発射すると2倍くらいになるが、相手が炎をかき分けて追いかけてきてくれないことにはねぇ。ついでにコレも他の射撃武器と同様に線判定なので派手なエフェクトは全くのダミー。まあ瞬間火力と圧倒的な総火力に加えてネタ的な演出効果はなかなかのものなので、聖火ランナーを基本に、タンクの背後をストーキングしながら炙ってみたり、ダッシュジャンプ時に派手なブースト炎を演出してみたり、月面で四脚やタンクで下に向けて衛星軌道へ打ち上がってみたり、落下しながら連射つつ1000Wでメテオしてみたり、機雷の点火にとネタとしての活用方法には事欠かない。ガチな対戦で着火フィニッシュを達成した時の爽快感と精神的攻撃力は絶大なのでそれを目標に努力してみてもイイかもね。もし焼夷弾と同タイプの発火式で軽量&低消費な武器腕タイプがあったなら・・・。

 さて特殊ロケット「WR−RS7」もネタパーツかと思うがこの値段、この重量、この弾数、この攻撃力、この特殊効果、このリロードタイム、このカラーリング・・・。それにしても異様な重さが運動性能と積載量と総火力とついでに装甲を圧迫する。特殊効果はロックオン障害を命中から“200f”(約9秒)間継続するものだがヘッドパーツ機能で半減できる上に“40f”(約2秒弱)のリロードが決定的で連携追撃にも適さず、さらに同ロケで追い打ちをかけても効果時間が加算されずにリセットして再カウントするので肝心の特殊効果も使い勝手が悪い。せめて軽量にするかレーダージャミングや追撃で効果カウント加算があればそれなりに戦術価値があったと思うのだが・・・。注目点はブレホもジャミングすることだが、これほどの戦術&アセンコストとリスクで僅か数秒ロックできなくなるだけの効果に見合う攻撃を考えるとそもそもブレード用特殊ロケとして開発されたと考えるのが妥当かもしれない。するとどうしても効果時間中に離脱しようとする目標をブレード範囲に捕捉できる運動性能が必要なので、候補はホバーに限界速度にブレホで無理やり追い回せる軽量四脚月光機の相性が良く、高率で多重ヒットが狙えるなら大抵は月光1〜2撃で必要十分なので弾数は足りる、撃墜兼接近用サポートと削りに対応する軽量の武器があればそれなりにイケルかも。しかし被弾しても数秒程度時間が稼げればいいうえ、防御や逃げに徹すればロケ撃ちで迫撃や爆風バリアがそれほど難しくない武器はけっこうあるのでかなりハードルが高い。ブレードやロケットの扱いに長ければ対人戦でも活用できる可能性が無いわけではないので研究してみる価値はあるかも知れない。


<<通常予測武器(40系)>>

 主に重火力武器というカテゴリで、要所要所で相手のAPを抉りとる高い火力を代償として運動性や耐久性、或いは少ない弾数による継戦能力の低下の選択を迫られる。射撃システムは通常予測系なので移動目標にはやや後退する性質があり使いこなすには状況にあわせた射撃技術やミサイルとの連携などを要求されるが、単発威力に優れるので特に衝撃も有するタイプは引きながらの射撃戦で真価を発揮しやすい。近接迫撃等の戦術にも対応するが弾速が遅いものは追撃戦にはやや使いづらく切り返し運動の狙撃も難しいが、弾速の遅さを除けば狙撃狭角射撃や手動補正射撃と相性はいい。また時間火力が高いものもあるが着地硬直は被弾衝撃によってリセットされるので衝撃が高いものは2発以上を着地硬直に追撃するのは難しい。

 バズーカ「WG−B2120」「WG−B2180」は非常に高い攻撃力そして衝撃が特徴の重火力武器で、低弾速は分配誤差を増やすことでメリットになる場合もあり、かつ高いストッピングパワーによって容易に近づかせないので迎撃や引き撃ちと相性がいい。いずれも単発威力が高いので瞬間火力は申し分なく、総火力もB2120が“138400”とトップレベルの性能をもち、B2180は“116500”だが爆風威力が加算されるので総火力は両者で大きな差はない。実弾系の主力武器として筆頭候補ともいえる火力性能を持ち、追う戦術の場合はより高い運動性が要求されるが衝撃の足止め効果で戦術性を高められるので軽・中量級との相性もよく、重量級は引きながら迎撃できれば旋回性能をカバーして手動補正での狙撃も可能なので積極的に肩武器を交えた高火力の射撃戦を展開できる。B2120は弾速が遅く近距離戦寄りの性質だがやや重くサイトも広くないので旋回・運動性能でカバーできるとベターだが、比較的短いリロードのため強力な衝撃と単発威力を生かした積極的な戦術に向いており弾数豊富なので多少無駄撃ち覚悟での展開がしやすい点はかなり大きなメリットだ。B2180はさらに重いが若干強化された弾速とさらに高い単発威力のため近〜中距離での狙撃戦術と相性がよく、爆風衝撃を利用した自爆キャンセルや自爆抜けなどのサポート性能も優秀。なお爆風外縁付近の衝撃は“5”、中心付近の衝撃は“6”、無効化衝撃“5”以下の機体は直下の地面などに打ち込むことで衝撃を利用できるが、“6”を無効化した場合には爆風衝撃を受けなくなるので注意。

 「WG−PB26」はバズーカ亜種的な位置づけで単発威力に優れるが弾数が少なく広大な爆風とより強力な衝撃が特徴で、その爆風は攻撃力こそ低いものの広範囲に無効化不可能な衝撃を発生させるので足止めやグレネードバリアによるブレードモーションの無効可にも利用できる。障害物や地面など背後に壁を背負わせたシチュエーションでは回避されても爆風に巻き込みやすいので複雑な地形戦に有効でポジショニングや連携用ミサイルなどのサポートとしての性能も高い。爆風を利用する場合は上空から撃ちおろすか、天井の低いステージや上空に障害物の多いステージ等が適しており、地雷原の誘爆も有効。直撃衝撃は“40”で唯一硬直時間を軽減できない右手武器で爆風衝撃は爆心からの距離で異り“7〜9”と外縁部分でも無効化できず、爆速と衝撃加速度はB2180より高いので自爆時の加速タイミングと初速が大きく固め抜けや開幕避など自爆技にも使いやすい。なお右手の爆風武器はいくつか自爆操作のパターンがあり組み合わせによっては地表が露出していない場所(水や雪等)でも自爆する事ができる(射撃特性ディープ編で解説)。直接攻撃性能としては弾数が少なく総火力は“52800”、爆風によって攻撃力を若干フォローできるとはいえ単独では苦しい。またリコイル系の武器なため実質リロードは“16”とカタログスペックよりも長くなるが、射撃直後にブレードを発動する場合にはリコイルが実質スキップされる。選択の目安としては、バズーカに比べサポート武器的性格が強いことをふまえてドハデな爆風と高めの攻撃力を少ない弾数で活用できるかという点を考えたい。効果的な連携戦術に活用できるかどうかもカギだろう。タンクオヤヂならコレに肩グレ、核か垂直、光波ブレで爆タンを作ってもイイかも。

 スナイパーライフル「WG−RF/5」「WG−RF/P」は総火力がやや低いがより軽量になっており、その優秀な重量効率と単発威力に加えて実弾系最速クラスの弾速に無効化不可能な衝撃を速射できるため狙撃武器としては実弾系で最も使いやすい部類で戦術的なバリエーションも広い。例えば対軽・中量級に対して十分な攻撃力と対重量級に対しての十分な衝撃力により相手や状況によって柔軟に戦術を変えられるポテンシャルがあり、連携サポートとしてはブレードとも連携用ミサイルとも相性はいい。またE負荷が無いことや衝撃によるサポート性能も高いので地形の利用や連携を含めた三次元機動戦でこそ真価を発揮する。狭角射撃や手動補正射撃もやりやすくできるだけ機動力が高いことが望ましいが、軽量なので肩武器とブレードを組み合わせても比較的高い運動性能を確保できる。一方で弾数・総火力が少ないので高い命中率を要求され、技術や戦術とそれを支える的確なアセンが戦力に占める割合が大きく扱いは難しい。なお一対一で機動戦を展開するAC戦ではネーミングから連想する遠距離からの狙撃には向かないが、隠密性が高くE系ライフルなどと比べると弾や射撃方向の視認性が悪いという特徴もあり手動補正射撃を組み合わせて使いこなせれば近〜中距離で(主に手動照準的な意味で)新境地を垣間見れるかもしれない。
 「WG−RF/5」の総火力は“63600”、弾速は“780”でHG512に僅かに劣るが実弾系としては速く、無効化できない衝撃により断続的に硬直させられるだけの連射力を持つので連続衝撃を起点とする戦術に適している。特に急接近しながら連射することで僅かに着弾間隔を狭めて足止め効果を高めることができ、ツボにはまれば数発単位で追撃できるので攻撃的な火力性能も悪くない。ただ高率で命中させても総火力が足りないので肩武器やブレード連携のサポート性能に重きをおいて組み立て、相手や状況によって使い方を変えて対応しなくてはならない。射撃戦を重視した場合はRF/Pに比べ火力や弾数に余裕があり、サポート性能としてはより速射力に優れるので硬直からブレードへの連携はやりやすい。ミサイルとの連携はE系ライフル等とは逆にミサイル着弾よりも射撃を先行させることがメインになるが連射力と弾速が高いので相性はいい。
 「WG−RF/P」はやや特異な指マシを除けば実弾系最速で弾速は“840”。総火力は55080”、連射力と弾数がやや落ちるので扱いはさらに難しいがE系狙撃武器に次ぐ弾速と無効化不可能な衝撃を両立するので様々な射撃方法での狙撃適性はより高く中距離以上でも無力化しない追う戦術にも適した数少ない実弾系射撃武器で、衝撃でチャンスを作り追撃必中を前提にできれば単独でも小バズに匹敵する瞬間火力をもつ。RF/5と比べると弾速と単発威力に優れるので特にピンポイントに狙撃するような戦術に適しており追撃戦から空中戦や対空戦などの対応力は全体的に高く、衝撃硬直時間も上回る場合が多いので降下中の空中目標を撃墜しやすい。このためブレード連携はどちらかといえば1000Wと相性がいい。そして特に着弾閃光が気分を盛り上げてくれるのもスナイパーに重要な要素だ。実弾系武器では最も手動補正射撃と相性がよく比較的旋回性能の高い機体に狭角射撃や切り返し狙撃などを含めて使いこなせればスナイパーの名に遜色無いシロモノになるが、総火力はやや低いので連携用ミサイルやブレードなどと組み合わせて肩武器を撃ち切る前に十分な展開できるよう狙撃と連携に特化した戦術を磨くのがRF/Pの目指す道だろう。
 両者で迷う場合ほとんど重量が同じなので、接近戦寄りの連続衝撃を軸にした連携攻撃やダメージソースとしての側面を重要視するならRF/5を、信頼できる武装に絡めて近〜中距離で弾速と衝撃を最大限に生かせるなら単発命中力を発揮しやすいRF/Pを選ぶのがいいだろう。いずれにしても相性のいい攻撃手段を確保しておきたい。

 武器腕「AW−RF105」「AW−RF120」「AW−DC/2」「AW−XC5500」「AW−R/4」は武器腕の項で解説する。

 両肩キャノン「WX−ED2」と「WX−C/4」は展開動作や運動制約のない2次ロック射撃が可能な肩武器で、やや重いが高いE系火力を持つ。左門中心予測の二門兵器なので画面右方向へ移動する目標か左方向から切り返す運動を攻撃するのに適しており特に左右方向への戦術性を補完できる右門中心予測の武器腕と相性がいい。STサイトなのでFCSに18Xを選ぶとややロックパフォーマンスが低下するものの非常にサイトが広くR/4やミサ腕とも相性がいい。また射撃武器は近距離ほどロック時間が短くなるが、E兵器なのでFCSアクセラレーターでもロックパフォーマンスが若干向上する。中距離以上を想定してロックパフォーマンスを重視する場合にはG8と相性がいいが基本性能が低い。なお両肩キャノンは砲身の旋回機能を持たないので2次ロック射撃をのぞいて必ずコア正面に射撃する。つまり非ロック・1次ロックの状態では射撃の瞬間の上半身の向き(上下旋回も無効)に沿って射撃するクセがあり、アセンとその瞬間の機体挙動に依存するが機動中はコアが正面に向いていないパターンが多いのでロケ撃ちは戦術として成り立たない。ただ攻撃範囲が横に広いので至近距離やブレホ当ては十分狙うことができる(ブレホ解除直後の射撃角度はおおよそロケットと同じ)。
 C/4は弾速“600”とやや遅いものの四発を同時発射し命中範囲が右に向かって広いので迎撃に限らず追撃戦にも対応でき、なにより一撃でトップクラスの瞬間火力を誇るうえに衝撃を伴わないことで爆風攻撃力が10%程度の安定したダメージを上乗せする。また広いサイトと命中範囲により上下角度の深い条件でも命中させやすく対空兵器としても高性能で特に平行射撃側へ目標が運動する条件であればより高い火力性能を発揮する。しかし平行射撃方向へ運動させる手段が無い場合には高機動機に命中させるのは容易ではないのでできるだけ接近する必要があるが、機体負荷が非常に高いのでアセンも扱いも難しい。また射撃幅はかなり広く四発とも直撃させるのは困難で、戦力的には2発(直撃で攻撃力約3200程度)をコンスタントに命中させることを考えて組み立てる必要があるだろう。特に停止目標に対してはCLコアでさえ2発しか命中しえない。
 ED2の弾速は“384”と光波ブレードやミサイル並に遅いので引き撃ちや接近戦のようなやや限定的な戦術とならざるを得ないが、連射力と弾数が優秀でかつ判定幅が広いのでエネルギー残量に余裕をもって有効距離まで近づけるなら強力な接近戦力を発揮しうるので足止め可能な武器と相性がいい。ロックパフォーマンスは接近と目標の低運動化でフォローできるため単独で連射するよりは短いリロードを活用して運動を制約しやすい実弾系射撃武器と組み合わせて瞬間的に切換えながら射出するとより効果的で、判定範囲が横に広いので対空兵器としても有用。また地味ながら弾が非常に見にくい特徴があり、やはり平行射撃方向への運動に対して命中率が高いので中距離程度でも双発や連射力の性能を生かした戦術が可能で、右腕武器と合せて豊富な弾数の射撃戦を展開できる利点も大きい。また両門命中は難しいので基本的には単発火力を前提として戦術を組み立てる必要があるがE系武器なので高耐久機への対応に窮する心配はあまりない。2脚系で実用できる数少ないE系肩武器だがかなり偏った特性や性能をもつのでそれらを十分把握しておく必要があるだろう。特に接近戦で威力を発揮するがエネルギー管理が大変なので運動性能との両立なども含め扱いは難しい。

 ロックオン機能のないロケットは自由に射撃でき、そして攻撃力と衝撃にも優れ火力性能も高い。PSACでは仕様上一部の例外をのぞいて射撃システムの予測に縛られて自由な射撃ができずサテライトなど広角運動に専念する目標に命中させるのが難しく、予測武器には動きが不安定な目標には射撃が散ってしまう欠点もある。一方ロケットは自由な射撃ができるのでこれらを使いこなせるようになると相互に欠点を補完して戦術やアセンの幅を広げることができる。なお判定は現fと前fの座標を結ぶ直線となるので弾速が速いほどf単位の判定距離が長くなり、自由射撃では同じ運動に対して命中可能な射撃角度が広くなるのでおおまかな狙いでも当てやすくなる。そしてロケットの稼働限界はコアを基準に上下とも45度(内部角度512)、コアの動きに従って前傾するブーストダッシュや空中などでやや下向きに稼動範囲が変化するので高度差がある場合は脚部カテゴリによって若干限界が異なる。またブレホ当ても使いやすいがブレホ解除時はコア正面に固定されているのでアセンによって射出方向が異り、直後からガイド方向へ旋回する。参考までにざっと検証した各脚部機体のブレホ解除時の射撃方向は以下のとおり、数値は実測値で射撃された弾の各軸への分配速度値から角度に換算したもの(詳しい数値は省略する)。ロケットの種類によって僅かに差があるが無視できる程度で、S50のみ若干差が大きいがやはり影響は小さい。
 軽量二脚:下方へ約20度、左へ約2度
 中量二脚:下方へ約20度、左へ約32度
 重量二脚:下方へ約11度、左へ約2度※S50のみ下方へ約9度、左肩で正面、右肩で左へ約3度。
 逆関節:下方へ約11度、左へ約2度※S50のみ左肩で下方へ約9度で正面、右肩下方へ約12度で左へ約3度。
 四脚:下方へ約16度、左へ約14度
 タンク:下方へ約11度、左へ約12度
 いずれも下方へ射出し、左方向へは中量二脚が特に大きく次いで四脚、タンクの順となりそれ以外の脚部機体はほぼ正面に射出する。正面下方へ射出する場合は高度と発射タイミングを調整することで比較的離れていても狙いやすく、特に対地攻撃に使いやすい。左方向へずれる場合は調整しにくいので斬撃サポート以外ではブレホ直後の射出で狙うのは難しいので砲身制御の復帰を待つ必要があるが、近距離で左方向へ移動する目標に限定すれば当てやすい場合もある。また着地や被弾衝撃では強制解除と同時に射撃可能(入力していると自動発射)になりその瞬間のコアの向きに依存する。またブレホ当ても角度射撃になるので弾速は速いほうが当てやすく、ロケットは通常予測射撃武器に準ずる移動遅延がある
 「WR−S50」は弾速が遅い点を除けば全体的に高性能かつ非常に軽量で機体負荷が小さく、軽量機やブレードを主体とする機体などで牽制射撃や斬撃直後の追加攻撃兼反撃抑制用としても秀逸。弾速が遅いためほぼ至近距離専用だが旋回性能に優れた機体でサイティングしながら乱射するだけでも命中しやすく、直正面に発射するタイプはブレホ当てやブレードサポート用にも有効で、連射力があるのでミサイル連携の中継や相性のいい四脚など固め斬りも視野に入る。惜しみなく連射するつもりのほうが使いやすい。「WR−S100」はパラメータを間違えたのではと疑いたくなるほどの最重量ロケットで残念ながらネタにすらならないか、総火力は優秀だが。「WR−M50・M70」は弾数・総火力そして単発威力が高く気軽にばらまけるので牽制射撃やブレード反撃抑止用のサポートにも優れるが右手武器との相互補完や戦術展開の軸にしたい場合にも選択肢になる。M50はリロードに優れるので武器を頻繁に切り替えながらの戦術に適しており接近サポートから連携の起点・中継・追撃にマルチに使える、M70はほとんど重量差はないが総火力に特に優れるので牽制や連携追撃やロケット狙撃用などに。「WR−L24」は単発威力が非常に強力で比較的弾速も高めなので狙撃用としては最も使いやすくプレッシャーも十分、かつ着弾と同時に発生する爆風で結果的に400近く威力が増大するうえ爆風衝撃も強いので戦術バリエーションが特に豊富。ロケットはアイデアと使い方次第、その様々な利用方法や戦術については先達が積み上げてきた戦術レポートも沢山あるのでそちらを参考にしてほしい。なおCPU挙動の独特のクセは特にロケット戦術への影響が顕著で、ロックロジックの優勢なランカーは目標前方へサイトを旋回した瞬間に自動的に切り返してしまう(逆にロックロジックが低いと今度は広角運動をしてくれない)ので対人戦とは命中できる射撃方法やタイミングが異る場合が多い。

 「WG−FGI−00」は・・・まあこれもネタかな?。パラメータには反映されない意外なほどの攻撃力を持つが、厳密には命中時に“200”とその後“100f”にわたって毎フレーム攻撃力“12.5”(処理上“200×1/16”に内部APに対応するダメージ係数をかけてから小数点以下を切り捨てる、このため表示APに反映されないダメージがある)のダメージ加算になり、単発で101回分のダメージ判定が発生することになり、計算上その判定回数分の小数以下切り捨てによる損失が発生する。これは内部APダメージの段階での切り捨てで、表示APに換算するとその1/4となるので単発あたり最大でAPダメージ“25”程度の損失になり、対象のダメージ係数によって損失量が変化する。数値上の単発威力は“1450”だが例えばダメージ係数“13”でのAPダメージは“176(理論値196で約10%の損失)”、同係数“14”でのダメージは“203(理論値211で約4%の損失)”などのようになる。通常は単発あたり“0か1”(爆風も0か1)なのでけっこうでかい。そしてカウント中に追撃してもリセット再カウントになるのでチャンスも弾も無駄になってしまいかねない。衝撃が無いのもツライが燃えている時間は約4.5秒で暗いステージでの目視用にしてもやや時間が短かく、そのうえ遅い弾速にこの重さ、せめて燃焼時間が倍くらいあったら・・・。おっとダメっぷりを延々と羅列するだけではこのレポの主旨に反してしまうので、長所に目を向けると損失はあるもののサイトタイプWSの武器としては突出して単発威力に優れる。“448”という弾速のため接近戦か引き撃ちでしか使いにくいが、追撃が無駄になりがちなので右腕武器主体にロックしつづける戦術での射撃戦では分が悪い。このため肩武器をメインに間欠的に撃ちこむか、近距離でサイティングを無視して撹乱しながら広いサイトを駆使して射撃の瞬間だけロックするなどの工夫が必要だが、この場合は加速性能は必要だが旋回性能はそれほど重要ではないので多少重い機体でも選択肢になるかもしれない。そしてサイティング戦術に固執せざるをえない連射武器の相手には駆け引き次第で多少運動性能に劣っても優位に立てる可能性があり、サイトの狭い相手ほど利点を生かしやすい。また肩武装を撃ち切っても残弾が余りやすいが、弾速は遅いもののサイトが広いのでその段階で引くことができれば手動補正射撃はやりやすい。またはターゲットの運動状態の把握や視界のジャミングに利用できなくもないせっかくの特殊効果なので射撃のアドバンテージになるよう活用したい。火力に余裕があれば断続的に燃やしてもいいだろう。


<<通常予測武器(60系)>>

 エネルギー系のみで構成されるカテゴリで、その特徴として攻撃力が高くかつ弾速が速いためあらゆる局面で最も狙撃戦術に適した性能をもち、射撃・操作技術を遺憾なく発揮できる。しかし攻撃にはエネルギーを消費するのでその後の運動を圧迫し動き回りながらの戦術には負荷が大きく、衝撃もないのでこれらを起点とした戦術やポジショニングの展開はしにくいが着地硬直のチャンスはフルに生かせる。そして射撃システムは通常予測系なので移動目標にはやや後方へずれて着弾する性質がある。したがって使いこなすには状況にあわせた射撃技術やミサイルとの連携などが重要になるが、予測に後退する射撃は逆に目標が減速や切り返し動作をした場合には命中しやすくなる傾向があり弾速が高いのでそのタイミングを狙撃しやすく、手動補正射撃では弾速が高いほど旋回補正が強く効くので近距離や肩武器を撃ち切った中・重量級でも狙撃戦術に活用できる。また高弾速・高連射・高威力と揃う武器が多く、E系武器は対応オプションが豊富でSP−AXLも効くのでミサイル連携戦術とも相性がいいが、性能を発揮させるためにオプションの選択で悩むことにもなるだろう

 軽量級ライフル「WG−XC4」は豊富な弾数と高めの攻撃力だが強大なエナジードレインのため連射せずに有効な距離を支配しながら相手を休ませずに着実にAPを削り取る戦術に適している。したがってエネルギー管理の点で相手よりアドバンテージを持っている戦術機体が望ましい。軽量とはいえやや重いが強化版のXFwPPkよりも重量効率は高いためE回復や運動性能との両立をはかりやすく、単発系ということでお供のオプショナルパーツも少なくすませられる。やや中途半端な性能にもみえるがそれはエネルギー兵器が全体的に強力なためで、総火力は“94300”とほとんどの場合必要十分で継戦性能も高く、運動性能やミサイル連携あるいは狙撃技術を駆使して着実に削り取るような観点から考えれば高いレベルでバランスがとれている武器といえるだろう。単装も可能だが肩武装を積極的に投入しながら連携攻撃を交えても弾数に余裕があり、肩を撃ち切ったあとは通常予測&手動補正射撃を組み合わせて狙撃しながら引くアプローチなどにも使いやすい。弱点は突出した長所が無い点なので自分で戦術を研ぎ澄ます必要がある。なおXFwPPkやカラサワに比べ若干弾の視認性はいいが弾速や集弾性に差異はない。

 軽量級ライフル「WG−XW11」は腕武装では唯一の常に手動補正射撃が可能な予測角度射撃システムを採用しかつ通常予測射撃と二門併射するという野心的(?)な新パーツだ。ただし下側は砲身方向にしか射撃できないので操作に引きずられて弾道が偏向しやすく仕様を把握していないと非常に使いづらい。このため機動戦において両方とも命中させることは難しく単発前提の威力では総火力もそれほど高くないことから、軽装で主力にするのであれば“3786”という優れた15f瞬間火力にものをいわせてチャンスに大量に削り取る戦術に適している。一方で上門は安定した座標基準射撃であり予測に若干後退するタイプなので切り返し(減速)運動に命中しやすい性質があり、下門は角度予測タイプで手動操作による補正をかけて射撃できるため広角運動でも狙撃可能な性質がある。つまり目標運動に後退する弾と任意の方向へ進角する弾を同時に発射するため双方の欠点と利点を単発で補完して高い命中率を発揮しうるので、カタログ通り単発換算の総火力とわりきって考えれば極めて優秀なE系ライフルともいえる。注意すべき点は銃口の追跡速度には限界があるのでサイトに捉えた直後の射撃には適さず、ロックしつつ射撃時に目標の動作を予想して旋回や加速を加える必要がある。またミサイル連携など武器切り替え直後で銃口が下向きの状態では下側が無駄撃ちになる。このため回避しながら狭角化と手動補正を両立あるいは選択することになるので操作コストが大きくなるなど扱いは難しいが、なにより手動補正射撃を肩のサポート武器と併用可能でかつ補正をかけたまま連射可能な唯一の腕武装だ。やや特殊な射撃特性なので戦術に見合った旋回性能と大きめのサイト幅を確保したい。そしてチャンスには瞬間火力も生かしたいのでOPはできるだけ揃えたほうがいいだろう。なお肩キャノンとは異り上下方向への旋回限界は実質制約無しと考えていいがなぜか角度が深すぎるとエイミングが狂いやすい。

 重量級ライフル「WG−XFwPPk」はXC4の強化型的な位置づけで、重量を代償としてより強力な攻撃力と低く抑えたエナジードレインが特徴の射撃武器だ。主力武器として十二分な性能を有するので運動性能やサポート武器を犠牲にしてもスタイルにあった戦術がかなうならこちらを選びたい。ただし強力とはいえ射撃技術に大きく左右される武器でもあるため運動性能は高いほうがよく、消費Eを抑えて連射しやすくなったものの瞬間火力はどちらかというと低い部類に入るので連射力には頼らないほうがいい。当然衝撃もなくリロードタイム“8”は高機動機にとってむしろ回避しやすいサイクルなので散漫な連射は無駄撃ちになりやすいが、“次”を用意した牽制射撃には十分なパフォーマンスを提供してくれるだろう。総火力は“128800”と申し分なく相性のいいミサイルかサポート武器と組み合わせるのもいいが、軽量機なら単武装でも十分可能。やや重いが弾数豊富でそれほどムダ撃ちを気にする必要もなく様々な射撃技術の適正も高いので射撃戦特化機体の選択肢としては非常に優秀。

 「WG−1−KARASAWA」は極めて高い瞬間火力と超重量に少ない弾数という両極端な性格を合わせ持ち、弾速と単発威力にも優れるため狙撃戦術や機動戦、ミサイル連携と幅広く対応するE系ライフルを代表する武器だ。弾数の少なさから高い命中力を実現する射撃技術を要求されるシビアな武器ではあるが、大抵の機体は単独でも5〜7割方で撃破に十分なので逆にこの弾数に不安を感じるようでは使いこなすのは難しいともいえる。あらゆる射撃技術と相性がいいのでそれに長ければ単装ガンナーも可能だが、弾速と瞬間火力を生かしてミサイル連携や撃墜硬直等に畳み掛けるのにも適しているので重量級用装備としても活躍できる。ミサイル連携では硬直を確認してからでは間に合わないが連射力で補うことができ、高弾速なので連携でも予測は狂いにくいが近い方がより散りにくい。そして比較的近距離で着地硬直を引き出せれば破壊的なダメージを与えうるので、一瞬のチャンスを予想あるいは肩武器で作り出して追撃できるよう研究するに足る性能を約束してくれるだろう。が、なぜかパーツ干渉(?)により装備できない脚部がある、他にも余裕でめり込んでるパーツもあるというのに。オプション込みで総火力は“89100”、15f瞬間火力は“5346”、この武器の真価を発揮させるためにはお供のオプションは必ず欲しい。なお処理上はXFwPPkとKARASAWAは同じ弾を共有しておりXC4とXW11も見た目が異るだけなので弾速や命中精度等に違いはなく射撃システムも同じ(XW11の下側は異なる)なので武器のパラメータ以外の差はない。

 「WG−RF/E」は“2700”という恐るべき弾速をもち、軽量かつ単発狙撃系なゆえに機動力への負荷も小さい。瞬間火力は単発で“4370”という驚異的な攻撃力を誇りそのチャンスは距離を問わない。このためほぼ全てのミサイルの着弾硬直を狙撃できるが、圧倒的な弾速と僅かな弾数のためあえてミサイルでチャンスを作り出さずとも射撃技術次第で高い命中率を実現できるので、肩武器は右腕武器とのマッチングにこだわらず強力な武器を選ぶのも選択の一つだろう。また射撃しなくても常に回避困難な被弾プレッシャーを与えつづけることができるため、牽制射撃に弾を割く必要もなく単一武装でもなければ必要充分な弾数といえる。そして超遠距離での狙撃ができるほぼ唯一の射撃武器でもあり、近〜中距離では減速や切り返し運動を狙撃するのに十分な弾速を持ち、さらに単装化後は有利な距離をキープして手動補正射撃と通常予測射撃を的確に使い分けて狙撃すると広所では空地問わずほぼ回避不可能なほどの恐るべき性能で、重量級でも十分な手動補正の効果を発揮できる。このため中距離以遠では非常に強力な性能を持つが、射撃武器には珍しく接近するほど全般的に相性が悪くなる。例えば弾速の分配誤差によるイレギュラーな命中や不発の確率はかなり低く、予測仕様の影響で距離2700以下では予測点が現在位置に近くなり(ほぼ予測射撃ではなくなる)接近するほど精度が低下しやすい。そしてE系最低の総火力のため強力な単発威力は外すと逆に大きなロスになるので無駄撃ちの余裕はなく、通常予測系なので狙撃チャンスをつかみにくい近距離での機動戦では長いリロードもあって容易に時間火力を逆転されかねず張り付いて乱打戦を挑まれると苦しくなる。また手動補正射撃との相性も非常にいいがそれができる段階では確実にサポート武器を撃ち切っており、近距離では要求される旋回性能が高くかつ手動補正が効かない垂直運動に対応しづらい。ついでにサテライト戦でもないかぎり視認が必須要素になるので視界の悪いステージなどでも狙撃がしにくいなどの弱点もある。このように長短極端な特化型武器だが長所を磨いて弱点をカバーできればあらゆる機体アセンに対応できる強力な武器なのでぜひ研究したい逸品といえる。ちなみに大抵のCPU機は結果として常に広角回避ロジックに縛られており、かつこちらの射撃操作と同時に回避運動を始めるためCPU機は遠距離狙撃の練習には向かない。

 武器腕「AW−XC65」は後述する。


<<武器腕(二門兵器)>>

 武器腕もそれぞれ各カテゴリに準ずる射撃システムの特性を持つが、片腕側(例外を除いて右側)が予測射撃を行い、もう片側がその予測射撃と同時(R/4は例外)かつ平行に射撃するため通常の射撃武器とはかなり異った戦術的特性があり、その仕様をしっかり把握しておけば有利に働くと考えて間違いない。まず通常予測射撃武器は移動目標に対してやや後方へそれて着弾する性質がありサテライトなど単一の高速移動に弱いが、平行射撃側が目標移動方向側にある場合は射撃幅だけ先行する位置になるため単一移動には容易に命中する。そして逆側の場合は切り返し方向へさらに広い着弾範囲をもつため予測射撃側で命中する角度やタイミングで狙撃できるとかなり回避が難しくなる性質がある。ただし両弾ともに直撃させるには目標が平行射撃との間に入らなくてはならないので実用火力は総火力にだいぶ減じて考えなくてはならない。このため両弾の直撃を狙う場合には幅の狭いCLコアが推奨され、低運動状態や着地硬直などの高命中条件で狙撃する戦術に適している。一方で射撃幅は広くなるほど横方向への命中範囲が広くなるので機動戦や空中戦などの射撃戦には単発命中率を重視して幅が広い組み合わせを選んでもいい。また左右方向への運度で命中条件が大きく異なるため目標側の運動制約や誘導に有利な特徴があり、ミサイル連携やポジショニングあるいは狭角射撃などの戦術性を高める。例えばミサイルの射出方向を調整して平行射撃側方向への回避運動が引きだせればそれだけでも命中させやすくなり、かつ着弾衝撃も同方向へ固定させやすく相互に衝撃も活用しやすい。そして回避運動や硬直などからの離脱方向も制約しやすいので、離脱が予想される方向へあらかじめ狭角化するようにポジショニングするなど左右方向へ有利な条件で駆け引きできる材料がある(ただしCPU相手には成立しない)。さらに単発威力と命中範囲に優れる武器腕は手動補正射撃とも非常に相性が良く、このような2次ロック射撃と使い分けることでより高い命中率を実現しうる。また発射方向を自力で補正できるため2次ロック射撃では両門直撃が不可能な条件でも手動補正射撃では可能な場合がある。余談だが1次ロック射撃は左右の腕部がそれぞれ角度基準の射撃を行うためか正確に平行射撃にならない場合がある。
 一方で腕部防御力“0”という最大の弱点は、全体の防御力に倍率で補強されるOPパーツによってベース火力だけではカバーしがたいほど耐久力に差をつけられてしまう。このため多くは回避を前提とせざるをえず武器腕の戦術性や命中条件を考えるとできるだけ旋回・運動性能の高い機体を要求されるが、全ての武器腕が非常に省エネなので機動力やE管理に関わるパーツの選択肢は広い。そしてこのクラスのダメージ係数となるとAPや機能性を優先した方が効率的だが、防御力は気にしてもあまり耐久力に影響しないのでアプローチ次第でほぼ全てのコアや頭部パーツが選択肢になるだろう。また腕部パーツなので好みのカラーリングができるもポイントだ。

 武器腕で唯一の精密予測武器「AW−MG25/2」はMG500と同じ特性かつ高い威力の弾を4発同時に連射する。しかしもともと命中率の高い精密系マシンガンでは平行射撃側が無駄弾になりやすく、散開する性質が損失をさらに増大させてしまう。切り返しやポジショニングに有利な武器腕の特性も、もともと高い命中力と単発威力の低さからあまり役にたたない。片側二門分は命中させ続けることができるので機動戦における時間火力では実弾系でも1,2を争う性能を持つが、それを上回る勢いで残弾を消費してしまうので弾切れ必至、ブレードも耐久力もない状況になりがちなのだ。このように射撃幅の拡大に伴って無駄撃ちが増えるので幅が狭くなるCLコアと相性がいい。そして総火力が確実に不足するので肩に強力な武器が欲しいが接近戦用の特化武器なので機動力を重視したいというジレンマが悩みどころだ。しかし射撃タイプの武器腕では最軽量かつ最低E消費なので機体負荷は小さく、SPサイトなので肩武器とFCSの相性のいい選択肢は広い。また射撃システムは精密系なのでそれほど大きな差ではないが予測ギャップがある場合は平行射撃側方向へ移動する目標への命中効率がやや高くなり予測中心側へ移動する目標には命中率が低下しやすく完全な広角運動を許すと影響が大きくなるが若干の狭角化運動でカバー可能、予測ギャップを発生させない場合は射撃幅が広いほど片側が無駄撃ちになりやすくなる。なおこのパーツは二脚系が装備した場合は左側が予測中心になる。近距離でもサイティングできれば対高機動戦への実効性は高く、総火力以外の性能は非常に優れるので対重量級にもプレッシャーを与えられる肩武器を組み合わせたい。それにしてもMG系でなぜ武器腕だけ弾数400なのか?、せめて500発あれば・・・。

 「AW−GT2000」はWG−AR1000と同じ特性の弾を左右同時に連射する。瞬間火力は高いものの弾数が少ないため確実に命中させつづけることが要求されるが、通常予測タイプなのでMG25/2とは異り単純に連射しているだけでは命中できない。このため武器腕の特性にしたがって目標が左方向へ移動中の射撃が基本になり的確なタイミングと狭角化運動も駆使する必要があるが、ターゲットの動きと射撃技術次第で命中率は高くも低くもなるので扱いはかなり難しい。連射音に酔いしれてトリガーハッピーになるとロクに削れないうちにあっという間に弾ギレするが、捉え続ければものすごい勢いでAPがカウントダウンしていくので相当な精神的プレッシャーにもなり使いこなせれば強力。連携用のミサイルやロック数の多い小型ミサイルと組み合わせてもいいが遅い機体ではハナシにならないので出来るだけ運動性能を確保したい。そしてできれば対重量級へのダメージソースになる肩武器を搭載したいが、射撃幅が狭くサイトも広めなので実効総火力は高く技術次第では実弾系のみの組み合わせでも十分戦える。また予測ギャップの有無による戦術的落差が大きく無衝撃・連射武器で手動補正射撃や狙撃戦術はほぼ意味をなさないので一方的に弱体化しやすい。左右とも命中と仮定すると15f瞬間火力は“3660”、総火力は“91500”、ただし2発ともコンスタントに直撃させるにはCLコアが必須で戦術を考えると一択といっていいかも。

 「AW−RF105」「AW−RF120」は非常に攻撃力が高く強力な衝撃を伴うが弾速が“448”と著しく遅く、武器腕の特性や手動補正射撃を駆使しても射撃戦には近〜中距離程度が限界だろう。同様にミサイルとの連携攻撃でも有効距離が短く、中距離以上で狙撃する場合には弾速の遅いミサイルなどで目標を回避運動などに縛る必要があるがこれもやや難しい。このため近距離戦主体とならざるをえないが低防御なので回避は当然だが命中にもかなりの機動力が必要となり、戦術的には武器腕中最も運動性能が要求されるといってもいいが低負荷・高APなので特化タイプの脚部と組み合わせやすい。また高い単発威力と衝撃のためポジショニングや敵機の運動制約に有利で、近距離であれば平行射撃を生かしたタイミング狙撃や狭角射撃もやりやすい。サイトは狭いタイプだがND特化型のQX−9009であれば近距離機動戦や手動補正射撃も実用できるレベルで、サポートミサイルも単ロック・多弾発射で中距離以上あれば十分、E系キャノンとの相性もいいので特に四脚には使いやすい。射撃幅は広く硬直停止中や低運動状態の相手に左右直撃させるのは難しいが機動戦ではむしろ命中率に貢献してくれるのでメリットの方が大きく、性能を発揮できれば十分強力な射撃戦を展開できる。このようにピーキーな特性とメリットのため通常の右腕武器に比べ要求される技術やアセンの水準は高いが、それに答えてくれるだけのポテンシャルはあるといっていいだろう。なお双方とも同じ弾IDを参照しているため弾速や集弾性、命中精度などの性質に差はない。
 この二種ではRF105が弾数・総火力・リロードに勝るのでより性能を発揮しやすく、約300の重量差は十分な旋回・運動性能を要求されるだけにサポート武器も含めてアセンの方向性に若干の余裕がある。また衝撃が高く撃墜硬直を狙えるので追撃にはリロードが短い方が確実で、対軽量戦には無駄弾や牽制射撃の余裕があるぶん戦術性も高くなる。余談だが四脚に装備すると対四脚・タンク戦で凶武器化する条件がある。RF120は重量負荷が大きくなるので運動性能かサポート火力を犠牲にせざるを得ないが、単発威力に勝るのでやや中距離寄りの射撃戦に対応できれば時間火力も含めてより強力で両門直撃の攻撃力はLロケに匹敵する。単発命中の換算ではやや総火力が心もとないが肩パーツを堅実なダメージソースに、かつ手動補正も含めて高精度の狙撃に技術的な特化ができるようなら選択肢になるだろう。

 「AW−DC/2」は直撃さえできれば驚異的な瞬間火力を持つが、爆風は範囲が広いだけで攻撃力や衝撃は弱い。ついでに総火力とAPもやや低く、重量負荷も大きいので運動性能も圧迫する。二発直撃で爆風込みの攻撃力は8000を超えるので魅力ではあるが、移動砲台のような巨大パーツに迫りくる弾のド迫力という見た目に使い勝手が見合わない。近接爆破はできなくともせめて爆風攻撃力が高ければ・・・。最大の特徴は、というと比較的射撃幅の狭い部類なのでCLコアであれば停止目標にも安定して2発直撃させられることだ。他コアでは停止目標へ2弾直撃は難しく、CLコアでも射撃幅が機体サイズギリギリなため確実に2発直撃できるわけではないが、サイトサイズの大きいFCSと組み合わせてサイト末端で捉えて射撃することで僅かながら射撃幅を狭めることができる。ただし停止目標でもないかぎりロックが外れるリスクがあるので移動目標には確実にロック射撃できた方がいい。サイトタイプはSPなので肩武器と相性が良いものを選びやすく手動補正射撃もやりやすいが戦術的には中距離以上からの単独での狙撃は難しく、運動性能が確保しにくいので近距離戦にも対応しづらいジレンマがある。弾速は“600”とそれほど遅くないので連携用のミサイルと組み合わせて着弾硬直や回避運動を狙撃するなど不可避のタイミングを演出したい。可能なら引き撃ちの方が性能を引出しやすいだろう、手動補正射撃で圧倒的な単発威力を生かせるなら序盤に猛烈に押せる肩武器と組み合わせてもいい。高精度に狙撃できれば実弾系射撃武器で最強の直撃威力は核ミサに迫るほどなので軽・中量級に限らず十分な脅威になりうる、最大の弱点はAPかも。なおこの武器は二脚系が装備した場合は左側が予測中心になる。

 「AW−XC5500」は連射性能が高く瞬間火力に優れるうえにE系なので総火力の不安は少ないが、射撃時の“4300×2”というエネルギー消費が運動力維持を確実に圧迫する。弾速はDC/2とAW−RF系の中間“544”と遅めで弾が見易いので中距離以上では目視でも回避されやすい。射撃幅は最も広い部類なので狙って2発を直撃させることは難しく、衝撃がないので単独ではポジショニングにやや難があるが余計な着弾加速がなく自身の爆風攻撃力をコンスタントに上乗せできる(10%強)利点を含めると15f瞬間火力は片側だけでも最大“4794”になり、平行射撃側へは移動目標に対しても高い瞬間火力を発揮しうる。対重量級へのダメージソースにはさほど苦慮しないので肩武器には実弾系を選びやすく、軽量級に対応できるものを含めて選んでもいいがポジショニングやE管理が大変なのでそういったサポートができるかを基準に組んだほうがいいだろう。NDサイトなのでFCSが悩みどころだがミサイル連携とは相性がよく、単発威力も高いので機動戦でピンポイント狙撃戦術にも対応する。E系オプションは多いほどいいが射撃幅のためにCLコアを選択する意味は薄く、APを優先するとスロットの配分が悩ましい。そして武器腕は全般的に機動力偏重にならざるをえない立場だが、XCシリーズはE管理に逼迫すると最大の利点である圧倒的な火力性能を封じられてしまい紙装甲で回避もままならない最悪のスパイラルに陥るので常にE残量に余裕を持って戦術を展開しなくてはならない。このためジェネレータは高容量・高回復なほどベターだが通常腕部より省エネなので低消費脚部であればXRやXLが使いやすい。ただしレッドゾーンとE武器は相性が非常に悪いのでTLジェネは選択肢から外した方がいいが、他のジェネレータでも極力ギリギリの状態で射撃しないように。またブースターは射撃しながら併用するのは難しいので持続力より瞬発力を重視して小ジャンプのパフォーマンスや上昇加速度を優先したほうがエネルギー管理がしやすく、脚部ジャンプと垂直運動の活用もキーになるだろう。

 「AW−R/4」は予測射撃武器中最高の総火力と、6連射の驚異的な威力に広いロックサイト、そして特筆すべきは双発同時発射ではなく射撃間隔“3”で連続発射される弾それぞれが予測射撃(左側は射撃の瞬間の右側予測に平行射撃)される点だ。さらに被弾衝撃により軽〜中量級さらに一部の重量級までも初弾で捉えて連続命中を狙えるうえ、回避されても後から続く弾で命中しうるなど「衝撃に弱い機体=耐久性が低い」という図式から強烈な性能を誇る。一方で武器腕特有の問題は当然のことながら、射撃可能回数は僅か30回、サイトは広いがロックパフォーマンスが低い、発射している間ロックし続ける必要があり、そして連続発射が逆に踊り歩きや地上連続ブレードなどの特殊動作に弱く衝撃を無効化されると途端に苦しくなる側面もある。特に最大の弱点は予測中心方向へ広角運動する目標に対しては分配誤差などによる命中を除いて最大でも3発までしか命中しえない点だ。そして手動補正射撃は連続発射と一時的に2次ロックを解除する条件のため非常に相性が悪くバグもあり実用できない。このためターゲットの運動を抑制できる戦術や武装との組み合わせは必須条件といえるが相性が出やすいので良く見極める必要がある。例えばミサイルと相性がいいがロックパフォーマンスは相反する関係にあり、実弾系なのでFCSアクセラレーターはもともと低いロックスピードをさらに低下させる効果がある。あるいは両肩キャノンは重量負荷もかなりのものになるがサイトタイプが共通でかつ予測中心が逆側の二門兵器なので戦術的な相性が非常に良く、いずれも近距離ほどロックしやすくなる。そしてCLコアでも停止目標にすら全弾命中させることは難しいが射撃幅は可能なかぎり狭いほうが相性がいい。またサイトの広いFCSの左右端に近いと僅かに平行射撃幅が狭まり意外と連続命中率に差がでる。なお掃射中断は必ずバグによるアドバンテージを発生させるため対戦の場合には注意。欠点を突かれると単独ではカバーしきれないため要求される水準が高い点は例外ではないが、相性のよいサポート武器と的確な戦術によって強烈な性能を発揮する。

 「AW−XC65」はほとんど秒殺兵器のようなE系火力性能を有するが、耐久力の著しい低下や非常に高い機体負荷、狭いサイトなどデメリットも多い。また僅かに弾道が拡散するため命中がやや運に左右されるが、弾速が速く命中範囲が横に広いため中〜遠距離でも狙撃に有効な距離でミサイル連携とも手動補正射撃とも相性が良く、加えて左右の射出幅が比較的狭いことで運動中のターゲットでも両門直撃できる確率が高い。そして2連射での瞬間火力は爆風威力(10%強)と合せて最大で“11968”に達し、E兵器なので高耐久の機体でも容易に削り倒せる。なお3連射を当れば月光の2重ヒットに匹敵するが、命中可能な条件はかなり限定的なので至近距離での着地硬直か、離脱方向に十分狭角化できている状況でもなければ2連射にとどめたほうが無難。3発目を手動補正射撃で合わせる手もあるが爆風と激しい着弾閃光によって状況が把握しにくく無駄撃ちは残弾の浪費だけでなくジェネ管理にもかなりの負荷をかけるのでトリガーハッピーに注意したい。特にオプション無しで射撃に“6200×2”のエネルギーを要求されるのでE管理に窮まると紙装甲に回避もままならず押すも引くも叶わなくなってしまい、E欠で片側のみ発射するとわざわざそれを宣伝してしまう。これを軸に特化するなら最大のキーポイントになるE管理のためにぜひE消費軽減OPとできればジェネレータ容量OPも欲しい。そして連射による瞬間火力を重視するなら機体のE消費を抑えてできるだけグリーンゾーン容量の大きいジェネレータを、連射を抑えて狙撃戦術をメインにするなら回復力を優先し、ブースターも戦術の方向性や脚部特性によって出力優先と低消費優先でのE効率が逆転する場合があるのでよく吟味したい。FCSはNDサイト特化型の「QX−9009」と相性が良く、特に手動補正射撃は旋回を加える必要があるためサイトは広いほうが扱いやすく、かつ高いロックパフォーマンスにより予測位置へのエイミング復帰が安定するので補正をかけながら手動で連射もしやすい。また着地硬直など停止目標に対して両門直撃させるにはCLコアが必須、機動戦での単発を含めた命中率を重視するなら他のコアも選択肢になる。運動性能も高い方がいいが中〜遠距離戦メインなら多少重くてもいいので肩には相性のいいサポート武器を、逆に近距離側に寄るなら狙撃精度を高めることで単装でも可能になるので軽量化して旋回・機動力を重視したい。結果として極端に耐久力が低下しやすくかつ強大なエナジードレインのため扱いは容易ではないが、圧倒的な瞬間火力によりあらゆる状況を技術次第で打開可能な武器といってもいいのでアセンの幅は意外に広く、これに全てをかけて磨き込むのに十分な魅力とパフォーマンスを約束してくれるだろう。CAランカー那猶氏の言葉を借りるならまさに「火力重視の一つの究極」であり、今となっては唯一究極を名乗るに足る存在といっていいかもしれない。


<<爆雷・機雷(70系・90系)>>

 爆雷「WM−X5−AA」「WM−X10」はほぼブレード落下斬りの前あるいは後の連続攻撃もしくは反撃抑止用だろうか。ブレードと共に直撃できれば非常に攻撃力が高く、弾数は10でも多いくらいだが異様に重いため機体負荷に見合わない。またブレードモーション中はリロードカウントを停止しているため固め斬りから爆雷への多重連携はできず、かつ拡散するため距離があると複数命中させることは難しく単弾命中程度ではほとんど火力の足しにならないので上空から爆撃するような戦術にも使えない。何故かミサイル系の名称を持っているが、慣性と加速度に依存するからだろうか?武器による射出後は推進力を失ったミサイルと同じように落下加速度に依存して自由落下する。せめて発射回数は少なくても扱いやすい重量であればロケット並に日の目をみたのではなかろうか。

 「WM−X15−EX」は弾数が非常に豊富ながら衝撃をもつ強力なエネルギー爆雷を4発同時に射出する。E爆雷も慣性に影響を受ける特徴があるので射出時の運動で若干操作可能で、かつ射出速度が大きいので接近戦の牽制用やある程度アクティブな攻撃手段にも使える。例えば正面上方の至近距離に強力な瞬間火力を有するのでブレード撃退・迫撃用になり、慣性の影響を受けるので至近迫撃には後退するより目標方向へ加速して射出するほうが命中させやすく、ブレホは機体実サイズで反発する性質があり接近されると間合いが狂いやすいので回避不能と判断される場合のカウンターにも有効。また上側の敵にブレホで肉薄して下からえぐるなどの戦術も可能で、やや上向き深い角度で発動すると当てやく、ブレードモーションが衝撃や着地で強制解除された瞬間に射出可能になるのでブレホ中も射撃入力を継続してもいい。ブレホ当てでは対地・低空目標にはロケットの方が扱いやすいが、自機より上空の目標にはこちらの方が当てやすく弾数・総火力が非常に豊富なので上を取られやすい機体構成でも使いやすい。ただし射出方向が上向きなので通常ブレードでの斬撃コンボは難しく、かつ慣性射出とランダム散開で運に左右されやすい。上向きの射出速度が大きいので対地正面への直撃を狙う場合は相当な落下速度を加える必要があるが、着地fに射出しても慣性を引き継ぐようなので高速落下中のブレードモーションから入力したまま着地解除&発射すれば正面近距離に射出されやすい。なお攻撃力が安定しない性質がありダメージソースとしては不確定要素が多い難点がある。原因は不明で詳しく調査していないが、直撃ダメージがパラメータ威力に満たない(あるいは直撃しない?)場合があり、逆に爆風だけでパラメータを超える威力を発生させることがある。理想的な形で命中した場合、単発で最大“3480(実測値)”の攻撃力を発生する。

 「WRR−10」は時限&近接信管式の機雷を設置する武器で、圧倒的な総火力に高い単発威力、強力な衝撃、長めの寿命と大きな判定サイズ(弾自体に攻撃力はなく自爆する距離が設定されている)、そして敵弾やミサイルにもエンカウントするなどの特性がある。また相手の運動を誘導しやすく寿命も長いのでアイデアと戦術次第で様々な展開や連携に役立てることができ特に引きながら地形戦を展開できる機体や特定の運動条件を攻撃しやすい武器種と相性がいい。また直接命中させるにはブレホ当てが効果的だが初速が遅いので間合いを詰めて道連れ覚悟で、地上目標や狭い空間では地形に当てると巻き込みやすく比較的距離があっても可能、ただし発射直後は近接信管が作動していないので接触距離では直撃が必要で相対速度が速いと難しい。射出速度は“200”、毎フレーム“20”減速するので最大飛距離は“1100”、その後一定の振幅で上下に浮遊する。寿命は射出から“200f(約9秒)”、機雷中心から“100”の範囲に物体が侵入すると爆炸しほとんど威力の減衰がない爆風を発生させる。とても軽いので軽量機に積みたくなるが誤爆・自爆・相打ちで結果的に被害の方が甚大となりかねないので実弾耐久力は高い機体の方が相性がいい。自爆・相打ちはWRR−10の一翼を担う戦術でもある。かなり特異的かつ高火力・高サポート性能なパーツで組み合わせる武器や対戦マップなどで利用方法や戦術を変えられるのでいろいろ研究する価値があるだろう。
 余談だがこの機雷の処理のためにMAで各ステージのサイズが縮小したという説があるようだが、ざっと調べたところ機雷による処理の負荷はたいしたものではなく、毎フレーム軌道修正しながら様々なエフェクトを演出するミサイルのほうが圧倒的に負荷が大きいようだ。ただし爆風の処理は若干重い(おそらくこのために機雷はエフェクトがシンプルでかつ爆速が高く継続時間も短い)。


<<肩キャノン>>

 射撃武器でほぼ唯一射撃システムの予測に恒常的に手動補正を加えることが出来る武器カテゴリにあたる。角度射撃システムは射撃できない死角が発生し銃口エイミング速度が射撃にも影響するが命中率を射撃時の操作で調整できるため、座標基準タイプの射撃で命中しにくい条件でも攻撃可能になり相互に欠点を補完しやすく戦術的な有効性が高い。また動きながら射撃できる脚部は四脚とタンクに限定されるものの、多くの武器がそれぞれに限定的な戦術に縛られることを考えれば十分に選択肢は用意されているといっていいだろう。これらはダッシュやダッシュジャンプができないので効果的な狭角射撃は難しいがどちらかといえば手動補正の方が自由度が高いので問題ないが、むしろキャノンにとって必須要素でもある手動補正操作は回避運動との両立が難しく被弾リスクが高いのが最大の欠点になる。また状況を問わず射撃できるのが特徴のタンクは重量級肩キャノンを余裕で搭載できる積載力があるが旋回性能も水平最大速度も低いので手動補正の効果が低い。一方で運動性能に秀でた四脚は地上では肩キャノンの高い火力性能を遺憾なく発揮できるものの、空中で射撃できない制約がある。そして武器の準備動作としては最も長いキャノン展開動作があり、四脚の場合は着地の瞬間に射撃できるようなタイミングと砲身エイミングの速度なども把握しておく必要があるが、この制約を逆手にとった射撃方法もまた戦術に有効活用できる。このため四脚で肩キャノンを選ぶ際は単発も含めた瞬間火力が最優先で、戦術的には手動補正に固執するような動きに縛られないことが重要になる。タンクは運動性能ではいかんともしがたいが、弾速の速いものなら十分に有効な角度を手動補正できるのでFCSとの組み合わせや連携用のミサイルなど相互の相性などを重視したい。手動補正射撃は弾速が高いほど結果的に補正効果が強くなる性質があり、旋回性能にも左右されるためため同じ肩キャノンでも機体の運動性能によって戦術有効距離が変化したとえ強力な肩キャノンでもアセンに失敗すると性能を発揮するのは難しい。

 精密系キャノン「WC−CN35」は比較的高威力の実弾を全武器中最高速で連射し、15f瞬間火力は“2704”と実弾系としては高い。そして唯一の精密予測系タイプの肩キャノンなので砲身が追いついてさえいれば高い精度で射撃できるが、弾速がかなり遅いので中距離以上には牽制程度にしかならず、至近距離では砲身や機体の旋回が間に合わないなど有効距離範囲がやや狭い。効果的な距離であれば手動補正に専念すると高率で命中できるのでサテライト射撃戦や四脚走行で回避できる条件あるいは時間火力で打ち勝てるならば戦力になるが連射中は接地し続けざるをえないためリスクが高く、旋回性能に劣るタンクではメインとなるべき近距離では使いにくいなどいずれも相性の悪い相手に撃ち勝つのは難しい。ただE負荷が無く命中力を含めた火力性能は高めで対軽・中量級には散発的な命中でも十分ダメージが通り、連射しながら補正操作を加えやすいので牽制や削り用としては選択する価値はあり、特に四脚は脚部ジャンプ短縮用に非常に扱いやすいので固め抜けやジャンプサポートの兼用としても選択肢になる。サポート専用として割り切るにはやや重いのでこれをプラスアルファに、引き撃ちに徹して移動する目標を削りながらの展開やサテライト運動なども捉えられる長所とE負荷のない時間火力を生かしてよくばらずに使いこなしたい。

 散弾系キャノン「WC−ST120」「WC−SPGUN」二種は内部処理では同じ弾データを共有しており、同時に7発の拡散弾を発射するので距離次第で火力と命中率のバランスを選びながら戦術を展開できる。つまり近距離では的確な手動補正射撃によって多弾命中の高火力を、中距離以上では広がる命中範囲による高い散発命中率で堅実な削り用として使い分けられる。実践的には攻撃的な有効距離は最大でも3500程度と近〜中距離戦用の武器で、それ以上では命中力は高いが火力は激減していくので距離や状況によって的確に戦術を使い分ける必要があり、キャノンは展開動作が長いのでそれぞれの戦術選択に瞬間的な判断を要求される。また広い命中範囲とやや高めの弾速のため対空キャノンとしての性能も優秀、ただしキャノンの旋回限界(上約60度、下約40度)に注意、サイトが大きいのでロックしていても射撃できない死角が広い。
 実弾系のST120は“1”という貧弱な衝撃とあまりのリロードタイムのためほぼネタ武器となってしまっているが、総火力は“102480”と意外なほど高く、時間火力も実弾系マシンガンよりは高いので残弾を気にせず牽制も含めてばらまけば引き・追い・サテライト攻撃・対空攻撃にと使えなくもない。リロードに起因する戦術性を除けば優秀なので四脚地上走行で射撃を回避できれば選択肢にならなくもないかもしれない。が、やはり性能のわりに重すぎるか、せめて衝撃が高ければ・・・。
 E系のSPGUNは高い連射力によって15f瞬間火力“5019”という非常に優れた時間火力を持ち、E系キャノンとしては例外的なほど省エネなので持続力も高い。さらに絶妙な散弾による広い攻撃範囲と手動補正を駆使すればサテライトや高速回避中のターゲットに連撃を浴びせ続けることも十分に可能で、状況次第では回避を捨てて手動補正に注力した乱打戦でも打ち勝てるほどの火力性能を有する。やや重いとはいえ弾数も及第点、かつサイトタイプがSPで右手武器との相性も良く、そしておそらく対空兵器としても肩キャノン随一の性能といっていいだろう。また着弾衝撃“2”は弱いながら一部の高機動機体に有効でリロードオプションをお供に地上で捕まえれば某スラッグばりの絶望が・・・。ついでに着弾閃光で視界を悪化させるオマケもついてくる、が連射中は自分のモニタも見づらい。総火力は“83650”と近距離では十分だが散弾であることを考えると中距離以上では不足するので別に主力となる武器が欲しいが、SPGUNを牽制や削りに割けるほど火力に余裕があればさらに効果的で削る戦術にも適している。射程距離は長いが中距離以上では牽制・削り専用になるので他にダメージ源となる強力な戦術を用意するか、主力級として扱うなら距離を詰めるための運動性能あるいはポジショニング用のサポート兵器があると使いやすい。四脚では弱点も露呈しやすいので地上起点に固執せずに別の装備で十分な戦いができてこそ威力を発揮するともいえる。そしてオプションEHとE+は必須になるだろう、できれば消費軽減OPもあるとなおいい。最大の欠点は前が見えにくいといったところかも、特にタンク。

 実弾系軽キャノン「WC−LN350」は肩キャノン唯一の衝撃系連射武器で、弾数それなり、攻撃力まあまあ、連射力そこそこ、弾速まずまず、重量ほどほど、衝撃ぼちぼち、単発散弾系なため運次第で命中率が上がったり下がったり、と微妙な性能だが微妙は微妙なりに微妙な使い道がある。それほど特化した長所がないものの弾速と連射力があるので浅めの対空・牽制武器としても使いやすく、弾道が若干乱れるものの手動補正射撃もしやすいので引き撃ちやサテライト戦などで弾切れを気にせずばらまけば軽量級にもぱしぱし当てられ、リロードが短いので脚部ジャンプ短縮用の固め抜けサポートにも転用しやすい。右腕武器に比べて操作性は多少劣るがブレード連携も可能で、直進しながらやると弾道がブレずホバー加速も生かせる。そして衝撃“3”は高安定性脚部を除く高機動型アセンをターゲットにできるが、リロード“5”の連射衝撃から自力で脱出できる脚部カテゴリは存在せず、水平射撃でも着弾時に浮き上がることはかなり少ないので地上至近距離で固めれば火力もあいまって為す術なく削り倒せる。キモは自機が前後進中か低運動状態で連射して捉え、散開でハズさない必中距離を維持し、手動補正でブレないように旋回を抑え目ににじり寄る感じで。ただし肩キャノンは右手武器とは違い急激な加減速を追跡できないので四脚のように硬直中も移動し続ける相手は地形にでも押し付けないかぎり固めるのは難しい。まあ固めといっても可能な状況が少なく難しいうえ、アセンや戦術で対応されやすいのでコレでやる分にはちょっとした緊張感で済むのでは。なお二脚で落下斬りしゃがみガードからの固め殺しも出来なくはないが相手も反撃できるので直後に武器切換えでキャンセルして離脱しながら別の射撃武器で応戦した方が無難、逆に攻撃側からはヘタに斬り込むとしゃがんだまま押し切られかねない。15f瞬間火力は“2070”、総火力は“82800”なので衝撃系連射武器としては火力に優れる。あらゆる面で平均的(ホントは全てで平均より良いくらいなんだけど)な性能は悪く評価すると没個性だがアセン次第で長所にもなり、撃ち勝てる耐久力があればサポート戦力として活用しやすくE負荷もお供のオプションも必要ないのでチャージングの保険や牽制・削り、脚部ジャンプ短縮、対軽量機特化サポート、あるいは二脚系で固まった時の切り札などに意外と使い道豊富かも。ホバタンでは発射反動で残弾の限り浮遊できたりする。ネタ武器か判別しづらいところだが使い方次第では特化武器に化ける。

 E系軽キャノン「WC−XP4000」「WC−01QL」は非常に軽量ながら高い攻撃性能をもつので、軽量四脚にはとても嬉しいパーツだがサイトタイプがNDなので他の武器との相性があまり良くないのが泣き所だろう。サイトが狭いと手動補正は難しいがND特化FCSを優先するほどの性能は持たないので、相性のいいND系武器腕を主力にするのでなければサイトサイズに左右されない射撃技術をもってこそサポート火力として活躍できる。またリロードに優れ弾数も余るほど豊富なので四脚では脚部ジャンプ短縮用として固め抜けや連続ジャンプのお供にも。
 「WC−XP4000」はライバルの01QLがハイスペックなために影に隠れてしまっているが弾速は“840”、連射力“4”、15f瞬間火力は“3540”など火力性能はとても優秀。しかし衝撃はなく手動補正には回避力を犠牲にするリスクが伴うことを考えるとやや単発威力が心もとなく、最大の欠点である膨大な消費エネルギーが足を引っ張りまくる。いやむしろ最大の欠点は01QLに比べてエフェクトが地味なことかな?。弾速は速いので中距離戦やミサイル連携あるいは後退しながら対空射撃するような戦術向きで、手動補正が強く効くので軽量四脚では進角しすぎてやや使いにくくかつ散開するので狙撃もしにくいが、逆に旋回性能の低いタンクや重四脚では比較的近距離戦でも実用可能で散開特性はむしろ命中に貢献する、がやっぱり最大の欠点は消費Eか。また中〜遠距離から削るなら弾速が速いXP4000の方が命中しやすく多少サイトが狭くても扱えることや回避運動の余裕もあるので戦術とE管理次第だ。
 「WC−01QL」は圧倒的な総火力かつ瞬間火力をもち単発でも脅威となる攻撃力がある。爆風威力も含めた15f瞬間火力は最大で“7888”と武器腕を除けば他の追随を許さず、総火力も“157760”と半分も当てれば超装甲機体でも破壊できるほど強力。しかしエネルギー消費が大きくサイトサイズも小さいため接近戦では使い勝手が悪い問題があり、“544”と遅い弾速と見やすいグラフィックのため中〜遠距離では回避されやすく、遠距離では死角もあってタンクにもそうそう命中しないなど、戦力として計上するのは難しい部類のパーツといってもいいかもしれない。接近戦用となると必然的にそれなりのサイトサイズが要求され、近距離特化武装ならQX−21が比較的相性がよく、次いでAFか18Xとなるがいずれも一長一短なのでFCSの選択は他武装を優先して技術でカバーせざるをえない。戦術的にも軽量かつ単発威力を最大のメリットと捉え、例えば四脚で地上に接地する瞬間に的確な手動補正を加えつつ高リロードを生かして1,2発程度射撃してプレッシャーをかけ確実なチャンスに控えめにたたみかけるような戦術がふさわしいだろう。深追いはE管理を負の連鎖に追い込むので禁物だ。
 このように中距離戦や対空戦も含めて射撃戦やミサイル連携を考える場合にはXP4000を、近距離での瞬間火力に重きをおくなら01QLを選ぶといいだろう、対サテライト戦用を想定する場合には前者が有効距離に後者がプレッシャーにそれぞれ優れる。もし二脚で構え技や固まった時の切り札にキャノンを背負うなら軽量・高火力なので使えるかもしれない。主力としては難しいのでエネルギー系のお供は余裕があるなら、削りサポート武器と割りきるのならベース火力でも十分強力なのでオプションは無くてもいい。

 E系重キャノン「WC−XC8000」は単発威力・瞬間火力ともに高く、弾速は肩キャノン中最速なので運動性能の低いタンクでも狙撃レンジが広めだが、重量とE負荷の高さがイカンともしがたく連射しようにも後が続かず押すも引くもかなわない。四脚に搭載するには負荷が大きく、タンクではGBX−TLを選ぶ場合が多いだろうことを考えるとやはり単発重視でグレネードキャノンあるいは近距離戦重視でSPGUNなどの方が使いやすいと思うが、死角による精度低下を割りきれば狙撃系肩キャノン随一の距離対応範囲をもつともいえる。まず弾速が肩キャノン中最速で旋回補正がかなり強く効くためロックさえできれば機体旋回が間に合っていなくても補正狙撃が十分可能で被弾しながらでも撃ち勝てる瞬間火力を持ち、左右の平行移動で調整しながら広いレンジの射撃戦に対応できる。ただし線判定なのでかなり的確な補正射撃と甚大な負荷のE管理を要求され、遠距離狙撃キャノンとしてはやや射程距離が短くミサイルの射程圏外から攻撃できない。また旋回の速い四脚に搭載する場合は近距離戦向きになり、遠距離ではタンクでも補正進角が大きくなりすぎるので低運動状態の目標は旋回を抑えながら狙う必要があるが、連射力も高いのでミサイル連携とは相性がいい。的確な武器切換えが重要な要素になることを考えるとキャノン展開動作が最大の難点か。重く感じるが僅かにカラサワより軽く火力性能は15f瞬間火力“4748”、総火力“118700”とエネルギー系でもトップクラス。オプションはできるだけあるといいが特に「SP−DEtq」は是非とも欲しい。もとが大きいので軽減できる量も大きくなるからだ。
 なお遠距離ではニュートラルの射撃でも予測前方側へずれることがあるが、肩キャノンは角度制約があるため多少の予測差では射撃角度が変わらない場合があり、弾速が速いほど予測目標と現在位置との角度差が小さくなるので結果的に死角の影響が表面化しやすくなるものと思われる。つまり多少弾速差があっても結果同じ角度での射撃となり、弾速が遅いと着弾までに目標が通りすぎて後退位置に、速いと通り過ぎる前に先行位置へ着弾しやすくなる(この現象は弾速のみに依存し他の肩キャノンでも距離によって予測に先行することがある)。尚、コクピットビューなどでヘンな方向へ射撃しているように見えるのは描写が長い線形で他の肩キャノンに比べて弾道を目視しやすいための視覚的なもので射撃自体に異常はない。

 ACの象徴的武器と題されるグレネードキャノン「WC−GN230」「WC−IR24」は射撃武器では例外的に弾に判定範囲(近接信管の範囲で攻撃は爆風判定のみ)を持ち、かつ1次・2次ロックいずれも射撃時の目標までの距離(厳密には相対距離を超える弾速最小倍数距離)を取得して自動爆破する特殊な武器で、その広大な爆風の威力は減衰が小さく外縁付近でも直撃に近い攻撃力を発生する。そして強力な発射反動は近接迫撃から爆風圏外への離脱や上昇加速(空中時のみ有効なのでタンクのみ)などにも利用できる。手動補正も含め様々なテクニックで自由度の高い射撃ができるので全射撃武器中屈指の戦術バリエーションを有するといっていいだろう。やや弾数が少ないが単発威力と命中力は申し分無いのでAP勝ちのまま撃ち切る戦術アプローチも可能で、特に同じNDサイトの武器腕と相性がいい。
 自動爆破は射撃時の相対距離を超える最短の弾速倍数距離(予測ではなく現在位置間距離で必ずその背後側で爆炸)になるので、急接近・離脱運動をする目標を爆風に巻き込むのは難しく、背後側で爆破するため特に射撃タイミングを狙って射線方向に前進ダッシュされると回避されやすい。このため接近・離脱運動へ攻撃する場合は大きい判定サイズを生かして直撃を狙う必要があるが線判定のロケットなどに比べると遥かに命中させやすい。そして戦術的には前後にダッシュする暇を与えない近距離ほど効果的で、特に近接迫撃は自動爆破できればエイミングが甘くても爆風圏外に離脱する時間的余裕がほとんどなく、逆に中距離以遠ではサテライトなど距離を維持する運動目標に対して相性がいいので手動補正射撃と合わせて高い命中力を持つ。このため弾速の遅い連携用ミサイルや機雷などで前後ダッシュを封じて広角方向への回避運動に縛ってまとめてなぎ払うなど戦術的な組み合わせもしやすい。ただしキャノン展開を要するため前後に時間的余裕が必要なので連携攻撃は可能な武器や距離が限定的、キャノン先行発射では連携可能なのは唯一光波ブレのみだが爆風衝撃で撃墜して追撃する方法が有効で成功すればかなり強烈、ついでにリコイルカウント分を実質スキップできる。また脚部ジャンプ短縮用としてはリロードと弾数のためやや使い勝手が悪いが自動爆破やグレネードバリアとも併用できるので扱い次第で十分実用できる、ただしジャンプ時は発射反動が無効化する。なお発生する爆風は肩グレ2種とも同じ爆風IDを共有しており、光波ブレと同種の爆風を時間差で二度発生させるので持続時間が若干長いが判定は一度しか発生しない。
 FCSは「QX−9009」なら実用的な広いサイズで手動補正射撃がやりやすく、四脚接地やキャノン展開あるいは視点リセットなどを利用した特殊な射撃でも無駄撃ちをしにくくなる。QX−21はそれに次ぐサイトサイズだが対応距離がやや短すぎ、AFや18Xとなると主力の比重を別武器にシフトせざるを得ず悩ましい。また発射反動は戦術的に有用な場合もあるので反動軽減オプションを選ぶかどうかは慎重に考えたい。それと僅か“1”の差だがグレネードのみ例外的に左右で最短発射間隔が異るため連携で武器切換順を重視する場合を除いて左肩に装備した方がいいだろう、それと四脚・タンクには関係ないが中量二脚では左肩(と軽・中量腕部)で構えが若干早くなる。
 実弾系の「WC−GN230」は消費Eを除いてIR24にやや遅れをように見える。しかしIR24が火力的にさらに高性能というだけでGN230が弱いわけでは決してなく、瞬間火力は単発で実弾系最高クラスの“3520”、その他の様々な利点も含めて考えれば重量もまあそれなりに性能に見合っているといっていいだろう、欲をいえばもう数発欲しいところだが。そして射撃時にエナジードレインがない点とお供のオプションが不要な点はもともとエネルギー管理が苦しい重四脚やタンクなどには大きな利点になる。着弾衝撃はIR24より僅かに大きく、発射反動も約1.3倍。このため反動を利用して後退や爆風圏外へ離脱する戦術ではより加速度が大きく有利だが、発射反動の加速度には上限(約9600)があり逸脱しすぎると(?)無反動化するバグがある。意図的に無反動化させたいならともかく低安定の軽量機体などに搭載すると反動を利用するために反動軽減オプション(SAP)でスロットを埋めざるを得なくなるのがなんとなく釈然としない。弾速は“600”とやや遅いが広大な爆風のため中距離戦程度まではさほど問題なく、逆に自動爆破距離が弾速の倍数距離に制約される点からはIR24よりも爆破精度が高いメリットがあり特に近接迫撃戦術で生かしやすい。また肩武器で近距離の機動戦に対応できる武器は数少なくグレネードバリアも被ダメージを抑えやすいので対軽・中量級戦寄りの特化武器という位置づけで、対重量級には衝撃サポート兼削り火力としても十分なので武装の選択肢は広い。扱えれば命中率はかなり高くなるがそれでも総火力“52800”はやや心もとないので効果的な連携や相性のいい武器との組み合わせが重要だろう、堅実な実効火力としては肩武器として最も安定して扱いやすい。ブレード連携は光波ブレ(1000W)が妥当だが爆破精度と弾速のためややIR24に勝り特に空中発射可能なタンクで操作性がいい。なお唯一GN230のみ自動連射機能がない(非連射フラグが有効)のでそのつど射撃入力する必要があり、入力したままキャノン展開あるいは四脚着地しても自動発射されない。
 E系の「WC−IR24」は単発威力“3478”とエネルギー防御が上げにくいACにとって非常に強力で、性能の割には軽めで無理をすれば軽量四脚にも搭載できるので旋回性能を高めることで戦術効果をさらにアップできる。総火力は“69560”と特筆するほどの数値ではないが実効火力が高く、単独で重量級機体でも撃破できるE系火力を持つので対軽量・高機動戦に特化した武器とも組み合わせやすい。弾速は“800”と速くGN230に比べると遠距離戦にも対応しやすくミサイル連携や追う戦術ではこちらの方が相性がいい。タンクでは空中で発射できるため地上付近の目標に打ち降ろすと急接近・離脱方向へ回避する空間・時間的な余裕が少なく、かつ地形に当てることで弾速による爆破精度を無視できるので高い弾速を生かしやすい。ただし下方への旋回限界は約40度と小さいので注意が必要になる。グレネードバリアは自爆ダメージもかなり大きくなるので使い方次第で強力な切り札になりえるがややリスクが高い。地上走行が速い四脚は反動と共に後退すれば至近距離の自動爆破(距離800)程度なら抜けられるので1次・2次ロック射撃か難しい場合は若干前方の足元を狙うといい。ホバタンは発動する直前に浮いておけば垂直加速度が無効化されず、下向きに射撃してグレネードブースターで圏外へ脱出できる。そして発射によるエナジードレインは単発とはいえ動き回る戦術では確実にエネルギー管理を圧迫し、肝心の一撃が放てなかったり離脱に支障をきたしてしまうこともあるので、できれば「SP−DEtq」が欲しいがスロット消費はかなりキビシイので「SP−CND−K」を装備する余裕があるならDEtqを優先させてもいい。「SP−E+」は必ず欲しいが、接近戦も想定する場合には「SP−EH」もあると心強い。まあ強力な故の悩みかもしれないが。なお、なぜか入力したままキャノン展開完了や四脚で接地すると稀に即爆破して自滅してしまうことがある。
 グレネード2種は戦術やアセン的なアプローチが違うのでそれほど悩む要素はないと思うが、どちらかといえば対軽中量級・近〜中距離・機動戦向きの戦術性重視のGN230と、対中重量級・中〜遠距離射撃戦向きで攻撃性重視のIR24なので使い分けるといい。


<<ミサイル(誘導兵器)>>

 ミサイルは誘導しながら目標を追跡するので軌道が直線的ではなく、着弾までの時間が長くかつ戦術的に軌道を変化させうることから射撃武器とは戦術性が全く異なる。そして全体的に被弾衝撃が高いものが多く、攻撃力も侮れない。このため射撃武器では不可能な変則的かつ多彩な戦術が可能となり、ポジショニングや戦術展開のキーとしての役割や多数の武器との連携によって戦術のバリエーションを大きく広げることができる。また射撃武器には遠距離戦に適した武器が少ないが、ミサイルは中〜遠距離でより性能を発揮しやすく、かつ射撃武器だけでは相性の悪い引くターゲットの運動阻害としても使いやすい。
 ミサイルは軌道、弾速、ロック数、攻撃力など多岐にわたるパーツが用意されているが、それぞれの特徴から主に命中力と破壊力による直接攻撃ついでにサポートという攻撃性の強いものと、弾速や軌道の特性からミサイルを起点としたポジショニングや連携攻撃といった連携適性の強いものに大別できる。攻撃型のミサイルは比較的遠距離でかつ弾速に優れる射撃武器であれば連携もできなくはないが、条件や対応武器が限定的なので連携武器としてはあまり実用的ではない。しかし重量から火力性能や射出特性まで幅広いラインナップがあり、ミサイルは射撃武器とは異なり性能や戦術性の間を埋める武器に数を割いているため選択肢が広く、扱い次第では堅実な削り用から主力武器としても十分な戦力をもつものまで用意されている。一方で連携用ミサイルは攻撃的タイプが軌道を制御した直接攻撃を主体とするのに対し、連携攻撃や戦術展開の軸や起点として発射から着弾までに別の戦術を挟みこむ余裕があるため根本的に戦術や扱い方が異なる。このタイプのミサイルの性能を最大限生かすためには連携させる武器やそれを可能にする運動性能あるいはアセン、そして戦略と駆け引きを含めた戦術を短い時間で知的に組み合わせて展開する必要があるが、単独では性能を発揮しにくい武器種のサポートも含めてACに四箇所ある武装全てを連携ミサイルの戦術バリエーションに組み込みうる点で優れる。
 なおミサイルなどを巧く回避できない場合はコクピット視点にして練習するといい。通常視点では左右に振って切り返す場合にサイトギャップが増大しすぎて視線が安定せず前方の状況が把握しにくくなってしまいタイミングがつかみにくい。また特に18Xによるミサイル連射を避ける場合はフェイントモーションをかける際に限界速度を超えて余剰慣性が発生すると後続弾を回避するのが難しくなるうえエネルギーを浪費して負のスパイラルに陥りやすいので気をつけたい。
※以下はリロードキャンセル(バグ)を利用しないことを前提にしています。

 前方の目標への直接攻撃に適した小型ミサイルには「WM−S40/1」「WM−S40/2」「WM−S60/4」の3種があり、1〜4ロックで機体前方へむけてランダムな角度で弾頭を射出し2フレーム後に目標へむけて推進しはじめる。そしてミサイルは慣性の影響を受けるので一発づつの軌道が弾頭を射出した際の機体角度と速度の影響をそれぞれ受ける。高い弾速により回避の時間的余裕が短く中〜遠距離の広い範囲に対応するが、軌道がランダムに乱れるため連続弾を回避しにくい反面コントロール精度がやや低く攻撃精度には難がある。また散開するタイプは射出時に前進することで散開する角度を抑制して前方へのコントロール精度を高めつつ着弾を早めることができ、逆に後退して初速を抑えることで射出直後の軌道修正能力と機体慣性によるコントロール幅を高めることができる。ただしこれらの性質は相反するため前進した場合には射出直後の追跡能力が低下し前方向に特化してしまい、後退した場合は散開幅が増大する。なお小型ミサイルは着弾までに次武器を準備している時間がほとんど無いのでミサイル連携の起点には適さず、単ロックでは1発しか発射できないので連携の中継にもやや使いにくい。
 「WM−S40/1」と「WM−S40/2」はロック数が少なく攻撃力にはあまり期待できないが、非常に軽量なので残弾を気にせずに牽制や単発の被弾硬直を続発させるなど軽量級用のポジショニングサポートとしては優秀なバランスのパーツといえる。単ロック型のS40/1は極めて軽量でサポートとして死過重にもなりにくいので運動性能の高い機体でコントロールできれば十分戦力になる。特に軽量級は僅かな重量差で運動性能Lvが変動するので単ロック型のFCSを選択する場合や牽制・サポート用に。2ロック型のS40/2もとても軽量で実用性の高いFCSの選択肢も広いので射撃武器との相性を優先しても性能を発揮させやすく、単発か双発かでは戦術的にも命中力にも大きく差がでるので機体負荷に問題がなければこちらを搭載したほうがいいだろう。また通常歩行中などに切り返しながら発射することで大きく散開させることもできるがやや運が絡む。総火力はいずれも“33200”。非力とはいえ重量効率は高く軽・中量級にとっては侮れない威力で、後退する目標にも対応しやすいので射撃武器の戦術距離が短かいなどで引かれると不利になりやすい場合には重宝する。
 「WM−S60/4」は最大4ロック可能で多弾発射による命中率が非常に高く、攻撃・牽制・サポートともに優秀な性能をもち重量も比較的軽いので使いやすい。多弾命中を狙わずに足止めによるサポートを優先する場合には踊りや切り返しで散開させることで命中率を高めやすい。総火力は“49800”、主力としてはやや非力だが4連射は回避が難しく攻撃性能は高い。小型ミサイルはロック数とそのパフォーマンスが高いほど性能を発揮できるのでS60/4を攻撃的に扱うならFCSはできれば18Xが欲しいが、FCSのミサイル系性能が低い場合には牽制・サポート重視になるので継戦能力重視ではS60/4を、運動性能重視かサポート専用にはS40/2かS40/1を選ぶといい。いずれも重量以上の性能を発揮してくれるだろう。
 「WM−TO100」は軌道や運動特性としてはこれらと同じ部類に属すが、戦術的な性質が大きく異るため後述する。

 同タイプの中型ミサイルはロック数“1”の「WM−MVG404」と同“2”の「WM−MVG802」の2種で小型より弾速が遅く威力が高い。そして射出速度がやや遅いため軌道の乱れが小さく機体慣性の比重が大きくなるので軌道のコントロール性は高く比較的近距離でも扱いやすい。しかし常に機体挙動に強く影響を受けるので扱いがやや難しく、遠距離では着弾までの時間的余裕のため回避されやすく、かつ目標正面からの射出では迎撃されやすい。着弾までの余裕は小型よりは長いので高弾速武器との連携などは小型よりはやりやすいが実用的というほどではなく、連携可能になる遠距離ではミサイル自体の命中率が低くなりがちなので難しい。ただリロードは小型と変わらず短めなので連携用ミサイルを起点とした中継用としては可能。また単発か双発かでは命中率と戦術性には大きな差があり、約100の重量差で総火力も12000以上の違いがあるのでデザインにこだわりがなければロック数“2”のMVG802の方が総合的に強力。ロックの早い18Xなら準備動作中に打ち上げることも可能なので地上からの対空攻撃に使えなくもない。総火力はS60/4とほとんど変わらないので地味な印象が強いが2発直撃での攻撃力は“3120”と高く、弾数が少ないのは撃ち切り用に使いやすい側面もあり、小型に比べて近距離向きで操作性もよいので使いこなせればいろいろな戦術バリエーションを影から支える役割を期待できる。

 同タイプの大型ミサイルは単発の「WM−L201」1種類、中型よりもさらに弾速が遅く寿命が長い。しかし最大速度より旋回性能の低下率が大きいためか追跡性能はむしろ悪化しており回避運動や迎撃システムに弱いので使い所が難しく、総火力も“51600”とやや控えめ。特に単発威力に優れるものの遠距離ではまず命中できないので比較的近距離から射出ベクトルをコントロールすることになるが、重ミサイルにも関わらずランダム散開するためコントロール性はあまりよくなく機動戦や接近戦では使いにくい。活用するには被弾を容認できない攻撃力と短めのリロードを生かして高速かつ強力な武器で回避運動を狙撃するか着弾硬直を追撃するなどを含めて連携するのが一つのプランだろうか。しかし着弾までの時間的余裕はあまりなく超高弾速のRF/Eや平行射撃側への狙撃に適したXC65などとの連携は遠距離でなんとか可能だが連携の起点としての適性は低い。どちらかといえば移動方向がある程度前後に偏るような戦術や対空戦などのほうが使いやすいだろう。強力な衝撃を生かして撃墜硬直を狙えれば追撃しやすいが、サポートと組み合わせるなら連携用ミサイルを先行させてL201で中継・追撃する方法が現実的で、直撃させるにはややギャンブル性が高いのでこの場合は必ず三の手を、そしてできれば四の太刀も用意しておきたい。あるいは18Xに光波ブレなどの着地解除を使ってムリヤリ2重ロックさせて追撃するのもウツクシイかも(要事前確認)。なおブレードモーション中は上向きになっているので二脚系の場合は操作でコアを前傾させるとやや安定する。単独では命中させにくく弾数も少ないうえ接近するほどギャンブル性が高くなるが単発威力が強烈なので戦術バリエーションは広い。
 余談だが大型ミサイル系(他に多弾頭ミサイルの分裂前の親ミサイル及びSMSS24が該当)の弾頭は直撃せずに爆発してしまうとおぼしき状況があり、その場合威力が安定しない。直撃できれば爆風威力が加算されるのでパラメータ以上の攻撃力を発生する。したがってその効果はターゲットの運動に依存する傾向が多分にありやや使い勝手が悪い。また地上で発射すると斜め下向きに散開した弾頭が地面に接近して爆発しやすいので、特に身長の低い四脚・タンクは少ない弾数を無駄にしないためにも空中で発射するか武器切換えで上方へ射出するなどの必要がある。余談だがミサイルは判定サイズに相当するデータを発見していないが水地形に着弾しても湿気ないので判定サイズが設定されている可能性があり、グレネードや機雷と同様に爆破判定サイズ設定(直撃判定はサイズ設定が出来ない?)だとすると中心の線判定自体にエンカウントしないかぎり直撃しないのかもしれない。核や他のミサイルも湿気ないが似たようなエンカウントは起こさないようなので判定サイズがあったとしても大型ミサイルよりも小さいと思われる。ただし仮説の域を出ない。

 「WM−S60/6」は同系の小型ミサイルを上方へ最大6連射する。通常の「WM−S系」に比べ上向きの軌道になるので戦術性が異り、地上目標に対しては上空側から入射する形になるが二脚系機体は上方投影面積が小さく水平運動が広角条件になりやすいのでやや命中しにくく、間に障害物を挟んで攻撃できるものの単発での攻撃力にはあまり期待できない。一方上に迂回する軌道を持つので迎撃に強くかつ地面に喰われて消失しにくく、特に垂直運動に対して命中率が高いためジャンプや落下運動あるいは着地硬直を容易に攻撃可能で、回避時に視界に捉えたままタイミングを取りにくいため空中で連続弾を回避しづらい性質もある。近〜中距離では頭を越えてしまうため遠距離専用になり、最大射程がやや短いため特に同高度へは有効距離がかなり限定された範囲になってしまう欠点はあるが適した距離でミサイルコントロールができれば拡散するタイプの中では最も扱いやすく、遠距離向きで撃墜硬直も発生させやすいのでやや不確定ながら連携適性もある。また斜め上向きに射出する性質のため左右運動や旋回で扇状に散開させることも可能で、前後運動で射出角度を大きく調整できる。例えば角度の浅い前方上空やジャンプしようとしている目標には前進中に、目標が直上に近い位置にある場合は後退中に射出することでそれぞれ対応できる。ただし散開がやや大きいので対空攻撃でも近距離には使いづらく、全体的に前進中もしくは左右移動状態での発射に適しており、後退発射は大きな高度差に限られ視界も悪い。したがって地上を起点とする機体向きのミサイルで垂直運動や対空攻撃に適しており、前進と左右運動をメインに展開できる戦術と相性がいい。逆に空中メインの機体では下向きの目標には有効距離が離れてさらに限定的になるため相性が悪く、後退主体の引く戦術では発射角度が上に向きすぎて使いづらい。また散開するわりに前後左右の水平運動と旋回によるコントロール幅が大きいことと、対空戦は視界が悪くサイティングが難しいなどやや技術的なハードルが高い。相性のいいFCSがほぼ一択という点やジャマーの存在などもツライところだが、ACには地対空に有効な武器が少なく重量も軽めなので中〜遠距離専用の対空可能なサポート武器として選ぶ価値はあるだろう。
 余談だが練習には馴れるまでコクピットビューの方がやりやすい。またCPUの上位陣はほとんどジャマーを装備しているうえ対空制御が劣悪で、特に空中で引くランカーはほぼ皆無なので練習にはあまり向かないが、飛行頻度の高いCPU戦でエリアオーバーラインを背負うと多少やりやすいかも。

 安定した弾道で前方へ射出するタイプとして両肩武器「WX−S800/2」は攻撃力と弾速の高い小型ミサイルを単ロックで2発同時発射する双発型なので時間火力・命中率が高い。このタイプはわずかに予測方向へ射出角度をつけるが同条件では安定して射出することができるため射出技術による軌道のコントロール精度が高くミサイルで狙撃するような発射も可能など、戦術的には弾が追跡性能をもつ射撃武器に近い扱いができる。どちらかというと長期戦向きのサポート型だが単発威力でも1120と高めで直撃でバズーカに匹敵するので攻撃性能も侮れず、リロードが微妙に長いので連携するなら遠距離でEスナあたりが候補になるが、至近距離でも狙って命中できるので斬撃の起点やロックを外さなければブレードに追撃もできる。ブレード連携となると候補となる重四脚やタンクにのせるとデカすぎて前が見えにくく重量二脚は前進中は射出がかなり前傾して地面に喰われやすい問題があるが、この重量でも空中から地上へ強襲斬撃できるならあるいは新たな可能性を見出せるかもしれない。なお空中ブレホは予測追跡なので地上目標か落下目標を狙うとよく、かつ両肩武器は待機状態でも上を向かないので解除直後でもコア正面に発射する。コアの向きはアセンと機体挙動によって異なるがやや上向きに射出するパターンでは地面に喰われるリスクが無く狙いやすいが、一部のアセンでほとんど前傾しかしないタイプは実用に耐えない。そして多重ロック容認なら空・地ブレホを被弾衝撃や足場離脱による解除を狙って発動する方法も可能で、ミサイル狙いでは無理にブレード判定範囲まで踏み込まなくてもいい。特に1A46J(ドラム缶腕)による装甲特化機では選択肢となるミサイルがXCS−9900と2種類しかなく、マルチミサイルは遠距離専用で近距離では無力化してしまうがS800/2はミサイル全体から見ても近距離で実用に耐える希少な存在であり、両肩キャノンと違いE消費による負荷や目標の移動方向に依存する弱点がない。とてつもない重量で扱いは非常に難しいが、コントロール精度と瞬間火力により攻撃的なパフォーマンスは高性能と評価できるので、ブレードサポート&追撃も可能なことを加味すればアプローチ次第では十分戦力になるだろう。なにより看板は前から見えてなんぼのものだ。

 同タイプの武器腕パーツ「AW−30/3」「AW−S60/2」は多ロック双発型の狙撃用ミサイルで命中率も高く攻撃性能は非常に強力で、衝撃を伴うため1掃射全弾命中させることも十分に可能、FCSに18Xを選べばさらに使い勝手がいい。そして非常に軽量・低消費なことも特徴で肩に比較的重量のあるものを選んでも高い運動性能を確保しやすいが、一方で耐久性に乏しい紙の様なペナペナ機体になるので遠距離戦特化もしくは回避を前提にできる機動力は必須条件でかつ回避運動中においても効果的にミサイル狙撃ができるような熟達したテクニック無くしては難しい。
 S60/2は総合的にも高性能だがなにより総火力が“99600”と全ミサイル中最高で実弾系射撃武器と比較してもトップクラスの火力性能と継戦能力を誇り、最大ロックでの1掃射瞬間火力も“3320”と主力武器として申し分ない。このためダメージソースとして重視する場合はより有効なので肩武装の重量負荷をある程度抑えて火力を犠牲にしても十分な火力を確保できる。30/3は瞬間火力が“4980”ととても優れ、総火力は“66400”とやや低下するが圧倒的に軽い重量を考えるとサポートにも戦術的にも必要十分、耐久性能差は殆どないのでより運動性を優先したいコンセプトや、肩武器を主力武器として重視する場合に。双方アセンアプローチが異るのでそれほど迷うことはないだろう。またこれらは両肩キャノンとも連携できる唯一のミサイルで、連携適性の高いミサイルとの組み合わせも強力。そして通常腕部の最軽量パーツよりさらに軽量かつ低消費なことでこのパーツでしか不可能なアセンや戦術もあり、その戦力も侮れない。

 同様に安定した射出角度を持つデュアルミサイル「WM−P4001」は左右に弾頭を射出し2フレーム後に目標に向けて推進を開始する。弾速の速い小型ミサイルが左右に分かれて目標へ向けて収束するのでベストな距離がやや狭いが水平運動で回避しにくく、左右どちらかをオトリと割り切れば単発での命中率は非常に高く足止めとしても優秀。前方射出ではないものの最も射出角度が安定するミサイルで軌道を左右へ意図どおりにコントロールしやすいのでS800/2や腕ミサに次いで精度が高く扱いやすい。またミサイルは水平運動と旋回でのコントロールが基本だが射出方向が大きく異なるため平行移動操作の影響が右向きと左向きの弾頭で逆向きに近くなり、例えば片側の迂回軌道を水平運動で増幅させるともう片側が抑制される性質がある。そして後退中の射出では迂回軌道がやや後方へ広げて着弾を遅らせ射出直後の軌道修正能力を向上する、対して前進中は初速を速めることで迂回幅を狭めて正面方向へ操作性と旋回によるコントロール性を若干高めるなどの性質がある。ターゲットを下にみる状況ではやや有効距離が遠めになるが空中戦にも適しており、武器選択直後にロックして発射するとかなり上向きに射出するので上空方向へ迂回させて障害物越しの攻撃やある程度の対空攻撃にも対応する。そしてサイトが広ければ単発命中を前提に比較的近距離の機動戦にも対応可能など、総合的に高性能かつ堅実な削り兼サポート用ミサイルいっていいだろう。連携の起点にするには着弾までの時間的余裕が少ないのでタイミングは難しいが高命中率を前提に連携追撃は可能で、撃墜硬直や特に連携用ミサイルと相性がいいのでこれを中継・足止めにして腕武装の追撃につなげるなども有効。S60/4と同じ総火力のわりに若干重いが実効火力は高く衝撃サポート武器としての性能に期待して必殺の間合いを持つ機体のお供に。

 同タイプのトリプルミサイル「WM−PS−2」は弾速の速い3発のミサイルを前方縦軸に大きく角度を分けて平面的に射出し目標にむかって収束する軌道をもつ。やや予測方向へ角度をつけるが武器腕と両肩武器を除いて唯一前方正面に射出するミサイルで、戦術や技術次第では近距離で連携や狙撃・迫撃することも可能。総火力は“74700”と高く3発が収束する距離はかなり遠距離になるので、上方射出分はオプションと考えて対応する距離によって大胆に使い分ける方が有効に活用しやすい。またその射出角度から対空ミサイルとしても優秀な性能を持ち、通常は後退で垂直方向へ軌道を偏向し前進で初速を早めて射出角度を前方側へ狭めることができるが、18Xであれば武器切換えを利用してさらに上向きに射出することもできる。全般的に垂直運動に対しての命中率が高いのでジャンプ上昇や落下中のターゲットへの攻撃性に優れ、着地前に射出しても上方分は接地消滅しにくいので攻撃しやすい。一方で若干左右へ予測射出する性質があり射出操作に競合したり散開が縦に平面的なため左右に回避されやすく、射出技術や戦術的な駆け引きが重要になるので武器が孤立してしまうと苦しくなるが、かなり重いので運動性能との両立をはかるよりは多彩な戦術バリエーションを追及できる重量級の方が性能を発揮しやすいだろう。そして弾速が速く射撃武器との連携には時間的余裕が少ないが、連携用ミサイルとは相性がよく中継用としても追撃用火力としても優秀でブレードの有効射程でも使用可能。連携の場合は中継・足止め重視のP4001とは命中しやすい運動条件が異なり、火力重視の性能だが射出操作もややシビアなので起点とする連携用ミサイルの軌道を狭撃させるなど工夫するといい。

 同タイプの両肩ミサイル「WX−S800−GF」は6発もの中型クラスのミサイルでV字形に挟撃するため、最適ポジションから射出すると非常に強力な瞬間火力と命中力を発揮する。そしてほぼ一定の射出角度をもつタイプなため接近戦でも実用可能で、機体挙動によるコントロール性は高く広範囲に狙って射出できるので機動戦においても必中の状況を演出しうる。連携についても中型の弾速ながらタイミングや着弾条件をコントロールして命中させやすいので高速な武器であれば追撃可能で、地面に叩き付けるようにコントロールするとより追撃しやすい。しかし総火力は“67200”と平均的で攻撃性能と発射可能な回数を考えると硬直を狙ってコントロールするよりも可能な限り多弾ヒットを狙う方が効果的で、上から叩き付けるように狙うと無駄弾が多くなりやすいので連携は状況に応じた戦術バリエーションの一つとして考えたい。またコントロール性が高いということは機体挙動の影響を受けやすいということなので、機動戦や連携戦術への活用には相応の操作技術が要求される。これも両肩武器なので射出方向がコアの挙動に左右され後退と前進では上下角が大きく変化しやすくパーツ自体もやや上向きに射出するので、高度差が小さい場合や対地目標は前進しながら発射を対空には後退しながら射出するといい。また中距離程度ではV字の内側に捕らえる感覚で誘導すると避けにくいが水平運動による軌道変化が大きいのでうまく旋回やコア挙動を組み合わせられないと機動戦では難しいのでアセンによっても若干扱いが異なる。総合的には有効距離や位置関係もかなり広範囲をカバーできるなど攻撃的ミサイルの筆頭ともいえる性能を有するが、ミサイルはもともと不確定要素の多いカテゴリで一掃射全弾命中は難しく火力的に不足しやすいので、単独でも強力な射撃武器と組み合わせたい。ついでにこれも視界を埋め尽くすミサイル群は一見の価値があるかも・・・軌道の影響であまり多重ヒット率は高くないが。

 分裂型のマルチミサイル「WM−X201」と同双発の両肩ミサイル「XCS−9900」は前方に親ミサイルを射出し、一定時間経過後にX字型に四発の子ミサイルが大きく分離射出される。子ミサイルは小型ミサイルに準ずる運動性能をもつが再射出の軌道は安定しており攻撃力も若干高く、親ミサイルは大型ミサイルに準じて射出が散開し攻撃力は子ミサイルと同一で爆風を生ずる。子ミサイルが四方向から大きく挟撃するので適した距離では回避が非常に難しく、単発威力で980なので多弾命中時の瞬間火力も高い。ただし分離直後は散開しすぎて停止目標にすら命中できず、散開後再び収束しきってしまった後は単に小型ミサイル×弾数と大差ない軌道になってしまうため回避されやすい。したがって散開した小ミサイルが四方から挟撃できるような距離を把握し相手の機動性によって的確に対応する必要がある。また単ロック型で射程距離も長いので、有効距離範囲がやや限定的ではあるが遠距離戦用FCSでも扱いやすい。連携にはリロードが若干長いので中距離程度では難しいが、高い命中率を前提にしやすく分裂により着弾までの時間的余裕も多少あるので遠距離で追撃できる高弾速武器の連携起点や、連携用ミサイルへの追撃には使える。
 シングルタイプのX201は全弾命中時の瞬間火力はグレネードキャノンに匹敵し総火力も“70560”と攻撃的ミサイルとして優秀な性能をもつ。ややステージ相性が強いが重量も相当で弾数が少ない点も戦術次第ではメリットにもなるだだろう。また射出が多少乱れるもののロックが早ければ武器切り替え直後に上向きに射出できるので対空戦や地面接触を防ぐのにも利用できる。両肩ミサイル9900は同時に8発で挟撃するので腕グレに匹敵する瞬間火力を持ちツボにはまると凶悪なほど、ただし総火力はX201と大差なく看板と割り切るには重すぎるのでしっかり使いこなしたいが、1A46J(ドラム缶腕)の装甲特化機の戦術アプローチ次第では十分選択肢になるだろう。非常に重く運動性能を犠牲にせざるを得ないので、もし撃ち切り後の手動補正射撃を考える場合は弾速の速い武器が欲しい。また両肩武器はいずれも旋回制御機能(予測追跡とは別の肩武器の正面をロック範囲中心方向へ制御する機能)をもたずアセンとその瞬間の機体挙動によるコアの向きがダイレクトに射出方向に作用するので単純にX201の両肩バージョンという位置づけとは異なり、それを活用できるかどうかも有効性を左右するので自機の射出パターンを把握しておきたい。ついでにガンバって下積み(?)すると五万近い最大瞬間火力が・・・ブレホの有効範囲ではろくに当たらないけど。

 連携適性の高いミサイルとしてまず垂直射出型の「WM−SMSS24」は上方に大型ミサイルに準ずる誘導性のない弾頭を射出し、一定時間経過後に誘導性のある同型ミサイルが再射出される。そして機体挙動による射出コントロールは垂直に射出される非誘導ミサイルのみに作用し、そのミサイルから改めて前方へ射出される誘導弾頭はそれ以前の運動を引き継がない。また垂直に打ち上げられる弾頭は加速度をもたず射出時の速度ベクトルを維持するため、機体挙動による操作性が高く追跡起点や着弾タイミングをアクティブにコントロールできる。つまり射出時の機体挙動は間接軌道の起点を操作する意味合いになるため多角的な攻撃を操作可能で、同時に無理な体勢から射出しても追跡軌道がそれに引きずられて四散してしまうようなデメリットは発生しない。しかし一方で軌道をコントロールして狙撃するような射出はできないので単独命中率はターゲット側の運動や技量に左右されやすい面もある。大型ミサイルに準じるためミサイル自体の軌道修正能力はやや低いので空中目標への命中は難しく、地上目標には直撃や爆風による足止めから射撃武器による追撃が効果的なものの爆風衝撃は“5〜6”なのでアセンによって戦術性を制限されやすく、天井の低いステージでは使えないという決定的な弱点もある。したがってミサイルの追跡起点をコントロールしつつ次の攻撃と多角的な連携戦術の展開には非常に優れた特性を持ちほぼあらゆる武器との連携が可能だが単独ではまず性能を発揮できないと考えていい。
 連携パターンの基礎として例えば垂直ミサイル自体の攻撃力を重視する場合には射出後に衝撃武器で足止めして直撃させる方法がある。足止めには命中率に優れる実弾系射撃武器か中距離以上であればサポート性能の高いミサイルなどが使いやすいが、いずれも先行するミサイルのコントロールとポジショニングや狙撃技術に大きく左右されるので。また射出方向を散開させると命中時の衝撃加速で別方向から飛来する続弾が命中しにくくなる場合があるので垂直ミサイル自体の多弾命中率を優先する場合は同一方向へ射出してサポート武器で足止めしたほうがいい場合もある。このため組み合わせる武器次第ではロック数は“2”程度でもいいが、第三の武装や機体性能もそれをサポートできるかどうかもその汎用性や成功率に影響する。垂直ミサイルの足止め効果を重視する場合には必ず多弾発射が必要になり、中継や追撃武器の特性あるいは相手の運動によって効果的にコントロールした方がいい。例えばサテライトなど広角運動に相性が悪い武器や撃墜硬直を狙う場合などは扇撃ちで左右へ広げる方法が有効だが、中継ミサイルや武器腕など広角運動に有利な武器種の場合は片側に偏らせるか前後に散開させて回避運動方向を限定したり、肩キャノンの展開時間を稼ぐ場合は後退発射し同時に射線方向のダッシュ回避を防ぐなどもあり、特定の射出方法に固執すると対応されやすくなる。そして空中ではサポートが無いと命中は難しいが、地上でも爆風衝撃を無効化される事を想定して回避運動も攻撃できる手段があると戦術バリエーションが増える。なお撃墜硬直を除いて地上で足を止めても爆風で状況を把握しにくく連続着弾では不規則に加減速を繰り返すため追撃はやや命中しにくい問題があり、これを低減するには予測の散りにくい近距離や弾速の速い武器やその間を埋められる連射力、あるいはこれに左右されにくい命中範囲の広い武器や角度射撃系やロケットやミサイルなどの武器特性を利用してカバーできると効率が高まる。そして連携戦術はツボにハマれば相当に強力である一方、相性の問題が露呈しやすいので二の手、三の手まで考えておかないとある相手にはめっぽう強いがある相手には手も足もでないことになりかねない。だがパーツ性能や操作技術が相乗的に戦力に寄与するので実用性は高く、アイデア次第であっと驚くような戦術やパーツが活躍できるのも楽しい。

 連携用ミサイルとして低弾速&高寿命の追跡性能特化タイプがあり、最大4ロックの「WM−MVG812」はACと同程度の弾速による高い追跡性能と突出して長い寿命により中〜近距離に至る全方位に対応できるほぼ唯一のミサイルで、直上あるいは直下への対空・対地性能にも優れる。これはコアパーツによる撃墜か障害物等によって消滅しないかぎり長時間にわたってターゲットを回避運動に制約し、かつ着弾衝撃によって比較的予想しやすい加速ベクトルを伴う硬直を発生させるなど高い連携適性を持つ。垂直打ち上げ型とは異り追撃の時間的余裕がかなり大きいので回避行動を狙撃できる武器種と相性がよく、ミサイル自体の衝撃による水平加速方向も特定しやすい(主にターゲットの回避方向へそのまま硬直・衝撃加速する)ので連携戦術に含める武器特性に適したポジショニングもしやすい。また著しく遅い弾速のため射出挙動のコントロールは戦術的な価値をもたないが、軌道が射出挙動に影響されないので無駄撃ちはしにくい。主な欠点としてはリロードが長くターゲットがまったく回避運動を取らない場合などでは連携可能な戦術が限定的になる点と、目標正面から射出するとコアの迎撃システムによって撃墜されやすいので近距離や迎撃角度外から射出する必要がある点だ。特に距離が離れすぎるとコアの迎撃範囲外から射出することは難しくなるので別途ポジショニングサポート兼用にできる武器を用意するかトップアタックからアプローチするなどの方法も必要になる。ただし重コアとD0コアは実質的にミサイル迎撃はほとんど作動しえない(バグ?迎撃起点が大きくずれている)ようなので同コアの機体に対しては迎撃を警戒する必要はなく有効性はより高い。重量が気になるが重量級用や連携特化武装専用としては許容できる範囲で、ダメージや衝撃を無視できるほど小さいわけではないので総火力にやや乏しい点も連携戦術にはあまり影響なく、相性などで戦術を無効化されにくく汎用性も高い。ただし単独ではまったくといっていいほど役に立たないため組み合わせる武装や機体アプローチが重要になるだろう。接近戦を想定する場合にはFCSのロック性能は高いほうがいいが、多弾発射してもすぐに軌道が収束してしまうので連携の起点として考えた場合にはロック数は2でもいい。単発では迎撃されやすく効果を発揮しづらいので必ず複数発を追跡させるようにしたいが、弾数はそれほど多くないので無駄に多く追跡させることは避けたい。そしてこのタイプは垂直ミサイルとは連携アプローチが異なり回避運動に制約させ、それを追撃用の武器特性に有利に利用することが基本になる。ただし射出コントロールができないので追撃武器に有利な回避運動に追い込むにはサポート武器を用意するか残りの各武装特性で連携できる条件が多彩なほどいいが、寿命までおよそ11秒あり弾速の遅い武器でも連携しやすいので射撃武器はもちろんミサイルとの相性もよく、着弾時に爆風を発生させないので接近戦やブレード連携など戦術そのものをはさみ込むことも可能になる。例えば回避運動を攻撃する場合には弾速に優れる武器で狭角状態や切り返し運動や地形利用の瞬間を狙うか、特定方向へ高い命中率を発揮する武器腕あるいは手動補正可能な武器や、軌道コントロールや射出特性などで狭撃や対空攻撃しやすいミサイルなど、瞬間火力を重視した武器や3段階以上の連携手段があればより強力な戦術になるだろう。

 同追跡性能特化タイプの単ロック型ミサイル「WM−AT」は破壊的な攻撃力を持つが、単発なのでコアの迎撃に著しく弱く寿命もMVG812ほど長くないうえに非常に重いのでアセンや運動性能を大きく制約するなど難しいが、それよりもこの重量で全弾命中させても実弾火力が四万強と単独ではまったく役にたたないのは連携用ミサイルの共通した性質ともいえる。したがって僅かな連携機会で効果的なダメージを計上しうる瞬間火力に優れた武器かATの確実な命中をサポートできる武器との連携は必須で、それなくしてはあまりもの重量に見合った戦力はまず期待できない。しかし中距離以上ではコアの迎撃で無効化されやすく、リロードも長いので近距離ではやや連携しにくい。軽・中量級相手であれば単発でも二千前後のAPを削り取るのでハンドガンなどで足止めして必中させるのも手だが、重量級戦に対応しにくくなるので軽・重量機体双方に戦術的価値の高い衝撃武器が適しており、命中率の高いミサイルで足止めするか垂直ミサイルを起点にするなどの方法もある。また強大なプレッシャーを利用して回避運動の隙を狙撃して高いダメージを出せるE系武器なども候補になりグレネードの爆風に巻き込むのも可能だが、相手が重コアかD0コアならば迎撃の心配はないので中距離でも使いやすく、弾数わずか四発なので最終弾から腕武装の手動補正射撃との連携も可能。また無効化不可能な爆風衝撃が広大な範囲に及ぶのでブレードで追撃はほぼ不可能だが、ブレードを先行させて着地解除からゼロ核二連射を狙えたり、相手が固め武器の場合は被弾タイミングに地上ブレードを合わせることで最大4連射までも可能だったり。なお爆風によって直撃時の攻撃力は10%程度の増加分が発生する。なおMVG812とATの弾速は実速度100、通常はACより速いが弾速は予測座標と現在座標の差分ベクトルを3つの絶対軸に分配するのに対して、ACの運動は垂直速度(z軸)と水平速度(x・y軸)が独立しているため水平と垂直運動を組み合わせる機体の方が高速に移動できる。

 最後に「WM−TO100」は対軽中量級戦用の衝撃系連射ミサイルというやや異質な特性をもち、運動性能は前方に射出する小型ミサイルと同様で攻撃用としては火力が低すぎてほとんど役にたたない。一方で豊富な弾数とロック数そして優れたリロードタイム“5”によるサポート専用の武器として特化戦術の起点になりうる。有効性は無効化衝撃“5”以上で無力化してしまうがそれが可能な脚部・コンセプトはさほど多くなく対軽・中量級特化戦術用の武器として選択する価値がある。まず最速のFCSと組み合わせれば単発でも十数f程度の間隔(ミサイルの場合リロード後にロックに要する時間がかかる)で速射できるため弾切れを気にする事無く軽中量級の運動を阻害するポジショニングサポート性能に優れ、多ロックすれば旋回や切り返しなどで軌道を調整し命中率を高めることができる。そして短いリロードタイムにより射撃武器との連携適性もある。ミサイルは射出2f後に推進を開始しそこから数フレームは加速段階にあるため、その間にリロードが完了することで後発の射撃武器を容易に追いつかせることができる。例えば射出後最短の6fで射撃できるとした場合、その時点での飛距離はおよそ“1500〜2100”、最大速度とE系ライフルとの速度差は“550”なのでその距離を約4fで吸収できる。したがってその4f分のミサイルの飛距離を加味して〜3500、実用的に射撃が〜9fとしても〜5000程度の距離で追撃が先行するミサイルに達しうる。そして近距離ほど硬直への追撃精度が、遠距離になるほど追撃に時間的余裕が高まる。また最大6発を発射間隔3fで掃射するので先行ミサイルが命中する距離によってはリロード解除の時点でも続弾が命中・追尾中の状態にありその着弾硬直も狙うことができる。衝撃が低いとはいえカラスを除く機動力重視コンセプトに広く有効で、最大6ロックかつ無尽蔵とも思える弾数の小型ミサイルの着弾硬直に追撃可能と考えれば十分な戦術的価値といえるだろう。また運動中のターゲットに着弾するとほぼ確実に着弾前の運動を増幅する方向に衝撃加速度が発生するので、前後方向に運動する引き・追い状態の方が相性がよく、弾速が高いので降下目標への連続着弾で着地硬直も狙える。総火力は“27600”でS40系とそれほどの差は無いが単発威力は1/3以下で弾切れの心配は無い。まあ欲を言えばもう少し軽量で、衝撃が“6”であったならよりオモシロイ存在になったと思うのだが・・・・、いずれにしても単独ではまったく性能を発揮することはできない。


<<ブレード(格闘戦兵器)>>

 ブレード特性については斬撃特性ディープ編を参照してほしい。ブレード戦術の特徴は無限に行使できる点と他の武器のリロードタイムに縛られない点で、空中で攻撃力が3倍になるなどリスクを冒しても狙う価値が十分にある。また、脚部カテゴリによってブレードの判定マップが異るため有効なタイミングや間合いが異る。

 「LS−2001」「LS−200G」はブレホ・地上ブレード避けなどサポート専用か保険的役割で軽量で搭載しやすいのが利点だが、威力と戦術リスクのバランスは悪いので攻撃用としては適さず消費Eがやや大きいのが難点。いずれも非力なので運動性能に差が出るなら軽量な「LS−2001」を、運動性能の境界にかからなければより低消費の「LS−200G」を目安にしてもいいが、TLジェネなど発動がレッドゾーン域に被りやすいなら後者の方が使いやすいので重量が許すなら優先していい。また衝撃加速が小さく多重ヒットがややしやすいが、被弾硬直も小さくなるので直後に反撃されるリスクが高くチャンスがあっても狙わないほうが無難。ブレードはブレホによる空中移動や追跡補助、E回復手段、ロケット等の補助、回避手段、緊急停止、その他もろもろの使い道が戦術にかなり影響を与えるので意図的に軽装を狙うのでなければ装備しておいたほうがいいだろう。

 「LS−3303」は重量増に加え消費Eの増加がかなり苦しく戦術補助用としては適していないので通常ブレードをダメージソースとして考える場合の選択肢に。攻撃力はMOONLIGHTが突出して高いため相対的に低く感じてしまうが、空中での単ヒット威力は“3630”とEグレ以上なのでコンスタントに2ヒットあるいはローリスクで固め斬りが狙えるのであれば選ぶ価値は十分にある。ただしブレード中最もE消費が激しくTLジェネを搭載する重量級などは注意。まあ現実的には比較対象が圧倒的に高性能なためアセン的に一択とならざるを得ない場合を除いて他のブレードを選んだほうがいいと思われるが、ルール設定次第では悩むくらいの性能は有している。

「LS−99−MOONLIGHT」はブレードをダメージ源としうる機体にとっては不動の存在だろう。空中斬りでは1〜2ヒットが実用的な範囲となるが、それでも瞬間的にKARASAWA十発分に匹敵するダメージを発生させる驚異的な性能を誇る。ブレードの中では最大の重量も武器全体でみれば軽い部類で、E消費にいたってはMG500/E単発程度と小さいので重量が許すならば戦術サポート専用としても筆頭候補でありプレッシャーによる抑止力も十分。地上ブレードも空中ほど強力ではないが脚部によっては実用できる。デメリットは特に無いがこれのおかげで斬撃に全てをかけるような戦術でも十分な戦力を約束し、アセンの幅を広げる役割や圧倒的に優位な状態でも一瞬たりとも気を抜けないという緊張感をもたらしてくれるなど、ACに無くてはならない存在ともいえる。ただしダメージソースとして主力に据える場合は必然的に斬撃の間合いに踏み込むためのサポート武器を要する。ブレホの踏み込み速度は限界速度を上限としており加速度を無視し絶対軸45度方向へルート2倍の速度を発生しうるとはいえ機体ブーストの巡航速度とほとんど差のない速度域のため、斬撃には最低でも発動の瞬間に有効距離となる数百〜千程度の距離に捉えてかつ目標を限界速度よりも十分に小さい速度域に制約させた状態というややシビアな必要条件がある。つまり斬撃達成には衝撃や着地による硬直あるいは接近戦による交錯の瞬間もしくは地形を効果的に活用して狙う必要があるが、戦術距離確保の緩慢なCPUはともかく対人戦では斬撃抑制を念頭に運動する目標をサポート無しに捉えるのは限界速度の高い四脚でもかなり難しいのが現実だ。したがってカウンター・反撃抑止力用武器としては非常に優秀だがサポート武器無しでは至近距離戦やブレード主体の相手に限定される戦術にならざるをえないことに注意したい。

「LS−1000W」は前方へ射出する特殊ブレードで、水平発射限定でブレードホーミングやブレードモーションに縛られるデメリットを除けば強烈なE系射撃を弾数無制限に行使できるという実用的な武器で、戦術アプローチ次第では射撃戦においても超強力な瞬間火力と無制限の継戦能力を両立しうる。戦術的には回避方向の制約が大きい地上付近で有効性が高いので四脚・タンクあるいは地上限界速度級の二脚系などと相性がよく、その空中攻撃力は単発でも01QLの15f瞬間火力に匹敵する。また広大な爆風は外縁でも衝撃“3”を伴い、威力も空中発動で“約480〜680”なので地形戦では爆風戦術も可能で牽制や地形越しの削りにも対応する。線判定なので接触距離となると通常ブレードより命中率に劣るが運動性能が高ければ空中戦でも実用できる。
 また全ブレードに共通した事だが武器のリロードタイムの制約を受けない特徴があり四脚・タンクでは肩キャノンの展開収納動作すら無視する。そして近〜中距離でも攻撃できる光波ブレードは通常ブレードでは難しい多くの衝撃系武器との連携も可能なのでアイデア次第で色々な戦術に組み込むことができる。このため通常ブレードの間合いまで踏み込めない衝撃に弱い機体や運動性能の低い重量級機体などではアセンアプローチ次第でMOONLIGHTを凌ぐ選択肢ともなりうる。地上ブレードは空中程強力ではないが落下目標に向けて発動しても地面方向へ散らないので着地に合わせやすく瞬間火力の低い装備でまとめているような場合や装弾数が少ない場合などでは狙ってもいい。ただし軽量二脚は地上光波を同高度の四脚・タンクに直撃させることが出来ない。


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