EXC_PSAC裏話編
PSACには「軸」という概念があるらしい。そもそもCPUの射撃があれほど正確にもかかわらず、こちらの射撃がなかなか命中しないのはなぜなのだろうか。軽い気持ちでこの不満を解消すべくネットの世界を放浪していたところ、「初代アーマードコア用語集」に出会い興味深い内容に惹き付けられてしまった結果、一連のレポートにある解析作業に手を染めることになった。結論から申し上げれば残念なことに命中率を左右するパラメータの発見をみることはできなかった。しかしその課程で色々面白いモノを発見できたのでそれらを「詳細かつ正確な情報を元に出来るだけ多くのパーツを選択肢に」というコンセプトのもとに一連のレポートにまとめて紹介させていだだくことにあいなったというわけなのだ。
そしてここでは番外編として、解析においても詳しい仕様を見つけることが出来なかったモノを含めそれらが導きだしてしまった裏話的な部分をまとめたものを個人的な意見を交えつつ紹介したい。このため本レポートはかなり今さらな内容もアクセル全開でハッキリいって情報としてはたいしたことを得られないのでACを楽しむために情報を欲している方は無理に読まないほうが無難なのでアシカラズ。
※本項は各解析レポートの番外編なので細かい仕様の解説は本編を参照して下さい。また誤解の再生産が無きよう、できれば解析レポート本編をナナメに目を通してからお読みください。
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PSACには「軸」なる概念があるという。「軸」とは何か、自分ではどうしてもこの概念を理解できなかったためネット上の情報を探してみたところ各説さまざまな議論を呼び起こしているようで、発売から10年以上たった現在でもなお関連したサイトや掲示板などで「軸」の話題を見つけることがある。そこでまず掲示板や各種サイトなどから軸に関する記述にみられる重要と思われる部分を以下に抜き出してみた。
・PSAC(初代系アーマードコア)にのみ?「軸」という概念がある。
・CPUの挙動や射撃などから発見されたものが起源になっている。
・そのような射撃技術を軸撃ち、回避技術を軸避けと呼んでいる。
・あるいはCPUが「軸撃ち」や「軸避け」をする際に起こる動作を「挙動不審」と呼んでいる。
・「軸」とは機体のサイト中心から正面にのびる直線と定義している。
・「軸撃ち」とはこの軸に目標を合せて射撃する技術をさす(いわくサイトの中心に目標を据えて射撃の要領)。
・あるいは「軸撃ち」とは相手の移動前方にサイト中心を向けて射撃する技術をさす(いわくロックしたままロケ撃ちの要領)。
・あるいは「軸撃ち」とは射撃の瞬間に相手の移動方向へ合わせるように自機を動かして射撃する技術をさす。
・予測射撃はややサイト中心に寄っていることから以上のような操作で命中率の向上をはかれる。
・あるいは予測射撃は射撃時の機体挙動で若干補正がかけられるため以上のような操作で命中率の向上をはかれる。
・あるいは以上のような操作で予測射撃の補正力が上昇することで命中率の向上をはかれる。
・「軸避け」とはこの軸をあわせながら横方向へ移動することで回避する技術をさす。
・あるいは相手の「軸撃ち」の「軸」をずらすように移動することで命中率(あるいは補正)を意図的に下げる技術をさす。
・あるいは相手の「軸撃ち」の「軸」をずらすように旋回することで命中率(あるいは補正)を意図的に下げる技術をさす。
・あるいは相手の射線の死角に入るよう移動することで命中率を意図的に下げる技術をさす。
・「軸」とは概念的なもので説明するのは難しい。
・習得が非常に難しい。
・単に射線と移動軸の交差角を狭めて射撃する方法を「軸撃ち」と呼んでいる。
・単に射線と移動軸の交差角を直角に近づけて回避する方法を「軸避け」と呼んでいる。
・他にこの概念は、軸当て、軸合わせ、軸ずらし、軸回避、軸移動などと呼ばれている。
・「軸避け」は出来るという人は少なくない、難易度が比較的低い?。
・「軸撃ち」は出来るという人はあまり見掛けない、難易度が高い?。
要はよくわかっていないというのが実際のトコロのようだ。しかし射線と移動軸の交差角を狭めるあるいは広げる操作(以下狭角射撃と広角回避と表現)がいわゆる「軸理論」だとするならば、三次元戦闘の基本ともいうべき概念がPSACのみに存在するのも矛盾に思える。では「CPUの動きから発見された」というヒントをもとに解析の課程で判明したPSACの仕様に触れながら分析してみたい。
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以下かなり長大な駄文が続くため結論から先に申し上げると、少なくともACの仕様では一部の例外を除いてメインとなる腕武装では“軸”説にみられる機体操作によって弾道や着弾点を補正して命中率が向上することは原則的にありえないという結論に至った。おそらく軸理論とはPSACの射撃システムによる予測射撃が1〜2f分移動後方へそれる特性と、複数の射撃システムや複雑な仕様がからむ命中・回避効率とCPU独特の行動パターンによる状況再現などにより、実際に操作次第で容易に回避・命中率が向上する現象によって説得力をもって一般化したと考えられる。ただし腕武装とは射撃システムの異なる肩キャノンやMAで追加された特殊な右腕武器で着弾点や弾道を調整しうる仕様もまた存在する。
お断りしておきたいがこれは既存の概念や先人の戦術を否定する意図のものではなく、筆者が軸撃ち・軸避けなる操作技術をマスターしたいと思いたち解析・調査した結果と理解してほしい。重ねて申し上げるがかくなる結論に至ったとはいえ、先人の積み上げてきた経験則を否定するものではないことを御了承願いたい。
※後追記:筆者は全盛期の頃に発達したという正確な軸概念を知りません。この記事はレポート作成時(2009)に現存したサイトや掲示板等からの断片的な情報を出発点にしていますのでそれを考慮してお読み下さい。
※改訂追記:なお当レポート掲載後の調査で特殊な条件と操作を満たすことでほぼ全ての予測射撃武器で射撃方向を手動で補正する方法があることが判明しましたのでトピック末に追記として補足させていただきます。
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さてMAにはランカーメイキングという非常に有難い機能が実装されている。軸理論がCPU挙動から発見されたらしいことからこれを使ってCPUロジックのテストをしてみよう。つまり「軸撃ち」という概念が攻撃、「軸避け」という概念が回避に相当すると考えられるため、これらに該当するロジックパラメータを設定していろいろと試してみる。CPU挙動の観察には瞬間加速や通常(無慣性)歩行をもたない四脚が適している。
・まず全てのパラメータを“0”にして挙動を観察してみる。
明確な攻撃ロジックも回避ロジックも持たない場合のCPUの動き、これが基本となる。この場合CPU機はあいまいに目標をおさめるように横移動や前後移動などを行い、こちらの射撃に対しては反応を示さない。
・次に、「SHOOT FREQ」のみに値を与えてみる。
すると弾をばらまくだけで基本的な動作に違いは感じられない。したがってこのパラメータは「軸」とは関係なく単に射撃の条件と判断できる。余談だがこのロジックは「頻度」ではなくおそらく目標とロック範囲中心がどれだけの角度離れた状態まで射撃するかという判断分岐だと思われる。チャンピオンアリーナの人形はこれに相当するロジックが“0”に設定されていると思われるが、稀に目標への角度がちょうど“0”になった場合に射撃してしまうものと推測される(※ただし未確認、武器カテゴリによって異なる可能性もあり)。
・次に、「LOCK FREQ」のみに値を与えてみる。
するとCPUは目標を常にロック範囲の中心に捉えるように動く。そして横移動を基本として敵機のロック範囲中心(機体正面)から離れる方向へ移動し、最終的に敵機の約180度背後付近で停滞する。またこの状態からさらに「SHOOT FREQ」を設定しても射撃以外の変化は見られず、この状態で攻撃を加えても動きに変化は無く回避ロジックは働いていないと判断できる。これらによって結果としてサテライトに近い動きとなりCPU機が自機のロック範囲中心を左右にまたぐと切り返し運動を行うが、この挙動が「LOCK FREQ」のみに依存することからも側面や背面からの射撃がより効果的という観点からのプログラムであろうと推測される。つまり敵側面に回り込むという状況次第では狭角化に近い動きになるが、側面では満足せずに背面まで回ることを考えれば狭角射撃を狙っているわけではないようだ。実際に側背面に回り込む動き以外に相手の移動方向の延長線上へ接近したり、瞬間的な加速による狭角射撃の動作を行っている様子はない。また射撃の瞬間に目標未来方向への旋回を伴うような動きは見られない。
例えば衝撃の無い右手武器を持たせた同一の四脚CPU相手に海底ドームなどで開幕から左へ平行移動すると壁面に衝突するまで双方ともに完全に平行移動を行うが、これは敵機をロック範囲中心に固定していること意味しており仮にCPU側が1P機の未来位置にロック範囲中心を動かすと平行移動にならずに離脱方向へ旋回してしまうか波打つような挙動になるはずだがそのような運動はおこさない。例外として非ロック射撃武器に限ってロック範囲中心(機体正面)に捕捉する目標が敵機体ではなく敵機体の予測位置に変化し、予測射撃武器の選択時とは明らかに異る位置をロック範囲中心(機体正面)に捉えようしていることが見て取れるため、逆に予測射撃武器では予測位置にロック範囲中心を合わせる動作をしないことが確認できる。つまりCPUは常にロック範囲中心に目標の捕捉を試みる。
もう一つ重要な点として一見して広角化しながら平行移動を行っているように見えるが、これは機体正面に目標を捉えながら敵ロック範囲中心(機体正面)から離れるというロックロジックによる結果的なもので、この動きは回避ロジックとは関係ない運動だと結論できる。
・次に、「AVOID FREQ」のみに値を与えてみる。
すると自機が何もしない場合には基本的な動作に戻る。自機が射撃した場合はその弾をサイティングするように旋回しながら加速による回避を試みる。余談だがこの回避動作はこちらの状態と完全にリンクしており射撃と同時に回避動作を開始する。またミサイルは各フレームごとに軌道修正を繰り返すため、ミサイルの追跡を受けている限りCPUは回避運動を行う。つまりCPUの回避ロジックは飛来する弾を機体正面に捉えるように動くことを基本としつつ、こちらの射撃と同時にブースター加速による回避動作を開始するが「AVOID FREQ」はそれ以外の動作に影響を及ぼしていないと思われる。
たとえば地上四脚に弾速の遅い焼夷弾で狭角射撃をあるいはストーカーミサイルで攻撃したものをCPU視点で観察すると、CPUは弾の射線ではなく現在位置に対して広角化しながら移動や加速による回避を行い左右へフラフラと旋回を繰り返す。そして「AVOID FREQ」のみに値を与えて戦ってみれば圧倒的に狭角射撃がしやすいことに気付くだろう。つまり結果的にサテライト運動になる原因は回避ロジックではなくロックロジックによるものということだ。筆者は軸避けという挙動がよくわかっていないため断定はできないが、いわゆる軸をずらすような運動は見受けられないように思うがこの左右へフラフラと旋回することを意味しているのだろうか。ただこの挙動は自機にむけて高速で接近する目標をサイティングしようとするため旋回が左右へオーバーフローしたり、複数の弾や敵機に移り気に同運動を行うためやや不自然な挙動に見えるが単に旋回によって移動目標を捉えようとする動きにほかならない。
では軸撃ちや軸避けとは一体なにか。筆者は実際の機体挙動を示されたことが無いためはっきりと断言することはできないが、さまざまな説の共通点から察するにちょっとした誤解からその操作技術が生まれた、あるいはウワサが誤解として広まったと推測している。
○軸避けとは?
まずロックロジックの実験のとおりCPUは結果的に広角化に縛られた動きをしながら平行移動を行うため、回避を目的とした運動ではないにせよ常に広角回避に近い運動を行っている。つまりCPUの運動を観察すると一方向に移動しながら広角運動を行い実際にその挙動が回避に結びついている状況を見て取ることができる。(余談だがこの運動はサブアリーナなど下位ではあまり見られないが、上位やEXアリーナなどの強豪ではよく見られる。PP→MAで補正が変化したという説はCPUロジックに起因するのかもしれない)。ではなぜCPUはこれほど単純な運動で射撃を回避できるのか、それは通常予測武器(いわゆる軸武器と呼ばれるもの)の後方へそれる仕様による。
具体的には通常予測武器は射撃時に1fの移動遅延があるが、自機側は加えて予測と射撃に1fのギャップがありCPU側はこの予測ギャップがない。つまり自機側の射撃は目標機体が2f以内に被弾範囲から離脱できる速度で移動していると命中できなくなり、CPU側の射撃は同様に1fで離脱すると命中できなくなる性質がある。このように自機とCPU機の射撃の命中境界速度には約2倍の差が存在する。ただしあくまで単一運動の目標に対する命中可能な速度差が約2倍に相当するというもので、命中精度や予測精度が約2倍という意味ではないので誤解の無きよう、使い方によっては自機側の特性の方が有利になる場合もある。CPU戦でどちらも単一方向へ移動しているだけという条件で自機とCPUの命中率に大きな隔たりがあるのはこの性質によるもので、CPUが弾に対しても広角運動を行うのは見て取れるもののCPUが特殊な運動(軸避け?)によって命中率を下げている事実は確認できない。
ただし自機の機体正面のびる直線を基準(軸)にする考え方自体は重要で、これは自機の平行移動に対し直角になるため広角化したい対象をロック範囲中心に合せて左右へ平行移動することで効率良く広角運動を行うことができる。なおロック範囲中心とは機体中心を基準とした「機体正面」を意味しており、通常視点ではサイトギャップにより表示されるロックサイト中心が機体正面にはならない。(※射撃システムと回避に関わる仕様について詳しくは射撃特性ディープ編を参照してください。)
ではCPUの動きから発見されたという一般に軸避けと呼ばれる操作の起源を推測してみると、それに近い動きと思われる有効な回避技術が存在する。まずCPUの結果的なサテライト運動と同じような操作を自機で実践した場合には先に述べたとおりCPU側射撃の命中境界が高く2脚系の限界速度ギリギリなため、ターゲットをロック範囲中心に合わせる単純な動作では回避が難しい。しかし空中限界速度の高い四脚では単純な広角運動でも命中境界を超えて容易に回避が可能になり、二脚系でも限界速度に若干の余裕とより厳密な広角運動と簡単な予測偏向を組み合わせることでCPU側の通常予測射撃を切り返すことなく回避あるいは被弾率を低減することができる。具体的には射撃特性ディープ編で解説したが、運動性能の必要条件を満たした上で射撃点に対して広角化しながら被弾範囲から脱出するための最短距離を疾走し、可能であれば射撃にタイミングを合わせた操作で予測を僅かでも後方へ散らすことができれば目に見えて被弾率を低減することができる。
つまりなぜかCPUは移動のみで回避しているにも関わらず自機(特に二脚系)では同じ動作だけでは回避しにくいという仕様上の差があり、一方効果的な広角運動や予測偏向ができればまるでCPUのように比較的容易に回避できるようになるという絶妙(微妙?奇妙?珍妙?)な設定になっているのだ。この仕様が軸避けと呼ばれる操作技術の正体ではなかろうか。ただこれは基本的な広角運動操作で、かつこのような運動を維持すれば機体の向きは関係無いので機体正面にのびる軸という概念は操作の目安以外の役割を持たない。そしてロックサイトがターゲット側にシフトする仕様やサイトギャップがあるため、距離や運動状況次第ではサイトよりもガイドやレーダーを目安にしたほうがやりやすい場合もある。またミサイルは各フレームで追跡運動をするため射撃点ではなく弾頭の現在位置に対して広角運動をしたほうが効率がよく、双方の位置関係に応じて切り返し動作を要求される場合がある。余談だが一部の武器で可能な手動補正射撃に対してはこのような広角運動はむしろ被弾リスクが高く、切り返し運動などへのピンポイント狙撃には予測ギャップのある自機側の武器の方が適正が高いなどの性質がありこの仕様を自機(1P)側の一方的な不利と論じるのは正しくない。
さてCPUの回避動作について、その切り返し運動はロック範囲中心(敵機体正面)をまたぐ以外の条件が判然としないがランダムを除いて射撃操作時のみ反応している可能性もありその後は広角運動に固執する。たとえば回避ロジックのみを与えたCPU機に対して弾速の遅い武器で狭角射撃をすると、弾に対して広角運動をしながら射線に接近しわざわざ自分から当りに行くような動作をすることがある。つまりCPUはロックロジックによる結果的な広角運動と自機の射撃に連動した加速運動を回避の基本としている。いずれの動作も広角運動になるものの実効的な回避運動としてはロックロジックによるものが有効というやや不思議な仕様になっている。以上のことからCPUも結果的な広角運動は行うが特殊な「軸避け」は行わないと考えていいだろう。
なおもし軸避けという概念がシステム上の射撃の死角に入るような回避技術を意味するならばACの射撃システムからみれば意味をなさない。なぜならメインとなる腕武装は原則として座標から座標へ射撃するため2次ロックしているかぎり着弾点はサイト位置や軸、内部角度の死角といったものの影響を受けない。もう一つ「軸避け」と誤認されうる動作に軽量二脚の通常歩行があり、これは広角化しながら一方向へ歩くだけという単純な操作で被弾率が低減するが、単に軽量二脚(逆関節でも条件次第で可)が大きく加減速を繰り返して歩行する性質により予測が前後に散る現象による(※運動特性マニアック編で解説)。
恐らく「軸避け」とは、CPUのロックロジックによって目標を常にロック範囲中心に捕捉しようとする動きが結果として三次元戦闘の基本である広角回避に近い動きとなり、PSACの特徴である「微妙に後方へそれる通常予測武器の特性」や「命中境界を超える四脚の限界速度」などの複雑かつ単純な仕様があいまって特殊な回避技術と誤解されてしまった結果ではなかろうか。加えてCPU補正という仕様による自機側との間にある予測精度の落差が「軸避け」という回避技術に信憑性をもたらしたと考えても矛盾はないだろう。つまり「軸避け」というPSACのみでかつ習得が困難なる特殊な回避技術は存在しない(というより仕様と原理を知っていれば誰でもできる、あるいは無意識にでも実践している操作)と結論できる。
○軸撃ちとは?
問題は軸撃ちだろう。なぜなら軸避けは原理はともかく類似した挙動操作による回避が実際に可能であったのだが、射撃方法としてはCPUの動きからも射撃システムからもそういった仕様を見出すことはできないからだ。もし先の軸避けの考察が正しければ軸とは単なる広角化の基準にしかならず、その軸を基準とした射撃技術は狭角射撃以外には考えられない。ところが軸撃ち説の共通点から判断すると軸撃ちを狭角射撃と説明するには矛盾点が多く、仕様上は原則としてそういった射撃操作で命中率の向上を実現することはできない問題があるからだ。ただしこれには根本的に原理の異なる射撃システムを採用する武器カテゴリを切り分けて考える必要がある。(※掲示板の過去ログなどを見ると全ての射撃武器を同列に扱っていたため議論が錯綜していたように見える)。
まずメインとなる腕武装の射撃システムで重要なのは2次ロックしているかぎり着弾座標を操作することはできない仕様になっている点で、詳しくは2次ロック射撃は銃口の向きやサイトの位置で弾道や着弾点に変化は生じない点、弾は慣性の影響を受けない点、そして原則として座標から座標へ射撃する点だ。つまり2次ロック射撃では機体挙動やロックサイトの操作などで着弾点を補正することはできない。簡単に再現できる例としては分割対戦で片側を停止した状態でいろいろな挙動や操作から射撃すると2次ロックをしている限り必ず命中する。ごく稀に壁抜けのように機体判定をすり抜けてその位置から射撃するかぎり一切命中しない場合はあるがこれはバグで意図的に再現は難しい。また選択武器を切り替えた直後に銃口が直下を向いていても2次ロックさえしていれば弾が目標へ向かって飛んでいくことも確認できる。一方で角度基準の射撃システムを持つ肩キャノンで同様のテストを行うと弾道や着弾点は機体挙動によって変化し、かつ命中しえない死角が存在し、銃口の角度以外の方向に射撃することができない。なお角度基準系の射撃システムを採用しているのは肩キャノンとWG−XW11の下側のみ、加えて全射撃武器の1次ロック射撃が該当する(射撃システムの基本仕様は射撃特性マニアック編で解説)。
つまり精密・通常予測系の2次ロック射撃は座標基準であり角度基準のような死角は発生しえず、そして射撃時の挙動は発射側の座標を移動させる以外の意味を持たず、着弾座標には僅かな処理上の誤差(x・y・z軸に分配される弾速値の小数以下切り捨てによる誤差)以外の影響を与えない。したがってCPUのようにロック範囲の中心を目標に合わせる、あるいはその未来位置に合わせることや射撃の瞬間に着弾をずらしたい方向へ加速するといった方法で着弾座標を変えることはできない。そしてこれは命中の成否が目標の運動次第ということであり、ゆえに目標の回避運動をいかに制限できる状態で射撃するかが命中を左右し、狭角射撃あるいは低運動状態や硬直への狙撃などがそれに該当する。
これらを踏まえてCPUの挙動を空中戦なども織り交ぜてよく観察すると、CPUは敵機正面から離れるように横移動をしながら目標をロック範囲中心に旋回して捉えようとする動きに固執するが、射撃システムの仕様上この方法が命中率を向上させることはありえない。そしてロケットなど射撃システムの異なる武器を除くと敵の移動前方へロック範囲中心を向ける動作をすることはなく、射撃の瞬間に目標に合せて瞬間加速するといった高度な動きをすることもない。もともとCPUの射撃はON/OFFで射撃タイミングをはかるような予定動作をすることなくONの間連射し続ける。さらにCPUはその瞬間のフレームによってのみ条件分岐を行っており、何フレームかにわたる複雑な条件分岐や理知的な選択をする可能性はかなり低いと予想される。そもそもそのようなプログラムを実現するのは技術的にかなり困難という背景もある。つまりCPUが射撃の瞬間だけ命中率向上を狙った特殊な運動をすることはまず考えられず、CPUの命中率を高めたいのであれば単に予測精度を高めるつまり予測ギャップを減らす方法がもっとも単純で実際にそういった仕様が存在するのだ。
またCPUは非ロック武器の場合にのみロック範囲中心(機体中心)に捕捉するターゲットを予測位置に変更するが、これは単純にロケット等を命中させるため肩キャノンや腕の追跡ロジックと同様の追跡制御にシフトするように設定されているもので、射撃の瞬間に未来位置へ補正するような挙動ではなく常に予測位置の捕捉を試みる。そして同様の動きはロック可能な腕武装では観察されない。
さて実は自機の運動や射撃の瞬間の挙動によって命中率が変化しうる例外がいくつかある。それは腕武装とは異る射撃システムを持つミサイルと肩キャノンが該当し、状況次第では軸撃ち説に近い条件も存在する。ミサイルは発射時の動きで軌道を変える事ができるがこれはミサイルが慣性を受ける特性のためで射撃武器には当てはまらない。また肩キャノンが射撃時に敵の移動方向へ旋回あるい加速することで手動補正ができる特性は注目に値する(詳しくは射撃特性ディープ編で解説)が、これは肩キャノン(及び1次ロック)特有の性質で実際にそういった仕様があるため強化人間に改造されちゃったヒトビトや四脚・タンク使いがこれを「軸撃ち」だと考えたとしても何ら不思議ではない。つまり角度射撃系に限定すればさほど軸説に矛盾はない。しかし肩キャノンはもともと手動補正仕様が用意されているのではなくその射撃が角度基準による結果的(偶然?)な産物と理解するなら、座標基準の射撃武器に手動による補正の余地を見出すのは難しい。なぜなら2次ロック中の腕の動きは射撃に関わらず常に予測位置を追跡しているように予測処理自体は常駐されているのは間違いなく、その延長線上に射撃する角度基準の場合は単に銃身の追跡動作を滑らかに遅延させる演出あるいは常駐処理の必然(追跡旋回の速度制約と自機の運動に1f遅れて修正する、カメラの動きに似ている)によって手動補正が実現するが、銃口や慣性とまったく依存性のない座標基準の場合でも手動補正ができる仕様にするためにはそのための処理を別途用意し射撃の度にそれを呼び出す必要があるからだ。つまり座標目標に射撃時の運動に見合った角度あるいは補正距離を取得し追加する必要があるがそのような仕様は存在しない。もともとミッション遂行型として開発したと公言されていることからもそのような発想が生まれてくるとも思えない。
またCPU戦でロック範囲中心あるいはその未来位置に合わせるように射撃すると実際に命中率が向上する現象がみられる。しかしこの現象は「CPUは敵機体正面から離れるように移動する」という条件が生み出す「敵機体正面をまたぐと切り返す」動作に起因し、その切り返しの瞬間に低運動状態に陥るために命中率が増大し、加えて自機側の通常予測武器の切り返し運動への狙撃適性がそれに拍車をかける。つまり射撃に合わせてあるいは先行して強制的に切り返し動作による低運動状態を起こさせるという結果的な命中率の向上によるもので当然対人戦では意味を為さない。
ついでにCPUの「挙動不審」なる動きがサテライトをしながら左右に揺れるように細かい旋回や切り返しを伴う動作をさすのであればこれらのことから説明することができる(ただし挙動不審とはこれだ!と示されたわけではないので違う挙動のことかもしれませんが)。それはCPUがロックロジックによって敵機をロック範囲中心に捉えつつ敵機体正面から離れる方向へ横移動する動きと、回避ロジックによって射撃された弾をロック範囲中心に捉えようとする動きとが競合するものだ。おそらくランカーに設定されたロックロジックと回避ロジックの兼ね合いから回避ロジックが優位になる状況で弾に対して旋回を伴い、ロックロジックが優位になると敵機に対してサテライトを優先しかつ敵ロック範囲中心をまたぐと切り返すという状況による上位条件の拮抗が生みだす奇妙な挙動であると推測され、実際にそのような挙動が観察される。しかしこの挙動は動作原理の競合によるもので、回避運動の一端ではあっても命中率を向上させるための特殊な動きではない。そしてさらに回避運動としても先に説明した通りはなはだ不完全なもので、CPUの回避性能も射撃性能も単に仕様と対戦形式に助けられたものにほかならない。
そしてもう一つ例外ではないが軸撃ちのリストにある運動が効果的な狭角射撃になる条件がある。いわく「目標の移動方向と同一の方向へ加速すると命中率が向上する」という現象は敵機が接近傾向にある場合に限って実際に起こる。これは目標の移動軸の正面へ加速して射撃角度を狭める原則にそったもので、逆に目標が離脱傾向にある場合は命中率が低下する。例えば目標が自機に接近を試みている場合や追いかけてくる条件では同運動が狭角射撃となり命中率が向上しうるが、敵が遠ざかろうとする条件で命中率の向上を狙う場合は目標とは逆方向へ加速する必要がある。この条件は対人戦でも実際にかなり命中率を左右するが、狭角射撃は状況次第で加速する方向が逆になるため一致しない(狭角射撃は射撃特性ディープ編で解説)。
以上のようにCPUは敵弾を回避するために「軸避け」を行っているわけでも、命中率を上げるために「軸撃ち」をしているわけでもないことになる。そして軸避けに類似(酷似?というかこれが軸避け?)した運動が回避運動として有効になる事実はあるが、メインの腕武装では結果的に狭角射撃になるような状況をのぞけば軸撃ちという操作で命中率の向上をみることはできない。おそらくこれらが、「軸避け」はできるという人は結構いるが、「軸撃ち」ができるという人が少ない理由ではないだろうか。いずれにしても通常・精密予測射撃武器(腕武装)は目標をロック範囲の中心に捉える等のようなCPUにみられる動きでは命中率の向上は狙えない。やはりCPU補正による予測精度の差とCPUの特徴的な動き、そして肩キャノンの射撃システムや位置関係のささいな差ですら有効な射撃あるいは回避技術となるような様々な仕様が結びつけられて「軸撃ち」という技術が想像されて普及してしまったと考えるのが妥当ではないだろうか。したがって特殊な「軸撃ち」なる射撃技術は存在しないと結論できる。
では本当に「軸撃ち」や「軸回避」はないのだろうか。しかし根拠のない想像が普及するのは難しく、今なお語り継がれている点も無視できない。そしてそれが無ければこの一連のレポートも生まれてはいないのだ。先人の飽くなき戦術の追及と感性が想像した「軸」なる概念は、原理こそ異るものの「ビミョーな予測射撃の特性による狭角射撃や広角回避の有効性」や「肩キャノンのもつ手動で射撃角度の補正が可能となる仕様」などをまさしく有効な操作技術として昇華させようとする課程にあったと考えるのはなんともロマンチックではないだろうか。
−−−※改訂追記(レポート改訂時に追加した内容です)−−−
なおこのレポートが誤解の再生産や新たな可能性の否定につながることは本意ではありませんので補足させていただきます。
まず上記事の要旨としては「PSACの射撃仕様では移動目標の1〜2f分後方へ着弾する特性がある」→「単純な広角運動だけでも回避になる条件がある」、「メインの腕武装は2次ロックしているかぎり原則として予測座標へ着弾する」→「例外を除いて射撃時の機体挙動や操作で予測射撃やその着弾点等を操作することはできない」という二点に集約するものです。つまり基本的には旋回などの機体操作による弾道の操作はできませんがそれはあくまで「腕武装の2次ロック状態での射撃」に限定したもので、肩キャノンやミサイルあるいはロケットなどの例外がありこれらは機体操作による弾道の補正が可能という事実があります。
したがってAC系サイトや関連スレなどでかつて意見が二分されたとおぼしき痕跡にみる「射線と敵移動軸の角度を狭めて射撃する説」と「敵の移動方向へサイトを旋回あるいは機体を加速させながら射撃する説」は対応する武器カテゴリや射撃システム別に双方ともそれぞれで有効な射撃技術ということになります。
そしてさらに腕武装でも特殊な条件と操作によって手動補正射撃が可能なことが判明しました(詳しくは射撃特性マニアック編・ディープ編にそれぞれ追加した記事で解説しています)。これは単装状態の2次ロック中に肩キャノンの要領で手動補正した状態から武器切り替えと同時に射撃するものです。原理的には「2次ロック中は銃口も予測位置を追跡する」+「銃口のエイミング角度は機体挙動に引っ張られる」+「単装状態の武器切り替えは2次ロック(座標基準射撃)を一時解除・復帰を繰り返す」+「2次ロック時以外は銃口の向きへ射撃する」という各仕様を組み合わせただけの方法ですが、これによりもともと後退してしまいやすい1P側の予測射撃武器でもサテライト運動などを狙撃できるようになります。単装状態限定でかつ武器切り替え&同時発射という特殊な必要条件も満たす必要があるのでいわゆる「軸撃ち」とは異なるもの思われますが、一部の説に近い特殊な射撃を可能にする仕様群自体は存在することになります。そういうわけで軸理論の解釈はともかく「特殊な射撃技術は存在しない」とした結論は撤回させていただきます。
余談ですがACはおよそ関係の無さそうな仕様が様々なモノに影響しまくる作りになっていて昔から仕様のウラを突いたような技術が多岐にわたって実戦に応用されていますし、レポートでも他にいくつか紹介しましたように今でも仕様の隙間を掘ると何かしら埋まっていてホントにキリがないくらいで、まだまだ新たな可能性が眠っていることも十分考えられます。AC恐るべきかな。
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ACにはCPU補正なるものがあるという。自機は回避が難しいのになぜかCPUには命中しにくいというアレだ。実のところ貧弱なロジックのゴマカシ半分にCPUを強くするべくこういった仕様があるものだと思っていたのだが、分割対戦や通信対戦にすら片側にこのCPU補正(以降2P補正と表現)とおぼしき命中率の上方修正があるというのだ。実は今となっては通信対戦ができる環境になく、発売当時もゼンゼン気付かなかったためその検証をすることができない。
しかしこれはマイッタこれが事実ならば対戦ツールとして根本から致命的な欠陥を背負っているということではないだろうか?。ということで、補正について解析する課程で武器性能や運動性能に至るまで手をだし、なんとか肯定的な結果(主に解除方法)が得られないものかと調査してみた。各レポートでも触れているようにACの各種さまざまな仕様は、どう考えても趣味の世界としか言い様のないアイデアと設定に支えられ、絶妙のバランスを実現している。PP以降の仕様変更や新パーツで少なからずツッコミ所が登場したことを差し引いても、対戦で何の根拠もなく常に片側が有利となるような仕様が通信対戦まで影響を及ぼすという点はどうにも腑に落ちない。
そこで、2P補正の対戦への影響を考察し、2P補正のタネをさがしてみたい。
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またしても以下駄文が長々と続くため先に結論を申あげておきたい。まず2P補正という一方の予測精度を向上させる仕様は確かに存在する(ただし通信対戦にも存在するかは不明)。しかし2P補正の影響は技術次第で圧縮できるうえ単純にメリットとはならない場合もあり、結果としては「公平性を欠くあるいは一方的なアドバンテージ」となるものではないと筆者は考えている。実際に1P側、2P側どちらも戦術性に利点と欠点が生じるようになっており、臨機応変に戦術展開することで圧縮あるいは十分逆転できる範囲のものであり、それを可能にする多岐にわたる仕様群が下支えをしている。そして全ての武器が2P補正の影響を受けるのではなく、影響を無視する武器や低減する機体を作成することもできる。おそらく2P補正の最も大きな影響はそれを一方的なアドバンテージではなくす各種仕様の把握の重要性と、どちらが補正の仕様を適用されるかはっきりしない点だろう。しかしそれぞれの特性を把握し的確なアプローチで戦術に組み込むことができればむしろ2P補正仕様なくしては成しえないバラエティー豊富でかつより対等な対戦が可能になる側面もあるので、不公平と断ぜずぜひいろいろと試していただきたい。
※改訂追記:通信対戦ではある程度2P補正の取得条件が解明されているらしく、アセンにリスクを負うことで意図的に2P補正を狙うことが可能など補正仕様が対戦要素として役立っている事実があるようです。詳しく解説しているサイトがあるようですので興味のある方は調べてみて下さい。またほぼ全ての予測武器で手動補正射撃をする方法あり、戦闘中に条件を満たせば1P・2P側に関わらず単純な広角運動による回避は難しくなり、特性が異なる射撃システムを使い分けることでより戦術性は高くなります。このため実質的にはやはり戦術性やプローチの違い程度に落ち着くのではと考えられます。
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○2P補正の概要
・CPU機に適用される。
・分割対戦時2P側に適用される(通信対戦時に発生するかは不明)。
・適用された場合、予測射撃武器の予測と射撃の1f分のギャップが発生しない。
・影響を受けるものは予測射撃武器。
予測射撃武器は予測と射撃に1fのギャップがあり、CPU補正の適用を受けるとその予測ギャップ1f分が解消されるというものだ。なお通常予測射撃武器の性質である1fの移動遅延は関係ない。つまり同じ射撃武器でも1P側と2P側で単純に1f分の予測差が発生する。
現在までに確認しているCPU側との差異は予測射撃武器のみで、ブレード発動時間や硬直処理や運動性能に差異は無く、ミサイルの追跡性能の差異も確認できていない(おそらく無い)。もはや通信対戦ができる環境にないのでこのCPU補正と2P補正が同じものかどうかや通信対戦でも発生するのかどうかは検証していない。分割対戦時にはCPU機に適用される補正が2P側に必ず発生する。そして原理的にその補正に段階的な変化がある可能性は低く、自機の予測ギャップがさらに下方修正されないかぎりありえない。このため仮にCPU補正と2P補正が同じものだとすると状況によって補正がより強くなるといった現象が起こる可能性は低く、また初代やPPはMAよりも2P補正が弱いという説が多くみられるが補正仕様が存在する以上それは考えにくい。
※なお1fの予測ギャップと、通常予測射撃武器の移動処理の1fの遅延はまったく別物なので混同なきよう。たとえば予測ギャップは単純な予測の1f分のズレなのに対して、移動遅延は実質射撃点に弾を置いてくるような条件になるため射撃の起点と判定発生などに違いがある。目標側が単一運動している場合に限り合わせて2f分の過去位置へ着弾することになるが、移動遅延は予測がズレているわけではないので目標が複雑な動きをしている場合などでは全く別の性質として扱われる。また発射fの判定発生の有無や射撃点の位置が接近戦での戦術性の違いにつながるので「1P側の精密予測武器」=「CPU側の通常予測武器」という構図にはならない。そしてどちらが有利かも戦術や技術次第なので一元的に評価することはできない。
各レポートで被弾範囲からの脱出速度として解説しているものは単一運動を続ける場合を想定したものとなっている。
○2P補正の戦術への影響
まず筆者は通信対戦による2P補正の検証ができる環境にないためその影響についは推測によるものとなることを御了承願いたい。そして2P補正の影響の根拠となるものはCPU補正と2P補正が同じものと仮定した場合を基準として調査検証を行い、それぞれ対応する長所と短所から導き出される2P補正の影響について考察する(※修正と呼ばれる通信遅延かなにかによる予測精度の変動が起こる場合があるそうですがそれは考慮していません)。
なおCPU戦では単に強化人間や反則的アセンなどの恩恵を受けている機体が多く、さらにサイトギャップも視界も全く関係なしに常人では実現不可能な位置捕捉によるサイティング(どこにいようとf単位でターゲットへの最短方向へ旋回)、あらゆる状況での広角化(追跡ロジックによる結果的な運動で常に敵機に対し最大広角化を実行、広角化が実現できているかどうかは別だが)、某新人類的反応速度(自機の射撃操作に連動して回避動作を開始)などの異常能力を持っている。そして特に駆け引きが無効でひたすら広角運動を保ちながら火器を垂れ流す点も対人戦とは違いが大きい。総合的な戦闘能力はともかく単純な基本能力と弾切れまでの時間火力が高くこれらの仕様群が時間無制限という対戦形式にも適しているためそれを2P補正(CPU補正)の影響と混同して過大評価しないように注意していただきたい。
まずCPUの射撃と自機の射撃の違いで現実に発生する影響として命中境界速度の差があり、その最大の影響は単一方向に移動する目標への命中・回避が容易ないし難しくなることだ。予測ギャップと弾の移動遅延は同じものではないが、これらを仮に精度の高さというごく単純化した観点にまとめると、精度が低いと位置づけられるタイプは移動目標の後方へそれる特性から加速(瞬間加速や同一方向への増速)による回避がしやすく、減速(切り返しや同一方向への減速)による回避がしにくい。つまり戦術的には特に単一の高速移動に弱い性質が全般的に表面化しやすいが、着弾が移動目標後方へずれる性質は逆に切り返しや減速回避に余分な移動距離を要求(例えば巡航速度1f分の後退はブースト切り返しの減速に対して数f分の先行位置に相当)するので、効果的な狭角射撃や切り返し・減速運動への狙撃などのやや限定的な条件ではより回避が難しくなる側面がある。一方で精度が高いと位置づけられる武器はどちらかといえばその逆の性質を持ち、単一運動に強いので着弾までに細かい加減速を制限できる条件でより命中させやすいが、回避に余裕のある条件では正確に予測点に着弾するものほど予測を散らしやすいものはない。
このように通常予測系のメリットは瞬間的な射撃技術や限定的な戦術に偏るため、精密予測系の方が汎用性に優れる傾向にある。したがって2P補正においては予測ギャップがなくなることで精度が向上することになるが、連射力や瞬間火力等の武器特性でだいぶその影響や相性が変わってくると推測され、その適用の有無で効果的な戦術に大きな転換を余儀なくされる武器が多数存在する。
ACは射撃システムの種類や武器特性によって的確な射撃技術や戦術がかなり変わるので補正よりもまずそれが基本となるが、補正の有無によっても条件が変化するので選択したパーツの性質と補正への影響を十分に把握しおく必要がある。例えばごく単純に同一速度で同一方向へ移動する目標に対して射撃システムによる命中境界速度はおおよそ2P側の精密予測武器(いわゆる軸無視武器)>1P側の精密予測武器=2P側の通常予測武器(いわゆる軸武器)>1P側の通常予測武器(いわゆる軸武器)となりそれぞれ単一運動で回避可能な速度域が段階的に変化し、精密系は発射fに弾速分の判定距離が発生するため至近距離では1P精密系>2P通常系になりやすい。一方で切り返しや減速運動などへの狙撃適正は逆順になりどちらも広角条件ほどこの影響が強くなる(運動が射線に対して直角に近いほど後退距離が大きくなり、切り返し運動へは先行距離が大きくなるため)。そして運動が狭角条件に近づくほど2P補正の影響が圧縮され、接近するほど精密系と通常系の違いが鮮明になる。このため各武器の集弾性や弾速などの影響も1P側と2P側で戦術性が変化する。また手動補正射撃は1P側でも高速単一運動を狙撃することが可能なことから座標基準と角度基準の戦術的な差異が大きく駆け引き上は有利な特性になり、ロケットやミサイルやブレードなど影響を受けないものもあるなど、2P補正の影響やそれに対応するための戦術をアセンの段階からある程度考慮しておくことが要求される。
そしてACの機体運動性能には上限がありそれ以上を追求しても無駄になった分のアセンコストは過剰なブースター消費や死過重として性能を逆に低下させてしまう。これに加えて限界速度(運動特性ディープ編で解説)という2段目の上限仕様によってもアセン効率が制限され(アセンの幅は広がるが)、かつ運動性能向上に伴なって切り返しの減速遅延というデメリットが増大し、逆に限界速度以下の性能や速度域では減速遅延を発生させない。つまり移動速度と回避性能とはそれぞれ別の概念として機体を構築する必要があり、これによって補正の影響も異なる。たとえば四脚で限界速度を達成してさえいれば2P側の精密予測武器以外は単純な広角運動でも回避可能で、1P側の通常予測武器を単純な広角運動で回避できる条件は水平速度が約2400を境界とし、武器側の集弾性や弾速による分配誤差によって若干前後する。また手動補正射撃やロケットやミサイルなどは切り返し運動を要求されるため運動性能が高い機体ほど余剰慣性を加味した操作をする必要があり、限界速度以下の機体はその必要はないが加速度が小さくなるためより的確な回避操作や駆け引きを要求され、さらに空地ともに最大速度約2400に満たない機体ではほぼ常に切り返しもしくは特殊挙動による回避運動が必須になるが、結果として後者ほど耐久力が向上し被弾と回避を選択する余裕が得られる。
この限界速度仕様の影響は単純なサテライト回避という2P側戦術と常に切り返し回避を準備する1P側という相互関係になった場合は表面化しにくい。しかし手動補正射撃やロケット狙撃あるいはミサイル回避に対しては単一運動の多い2P側がより影響を受けやすく、条件を満たした操作によって1P側でもサテライト回避が可能であり、加えて腕武装でも条件次第で手動補正射撃ができるため単純なサテライト回避の有効条件がより限定的となると予想される。また切り返し回避必須となる運動性能域の機体や、高機動でもそのままでは必中する狭角条件などに追い込まれると移動に後退するタイプほど回避が難しくなる。
余談ながらMAが影響が強いといわれる要因の一つとしていわゆる軸理論が2P補正の影響を表面化させた可能性も否定できない。実際に軸理論を意識した操作は1P・2Pに関わらず余剰限界速度を発生させやすく射撃にも余計な動きを要求されることが多いため回避リスクが増大しやすく、同戦術に固執してしまうと1P側と2P側に明らかな命中率格差をつくるため一方的に1P側の被弾リスクが高くなる。そしてMAになって一部のマシンガンや拡散ハンドガン&ブレードコンボや特殊な軽量二脚の占有率が高まったことで軽武装機体や余剰慣性などを発生させやすい機体が増え、それに伴い中・重量級・四脚・タンクが少なくなり補正の影響を受けにくい肩キャノン・ミサイルや多武装機体が少なくなったことなどで、結果として2P補正を受けやすい機体構成や戦術に集約してしまい1P側の不利という形で影響が顕在化した可能性もあるかもしれない。
さらに余談だが巡航速度1fあたりの移動距離が機体被弾半径とほぼ同じという絶妙なバランスが1f予測ギャップや1f移動遅延による明らかな戦術的差異を生む結果になっている。しかし仮にフレームレートや機体サイズあるいは巡航速度などが異なり1f分の移動距離が機体被弾半径内に留まるような仕様だった場合、これは戦術的な差異ではなく単純な命中精度として常に特定武器や2P側が有利な状況を覆しえなかったかもしれない。
問題は各射撃システムや各武器の特性あるいは機体性能や余剰限界速度などの射撃・回避操作に深く関わる隠し要素が多いにも関わらず、的確な回避・射撃を行うには仕様の理解や操作の習熟が必要不可欠で、2P補正もその原理を把握していない場合には一方的なメリットになりやすい点だろう。そしてもう一つの問題は的確な射撃には目視による目標捕捉か接近・離脱傾向の把握が必要になるが、残念ながらPSACのカメラワークやモニタ情報ではその把握が難しい欠点があり、特に通常予測射撃武器の効果的な射撃にはハードル高い現実がある。
以上のことから2P補正仕様による影響として最も懸念される点は、どちらが適用を受けるかという基準が不明確なため同じアセン機体が補正適用の有無により戦術や射撃・回避タイミングの転換を余儀なくされる点ではないだろうか。特に2P補正の有無で実用性が激変する武器ではこの問題はかなり大きい。逆に適用の有無あるいはその理由が明確であればその補正仕様あってこそのバリエーションに富んだ対戦も楽しめると期待できる(※通信対戦ではだいたい判明しているそうです)。
○2P補正の各武器への影響
CPU補正は単純に予測と射撃のギャップの有無によるもので、2P補正がこのCPU補正と同じものだと仮定した場合(分割対戦は同じものと確認済)には、CPU戦とこの原理を参考に各武器や戦術への影響を推し量ることができる。幾つかのサイトで2P補正がPSACの致命的な欠点として紹介されているようなので、ここで2P補正の各影響について解説しておきたい。ただし推測の域を出ない解説を含むのであくまでも参考までに。
・2P補正の影響を受ける武器
予測射撃を行う射撃武器全般。
・2P補正の影響を受けない武器
非予測射撃武器(ロケット、爆雷、機雷)、ミサイル、ブレードは影響を受けない。
ブレードモーションやミサイルの追尾性については少なくとも分割対戦やCPU戦ではそれらの差異は確認できなかった(もし通信対戦でミサイルに同じ原理で予測ギャップが発生すると仮定した場合、1P側ミサイルの目標は1f分後方になるのでミサイルの円旋回の内側へ振り切る回避の有効性が高まり逆に切り返し回避がシビアになると推測されるが、毎f軌道修正するため切り返し回避へ強く影響する可能性がある)。
・2P補正がメリットとして働く状況
予測精度が高まることで、回避には予測を散らすか切り返し運動を要求される。このため着弾までに細かい機体挙動をする余裕のない接近戦でメリットが増大する。またサテライトなど運動が広角方向へ偏る状況で影響がより顕著になる。
武器に与える影響は同様の観点から連射力が高いほど、弾速が速いほど、弾数が多い(無駄弾を撃てる)ほど、サイトサイズが大きいほど強くなるが、武器特性の有効距離とは相反する場合もあるため端的には評価できない。
・2P補正がメリットを失うあるいはデメリットとして働きやすい条件
目標への追跡力が高くなることで、フェイントモーションや切り返し回避への対応力が弱体化する。より小さな減速でも回避が可能となるため時間的に回避運動が可能な条件では移動角度が深くなる突撃戦術、追い・引きあるいはニュートラル状態ではメリットを失い、切り返しや特殊挙動などの減速による回避に対してはむしろ命中させにくくなりやすい。例えば意図的かつ頻繁に左右へ加減速しながら相対距離を調整するような戦術展開を前提とする武装機体、あるいは特に超重量級やタンクなど切り返し回避や特殊挙動による減速回避が前提となる機体など。また手動補正射撃やミサイルとの戦術的差異を利用した駆け引きの有効性が低下する。
・2P補正で著しく強力化する可能性がある武器
WG−RF/E。2P補正の影響には精度の向上により切り返し回避がしやすくなるデメリットがあるが、ほぼ射撃の瞬間に着弾するEスナは切り返し回避の余裕が一切ないため著しく強力化する可能性がある。ただし手動補正射撃の有効戦術にはまるとより強力になりうるので条件次第では影響は小さいかむしろ弱体化するかも。
・2P補正で強力化しやすい武器
切り返し回避の合間に着弾させることができる連射武器。的確な切り返し回避に弱くなるが、その合間に着弾しつづけられるだけの連射力のある武器はメリットを生かしやすい。ただし単発威力に劣ると手動補正射撃の適正が低下し戦術的な違いも小さくなるので射撃システムを撃ち分けるメリットが小さい。
二門兵器(両肩キャノン、武器腕)は予測中心方向への移動目標に対しても命中率が向上し、切り返し回避側に平行射撃の被弾範囲をもつため左右とも回避が難しくなるが、特に弾速もしくは連射力に優れる武器や接近戦で影響が大きい。ただし補正の有無によって戦術・操作を大きく転換する必要があり、特に単発系は手動補正射撃の適性が非常に高く、手動補正射撃が可能ならむしろこちらの方が強力化することがあるので影響は小さいともいえる。
また一般にパラメータ上は強力ながら使い勝手が悪い連射可能な武器は2P補正による戦術的な差異が大きい。例えばAR1000やXPシリーズ、HG770、HG512、XC4、XFwPPk、ED2など。
・2P補正の影響が小さい武器
RF系を除く精密予測武器。もともとの命中精度と連射速度が高くかつ適度に拡散するため技術的に影響は抑えやすい。ただし補正側に適した条件(例えばサテライト旋回戦)での射撃戦では有利になりやすい。
拡散角度の大きい射撃武器。攻撃範囲が広く影響は小さいが、有効距離が若干接近戦側にシフトする。
肩キャノン。常に手動補正可能なため影響は少なく、射撃が砲身の旋回と内部角度依存なため補正の有無で射撃角度に変化が生じない場合もある。ただし手動補正の起点となる予測位置が1f分未来側へずれるため結果的に有効距離がやや接近戦側へシフトする。また間接的な2P側の利点により四脚地上走行で通常予測射撃武器の一部をサテライト回避できる条件に限って実用性が高まる可能性がある、ただし該当する条件は少ない。
WG−XW11。もともと角度予測射撃の手動補正で進角する弾と通常予測射撃の移動遅延で後退する弾を同時発射するため切り返しでも高速単一運動でも回避しにくい。角度射撃側の影響は肩キャノンと同等、通常予測側は他のE系ライフルと同様だが、補正を適用されると切り返し回避がしやすくなり有効距離がより接近側へシフトする。
・2P補正の影響を無視できる武器
WA−Finger。大きく拡散する弾道と猛連射そして高弾速の精密系(1f目に弾速距離まで判定発生)かつ必然的に発射後1〜2f程度が有効距離になる特性のため補正の影響をほぼ無視する(皆無ではないが無視できる程度に小さい)。
グレネードキャノン。爆風範囲が広く、手動補正射撃が基本操作なため戦術的・命中率ともにほぼ無視できる。自動爆破は射撃時の相対距離(1次ロックの現在距離に相当)を超える最寄りの弾速倍距離で爆発するため補正の影響は受けない。
・※改訂追記:腕武装による手動補正射撃への影響(詳しくは射撃特性マニアック編・ディープ編で解説しています)
ブレードを除いて単武装を条件に2次ロック中に武器切り替え&同時発射の手順で腕武装でも肩キャノンに近い手動補正射撃ができる。これにより通常予測射撃が広角運動目標に命中しえない1P側最大の不利を圧縮し、加えて減速・切り返し運動に強い後退する予測射撃との選択的な狙撃が可能になり、単発威力や弾速あるいは衝撃に優れるほど生かしやすい。補正の影響は肩キャノンと同様に適用を受けると有効距離がより接近側へシフトし、2次ロック射撃との戦術的な違いは後退するタイプの方が大きい。単武装系の機体は当初から、重武装系の機体ではサポート武器を撃ち切った後にも、補正の有無に関わらず戦術的な対応力をある程度確保できる保険的な価値を併せ持つため、アセン・戦術アプローチ次第では1P側の方が戦力的な比重が高くメリットが大きい可能性も考えられる。
○2P補正の謎と対策
何故2P補正が存在するか不明のままではあるが、初代からPP、MAにいたるまでこの仕様が引き継がれているらしく、シリーズにそって他の仕様が対戦ツールとしての調整をうけてきたことを考えるとこれが何の脈絡もなく設定されているとは考えにくい。というより考えたくない。そこでこの2P補正が納得できる仕様として利用できるならどんな可能性が考えられるだろうか。ちなみに通常プレイでは予測精度が変化することはないが、通信対戦ではどちらが2P補正になるかはっきりわかっていないらしい。ということはどちらであっても2P補正になりうるということでもあり、アセンパーツ数やガレージの“PERFORMANCE”画面で確認できる数値を比較して決定されるという説もあるらしい。
そこで2P補正がACの対戦バランスに違和感なく組み込まれる可能性について考察してみたい。
※改訂追記:通信対戦における2P補正の取得条件はある程度解明されているらしいです。興味のある方は解説しているサイトを調べてみてください。なお以下は通信対戦での検証ができなかったため仮説に基づいて考察したものです。
仮にこれが意図した仕様であるなら2P補正が対戦バランスに肯定的に作用しうるシチュエーションがあるはずだが、考えられるものの一つに選択ステージの優先権がある。どちらが1P側になるかはっきりしていないらしいが通信対戦では先に選んだ側のステージが有効になるそうなので単純に対戦ステージの選択側が1Pになるということは無いだろうか?。もしホームステージ側が常に1P側となりアウェー側が2Pになる仕様なら対戦バランスとして利用できる可能性はある。(※改訂追記:アセン要素が基準になるらしく、ステージ選択権は関係無いらしいです。)
特に分割対戦では2P側が固定されるので振り分けは簡単にできるが、1P側にステージ選択権を与えた場合にはホームステージを設定したアセンができるので地形やあまり日の目をみない武器特性まで様々な要素がアセンアプローチの対象になる。例えば機体カラーリングや湿気る爆風武器あるいは隠密性の高い武器や連携・地形戦用兵器などの特化型のパーツ類は、メリットデメリットがはっきりとしているステージ選択戦ができればそれらの特性を安定して戦術に組み込める。特定武器単独でも適用の有無で戦術を使い分ける必要があるが適用ルールがはっきりしていればアセンに生かしやすい。1P側か2P側かで戦術性や実用性が異る性質からそれぞれ別のパーツとして考えれば2倍の種類があるともいえるのでホーム用とアウェー用に機体を分けて複数用意する方法も面白いかもしれない。
たとえば1P側の通常予測武器はサテライト運動に弱くその動きへ誘導しやすいので広角運動を攻撃しやすいロケット・肩キャノンとは相性がいいし、逆にそれによる切り返し運動はむしろ狙撃しやすいなどアセンによる駆け引きのカードを用意しやすく、肩武装を撃ち尽くした後は腕武装だけでも手動補正射撃と通常予測射撃を随時選択できるので前半戦を猛火力で押す展開も可能なので地形に戦力を左右されるものが多い肩武装でも積極的に投入できる。一方で2P側は接近戦ほどよりメリットを受けやすく近距離なら地形の影響も低減できるため、適した運動性能と戦術であれば予測精度を生かして実効火力をより高められるので比較的軽量な連射武器やサポート武器を組み合わせたり、重火力武器一本に絞って高機動射撃戦で削り倒すなどのアプローチを選びやすい。また強力ながら個性的すぎてあるいは特化的すぎて選択しにくいものなどでは地形戦や連携の1Pあるいは射撃精度の2Pでこそ輝くパーツも少なくない。特に地形戦となると2P側の予測精度が生かせない場合もあるが、双方の戦術差を緩衝あるいは補完しやすいミサイルには多彩な特性のパーツが用意され、拡散ハンドガンやXW11あるいは指や肩グレもしくはロケットや機雷そしてブレードなどのようにアセンと技術次第でどちら側でも遜色無い戦力を発揮しうる武器も多数ある。実践的にはホーム側にとってあらゆる機体コンセプトや戦術が、2P側にとってより多彩な射撃武器が選択肢として候補になるだろう。そして双方それを前提にあるいは狙ってアセンして対戦できるならば実質的に対等かつよりバリエーション豊富な対戦が可能になるといえるのではないだろうか。
さらにホーム&アウェー戦ができるならより理想的なのでそれぞれの機体を用意しておくのもいいし、同一機体で2連戦でも汎用性を重視したサポート武器や機体アセンでホームとアウェーの戦力差を平均化できるパーツも十分用意されており手動補正射撃が戦術に組み込めればさらに可能性が広がるのでそのためのアセンや戦略を練るのも魅力の一つといえるだろう。あるいはランダムステージであっても1P側と2P側を明確に振り分けて交互に2連戦する方法であれば、パーツ選択肢はやや狭まるがより対等な対戦という意味では問題ない。いずれにしても双方の特性をよく理解してアセンや戦術に組み込めるようにしておく前提条件が必要になるが2P補正を対戦バランスの一環として肯定的に解釈できればよりオモシロイ対戦ができるのではないだろうか。
※改訂追記:確認はしていませんが通信対戦では装備点数の少ない側が2Pに優先されやすいそうです。そうなると武装数を確保しにくい2Pと連携や駆け引きのカードを多数確保しやすい1Pという状況になるそうなので、やはり様々な仕様上どちらかが一方的に有利ということはなさそうですし対戦前からアセン的な駆け引き要素などが追加されてオモシロそうです。まあ弱点のないオールマイティー機体が欲しいヒトには向かない仕様かも。
最後に通信対戦について(※完全に空想です)、2P補正はCPU及び分割対戦時の2P側に適用されるものと同じものという前提で解説したが、何度か述べている通り通信対戦についてはその適用を受けるかどうかは検証していない。しかし通信対戦では双方共に2P補正の適用を受けないか或いは受ける条件もあるのかもしれない。というのもネットで2P補正について調べると(今尚残存するサイトに限定したものですが)補正強度が変化する、PPからMAとなり2P補正が強くなった、あるいは初代には無いという記事もよく見かけるからだが、残念ながら初代・PPは既に手元に無いためこれも検証することはできない。しかし仮にCPU補正が2P補正と同じものだと仮定するとその差がわずか1fのギャップから発生していることから考えて補正強度を細かく変化させることは現実的ではなくフレームレートの差もないと思われるためシリーズ全てで同じ仕様があると考えるのが妥当ではなかろうか。
しかしそうなると補正強度が変化するあるいはシリーズごとに強度が異なるような状況は説明がつかないので、CPU補正と2P補正が別物か、あるいは双方独立して適用の有無が発生するあるいは移行するような条件も考えられる。そしてもう一つ気になることは2P補正の影響が強く指摘されるようになったのは操作技術や戦術などが成熟したMAも比較的後期になってからのことらしい。実のところCPU補正と2P補正が同じものであると仮定すると、メリット・デメリットはどうあれ1P側と2P側の通常予測武器の戦術アプローチはかなり変わってくると予想されるため、MAより前にはあまり気にならなかった(?)というのもやや疑問が残る。
PPからMAになって実際に2P補正の影響が強くなっているとしたら、その可能性として考えられるものはフレームレートか、運動速度関連の変更か、ひょっとしたら機体実サイズと被弾サイズが改定されて限界速度と判定や予測基準が変わったとか(※改訂追記:かんぴょ〜氏の解析によると機体実・被弾サイズは初代・PPとも変更無しとのこと)。緑ライフル等の補正弱体化やブレホ挙動の変化も指摘されていたというハナシもあるし、PP系の運動特性の紹介サイトをみるとMAよりも細かくアセンや条件で変化するっぽいのは気になる所ではある。あとはMAでは負荷の大きい仕様やマップ等を見直して軽くなったらしいが、まさか補正がもともと同期処理の緩衝用の仕様で通信ラグの解消が原因なんてことは・・・多分ないとは思うけど。いずれにしても完全に想像以外の何者でもないが、通信対戦では双方ともに同条件での対戦が可能なパターンや、片側あるいは両側に2P補正の適用の有無が発生する条件が存在するという仮説も排除できない。
※後追記:ここまで書いといて何ですが、その後PS2以降のACでもわずかながら似たような補正強度の差が発生するため大会では席替えで対応していたという記事を発見しました。後作ではフレームレートが向上していることや被弾判定が大きくなっているらしい(プレイしていないので詳しくは知りません)ので同様に1fの差による違いがあっても気がつきにくい可能性があり、そうすると単純に処理上の仕様で排除できないプログラムという可能性が高いかもしれません。
※改訂追記:精度が変動する要素に2P補正とは別に通信遅延かなにかによる同期ズレが起こることがあるそうでこの場合はリセット推奨だとか。そうれはそうと意識した操作でなくても結果的に0.05秒以下の差が恒常的に回避や命中を左右するACで直結同期対戦オンリーの初代系はともかくネットワーク対戦仕様になっている後作ってどうなってるんですかね?やったことないけど予測やら判定やら動作やらに相当マージンとっているとかかな?。初代系の復刻や仕様の再現を望む声をよく見かけるけどひょっとしてネットワーク接続前提で調整せざるを得なくなって「しない」じゃなくて「できない」のかも、最近の高速通信環境ならどうでしょうかね。
PSACはバランス感覚に長けた対戦を実現していると思うが、対戦の際にややそれを欠く問題を発生させうるバグがあり、これは結果的にミサイルと射撃武器との連携戦術に影響を与えかねないためここで解説したい。ただしその存在自体をご存知ない方は知らないほうが良いかもしれない、特に一人で楽しむ際にはゲームバランスを崩しかねないので(でもこんなこと書いてる時点で読むよな普通、はっ!そもそもここまで読んでないか)。また利用方法次第ではミサイルを起点とした戦術バリエーションや選択肢が飛躍的に増加するのでルールに組み込む選択肢もアリかも、ミサオンや重武装機体が楽しい。
○リロードキャンセルの概要
・単入力で複数の弾を連続して発射することができる武器が対象になる(※)。
・対象武器を発射後、2フレーム以内に別の射撃武器に切り替えることで発生する。
・発生した場合に、切換え前の武器のリロードタイムを無視してエイミング及び射撃をすることができる。
※単発のミサイルも含む(厳密には掃射残弾カウンタが割り当てられ発射後にそれを参照する武器)。
具体的には全てのミサイル及び腕武器「AW−R/4」がリロードキャンセルを発生させる。一般的にリロキャンと呼ばれているので以降そう表現する。
通常は発射後に選択武器をチェンジすると、変更前の武器のリロードタイムが経過するまで変更後の武器を発射することはできず、かつFCSによるエイミング&ロックも作動しない。ところがリロキャンに該当する武器では発射直後(2フレーム以内)に選択武器を変更すると、変更後の武器はリロードを無視して即座にエイミングを開始しかつ射撃することができる。さらに元の武器に戻してもこの状態を維持するため単一武器の連射も可能になる。またリロキャン該当武器は単発のものや掃射の最後の弾を発射後でも発生する。
※2フレーム以内というのはおそらく掃射中のリロードタイム“2”以内。この手の武器の掃射間隔はリロード“2”+射撃“1”の“3”フレームおきに掃射残弾カウンタを参照しながら連射する。
○リロードキャンセルの影響
これは少なくとも意図した仕様ではないと思われるが、リロキャンで元の武器にもどしてリロードタイムの長い武器を連射する行為は反則以外の何者でもない。ところがミサイル発射後に射撃武器に切り替えて着弾硬直を狙撃するような連携戦術にはリロキャンが必然的に発生しやすくなり解釈が難しくなる。たとえば多ロックミサイルの掃射中に武器選択を変更することで必ずリロキャンが発生し、逆にリロキャンの発生を警戒して武器選択を遅らせることは戦術上の足かせとなってしまう。
問題の一つはリロードを無視して射撃できることで通常は連携不可能な状況でも成功してしまいかねず、逆に射撃を自制せざるをえなくなっては成功するはずのチャンスも逸してしまいかねない。実際にEスナ等一部の武器を除いてほぼ実用的でない連携用ミサイル以外の着弾硬直中の連携狙撃がリロキャンを利用するとあらゆる射撃武器で可能になり、硬直等でターゲットが停止している場合などには即時に2次ロックするうえ弾速の最も遅い部類のバズーカでさえ先行するミサイルよりも前に着弾させることもできてしまう。しかし逆に禁止を意識してしまうと絶好の武器切り替え・射撃タイミングを逃しかねず、対戦者や第三者からはリロードキャンセルが発生しているかどうかを判断することが難しいので連携戦術が不満を抱かせてしまうタネとなってしまう可能性も否定できないのだ。
そしてもう一つは本来エイミングできない時間帯にエイミングしロックが可能なため、索敵に有利となりかつFCSロック速度というファクターを無視できる問題だ。通常エイミングを開始してから2次ロックへ移行するのには射撃武器でもある程度時間がかかり、ミサイルと射撃武器との連携にはその僅かな時間差で結果が変わってしまう場合もある。ミサイル同士の連携ではこの差はさらに大きく、射出しなくても射出後即座にミサイルロックを再開できる利点は大きい。したがってリロキャン直後に射撃をしなくてもエイミング&ロック再開によって可能な戦術やその成功率あるいはアセンの選択肢が変わってくることになる。
このように複数掃射を中断して武器変更する操作は、必然的に有利に働いてしまう状況を避けることができない。そして掃射を中断しなくても最後の射撃直後の変更でも発生してしまうのも対応を難しくしている。
○リロードキャンセルの対策
あまり細かい規定は面倒になるので現実的なものとして同じ武器のリロキャンループによる連射を禁止、R/4の掃射中断禁止を前提とし、ミサイルを起点とするものについてどう対処するかを決めておくといい。最も簡素に意図したリロキャンを全面禁止してもいいが、発生してしまったものはショウガナイと流す必要がある。また全面禁止する場合には必然的にミサイルの掃射中断も禁止ということにならざるを得ない。
現実的な対応策としては
・リロキャンによる連射ループを禁止。
・R/4の掃射中断を禁止。
を基本として
・ミサイル掃射の中断を認めるか。
・ミサイルを起点とする意図したリロキャンを認めるか。
といったところだろうか。
同武器の連射はかなりバランスを逸してしまうため禁止しておく必要があるが、まずR/4についてはそれを起点とする連携は事実上リロキャンなくして成立しえず、そもそもR/4の掃射中断は仕様ではなくバグ(デバグ漏れ)と理解していいようだ。というのもR/4は待機中に掃射カウンタに定数“6”が代入され発射のたびに1づつ減算しながら参照を繰り返すが残弾5以下で掃射すると撃ちつくしたあとも武器を切り替えるまで掃射処理を循環参照し続けるループバグがあり、残弾が6の倍数以外になることを開発段階で想定していないと思われる(ミサイルは既ロック数にしたがって増減するので残弾以上に掃射カウンタが割り当てられることはない)。R/4は初弾からカウントするとリロードは“30”とかなり長く、通常のリロードも“15”と長めなので掃射中断における戦力落差が大きく同じ時間だけ自主的に待機せよというのはとても現実的とはいいがたい。このためR/4は掃射中断を禁止しておくのが妥当だろう。
ミサイルを起点とするリロキャンは連携戦術の操作と競合しやすいので厳格に全面禁止は難しく、禁止にしても意図せずに発生してしまったものは容認する必要がある。意図的に狙わなくても連携を考えた場合できるだけ迅速に射撃武器に変更したい心理は当然働くし、武器腕や肩キャノン、ミサイルで連携する場合には準備動作で射出偏向や制約があるため切換えのタイミングが連携の成否を左右するからだ。このため意図したリロキャン戦術を禁止にする場合はミサイルの掃射中断についてを連携へつなげないことを前提に認めるか程度を確認しておくといいかもしれない。
またミサイルを起点とした連携戦術はリロキャン可にするとアセンアプローチや戦術の幅がかなり増える一面もある。例えば弾速の遅い射撃武器でもミサイルに先行させることや、弾速差のあるミサイル同士の連続攻撃も可能となり、連携用ミサ→攻撃的ミサ→射撃武器という王道連携も実用性がだいぶ高くなるのでブレードまでつなげるような高難度連携も狙いやすくなり、ミサイルを組み込んだアセンの幅も飛躍的に増えるなど考えようによってはなかなかオモシロくなるかもしれない。ただし同じミサイル連射はまずいので武装一巡を上限にループは禁止しておく必要はあるだろう。
全面禁止にする場合に一つだけ例外を認めないとほぼ産廃化するパーツがある。もともと産廃とみなされている面もある「WM−TO100」はリロードタイムが“5”と短く、リロキャンしなくても後発の射撃武器を先に着弾させることもできる。これをを起点とした連携でこそ真価を発揮するパーツだが実質的にリロキャンと見分けがつかず、操作上もかなり近いものとならざるを得ないので必然的に発生してしまいやすい。そして発生してもしなくてもたいして変わらない。
余談だがリロキャンとは関係ないが、ミサイルロック中にブレホ発動&強制解除させると上限を超えて最大6までロックできるバグがある。条件はブレホ有効でブレードモーション自体を途中で中断させ、かつ解除時にロック範囲に捉え続けていること、空地共に有効。例えば着地や被弾衝撃あるいは足場離脱による解除が該当するため、あまり日の目を見ない近距離攻撃可能なミサイルや固め抑止力などに使えるかも。バグ技ではあるが有効距離が短くかつほぼ地上か地表スレスレでしか使えないハイリスク技で戦術的に有効なパーツは通常は扱いにくいものが多いので禁止にするようなモノではないと思われる。
ここでは一連のレポートに解説してきたACの対立バランスや各仕様群、パーツパラメータなどを元に対戦ルールを考えてみる。いまさら感満載な事は百も承知だがせっかく解析してしまった以上余計なオマケをつけたくなるというものだ。まず隠された仕様やパラメータに焦点を当てれば大抵のパーツや脚部が長所と短所を合わせ持つような特徴的なバランス設定がなされている点に注目したい。そしてほぼ全てのパーツにある一長一短という特性がアセンの悩みのタネであり同時にAC最大の特徴あるいは魅力を演出しているといっていいだろう。このことからできるだけパーツを禁止することなく長所と短所を生かした特徴的な性能調整を可能なかぎり簡潔な方法で提案したい。
本対戦ルールのコンセプトは「出来るだけ多くのパーツや戦術、機体コンセプトを選択肢に」というものだ。なお本ルールはレポート本編に解説した隠しパラメータと仕様群に影響される挙動特性などを加味したものになっている。また明らかに議論のマトとなったパーツがヤリダマに上がっているが別に恨みがあるというわけではなく、まさにバランスを逸脱しているためなのでアシカラズ。
※レポート改訂時の再解析・検証調査でほぼ全ての腕武装が特殊な条件と操作を満たすことで肩キャノンに近い手動補正射撃が可能なこと、四脚が肩キャノンで脚部ジャンプを短縮できること、アセン次第(特に逆関節)で硬直後の後退方向へのブーストを短縮できること、固め抜け境界の条件などが新たに判明し、これに伴いパーツ選択肢や射撃武器の戦術性あるいは1P対2Pのパワーバランスに変化をきたす可能性がありますが、レポート初期のこのルール提案時にはそれらを考慮していません。(1)以外は微妙かもしれません。
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提案する対戦ルール
(1)「LN−2KZ−SP」と「SP−S/SCR」の併用を禁止
(2)「WG−HG1」と「LS−99−MOONLIGHT」の併用を禁止
(3)「WG−MG500/E」と「SP−DEtq」の併用を禁止
(番外)リロキャン対策:意図したリロキャン(掃射中断・連射ループ)を禁止
(番外)2P補正対策(固定時):分割対戦時1P側ホームステージ選択権とホーム&アウェー形式。
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解説
(1)LN−2KZ−SPは全般的な性能と仕様上の対比バランスにおいてなぜかこの脚部のみほぼ全ての要素で平均以上の性能を持ち、特に安定性と運動性能で突出した優位性を確保している。これは新規と既存ユーザー間で格差のある所持パーツ(PP)や操作技術そして難易度設定への救済措置として一般に解釈されているように、ミッションやアリーナでは戦術的に難しい局面をある程度無視できるようにパラメータが配分されている。PPでは他にも超性能パーツが登場し多くはMAで(いいか悪いかは別として)バランス調整がなされたものの、この脚部はその役割が引き継がれたのかほとんど下方修正を受けていない。しかし実際にPP以降にエントリーしたユーザーや、この手の操作があまり得意でない人にとってはありがたいパーツなのも事実だろう。実のところ筆者もかんぴょ〜氏の用語集を拝見しACの真のオモシロさに開眼する以前はEサブデビガンだったのはナイショノトコロだ。
さて軽量二脚なのに異常な安定性をもつLN−2KZ−SPは衝撃に弱い高機動型にとってそれに翻弄されることなく戦術を展開できる利点は大きい。ところがその優れたアドバンテージに加えバランス上の対立軸を無視したような運動性能や防御力、省エネ、高積載量などを同時に実現してその優位性を確固たるものとしている。しかし最大の問題はこれ自体が強力すぎるというより、対高機動戦術として考えうる特化型武器の大部分と煮詰めても並び得ない特化型脚部からバランス型脚部までの多岐にわたるパーツ群をまとめて排除してしまっている点、つまりこの存在が強烈な抑止力や突出した候補になり選択肢から除外されてしまうパーツが多すぎる点ではないだろうか。
ではこのパーツを最も面白いキャラクターに設定できる性能調整を考えてみたい。高い安定性は非常にオモシロイ長所でもあるし安定性OPを制限してもHG1の固めから抜けられなくなるだけで分水嶺となる衝撃3を無効化できるため利点が薄く、優れたE系防御を抑制するとE系強武器へのアンチテーゼの一つを失いかねない。そこで実弾防御スクリーンとの併用を禁止すれば高い安定性に支えられた戦術は一方で耐久性なるリスクを背負うことになり、火力的に劣る特化武器でもダメージ源としての役割を確保できるようになる。そしてその上でも三兎を追える基本性能がこの脚部の本質を物語っており、中堅脚部を抑えてなおも特化機体ベースとして選択肢の上位に食い込みうる。だいぶ実弾耐久性に乏しくなるが、高い安定性のため衝撃による連続被弾や撃墜硬直の危険は少なく、積載量やE消費などの優位性で弱点をカバーできる余裕もあり、全脚部中最高のエネルギー防御も健在だ。そしてオプションにも2の余裕ができる。もともと軽量二脚カテゴリに属するため、回避を前提とした戦術とそれを実現できる運動性能、通常歩行特性は得られるので、被弾を選択した戦術展開や踏み込むタイミングなどにも相応のリスクと緊張感をもたらしてくれることだろう。
そしてこの脚部の存在や使用率のために選択肢から除外されていた弱衝撃や特化武器などの選択肢が大きく広がり、替わって日陰に追いやられている逆関節や中・重量級にいたる脚部パーツの立場からも選択肢が広がってくれることを期待したい。
(2)「WG−HG1」最大の特徴は無効化不可能な高い衝撃を連続して与えることが出来る点だ。拡散弾道による高い命中率をもちながら、多くの機体を断続的に硬直させて固め斬る事ができ、ステージによっては為す術なく押しだし、中量級程度なら固めたまま容易に削り倒せるなどの優位性をもっている。改訂時に再検証した結果脱出境界となる硬直時間は2f以下(重量二脚は1f以下)、衝撃が無効化不可能にも関わらず固まった時点で自力脱出が不可能になる機体が多く、特に着弾間隔が射撃中の相対距離によって前後する仕様により急速接近中の射撃から脱出できる機体となるとほぼ淘汰されてしまう。特に空中ブレードが驚異的な攻撃力を有するためあらゆる機体に対して優位性を持つHG1との連携が、耐久性・安定性・火力等を優先させた機体コンセプトの価値を激減させる問題があり、そういった機体構成を好むユーザーにとってMAそのものを遠ざける理由にもなりかねない。そしてこの結果ほぼ全ての連射系衝撃武器と本来衝撃に対して優位性を持つはずの脚部カテゴリの選択肢を著しく狭めている現実があり、衝撃安定性という独特の対立バランスが立場を失ってしまう。しかし勝つというコンセプトに立てばこれを選ぶのが当然の選択ともいえる。
ではHG1の特徴を生かしつつ多くのパーツに選択肢を拡げるための性能調整とは、ここでは特に高機動機による対重量級戦で圧倒的な優位性を実現させている「LS−99−MOONLIGHT」との併用を禁止することを提案したい。軽量級の高機動戦のみならず引き撃ちや多くの場面で主導権を取りづらい展開を余儀なくされる機体などにとってもこの優秀な衝撃武器は魅力的であるしぜひいろいろな戦術に生かしたい。そしてこの条件により「一撃必殺の超攻撃力」と「超優位的な連射衝撃」の選択を迫ることができる。どちらも非常に魅力的だが、自分のスタイルに合った戦術のためにどちらを取るかという悩みはACにとって最も基本的な悩みであり楽しみでもある。そしてなにより片方でも十分魅力的ではないだろうか。
そしてこれに(1)の条件と合せて考えれば、ほとんど選択肢に上らなかった武器にも使用価値が生まれ、中・重量級が復権することでかなり重い火器類の組み合わせにも可能性が広がっていくことを期待したい。
(3)最後の提案はやや悩んだのだが、おそらく上記の2つの条件が成立すればかなりのユーザーがこの武器に流れると予想される。なにしろ最高の運動性とE防御をもつ脚部の使用率が下がり、最強の衝撃武器のユーザーの一部が別の武器へと流れるからだ。なかでも「WG−MG500/E」はサイトに捉えていれば高精度で命中できるマシンガンでありながらエネルギー系ということもあって瞬間火力においても優れており、さらにリロード短縮オプションで小数点以下切り捨てにより“2”→“1”と半減し僅か1のスロット消費で時間火力が1.5倍に跳ね上がる。これらによりやや火力有利な立場であるエネルギー武器の中にあって一躍筆頭候補になるであろう存在といえる。
だがここではMG500/Eの長所を生かしつつ弱点の補強を制限するという調整を提案したい。つまりエネルギー消費軽減OPとの併用を禁止し、低消費脚部で小ジャンプ移動などをしながらの射撃戦でエネルギー収支が容易に黒字化する優位性を抑制する。仕様のウラとはいえやはり高い時間火力は捨てがたいし、それを生かす戦術やアセンを制限してしまうのは安易すぎる。またこの優位性はどちらかというとカラスの各種性能に支えられている側面が大きく、HG1の台頭によって結果的に他のE系防御重視型の脚部が冷遇されている傾向もあり、単装では弱点を露呈しやすい武器でもある。そこでE消費による機動戦力の低下という弱点の緩和に制限をかけることで相性のよいアセンや戦術により特化した選択性をもたせることを期待したい。具体的には逆関節が筆頭候補に上がるだろうか、重量級やタンクでも選択肢になるし、軽量級だからといって持続的な攻撃が制限されるデメリットが強くなるだけで外れるほどの性能調整ではない。もともと5スロットも消費するオプションということもあるので、大きな違和感なくメリットとデメリットを演出できるのではないだろうか。
(番外)リロードキャンセルはそれなくしては成しえない連続攻撃が可能になるが、著しく強力化するものがあるためルール設定しておく必要があるだろう。詳しくは先のリロードキャンセルの項を参照してほしいが、完全な禁止は難しく必然的に発生してしまうものもあるため「意図したリロキャン(掃射中断・連射ループ)を禁止」程度が妥当だと思われる。そして意図せず発生してしまったものは広い心で黙認するのが吉だ。尚「WM−TO100」はその特性から他のミサイルより頻発してしまうがこれも軽く流すか例外にするといい。また同武器連射・ループ以外のリロキャンを解禁するといったルールでミサイルの戦術的価値を追及するのもアリかもしれない。
(番外)2P側が固定されてしまう分割対戦では1P側にホームステージを、2P側に予測精度を適用して対戦することで、1P側は自分の選んだホームに特化できる特権を利用してあらゆるアセンコンセプトや戦術特化を、2P側は補正強度を利用して1P側ではあまり選択肢にのぼらないような武器等を選びやすくなるなどアセンのバリエーションが飛躍的に向上する可能性があり、より多様性に富んだバランサブルな対戦が対等な条件で実現できるのかもしれない。詳しくは2P補正の項に述べたが、予測射撃武器は1P側と2P側で若干使い勝手が異る。そしてこれが固定された状態でステージをランダムで選ぶと運次第で戦術の一端を大きく阻害されてしまいかねず、魅力的なパーツの選択を躊躇して重装や多様なアセンをしにくくなり、デビガンなどの汎用性に優れる特定アセンに行き着く合理的な結論に集約し、そして結果的に同コンセプト同士で2P側が有利になりやすい状況になりかねない。できればホーム&アウェー戦で1セットにするのが最も理想的な条件だろうか、そのためにホーム用機体とアウェー用機体、単一機体連戦用をそれぞれ作成しておくのもいし、あるいはランダムでも1P側に再シャッフル権を設定する方法でもいいかもしれない。難点は連続してフリー対戦する場合にやや面倒なことか。また時間制限が短かすぎると垂れ流しで散発命中させやすい2P側に有利に働きやすい武器が多いと思われるので2分戦よりも5分戦の方がいいかもしれない。
※改訂追記:通信対戦の場合は固定化されずにアセン的な駆け引き要素で意図的に1Pあるいは2P側を狙うことができるらしく、それが対戦バランスとして有効に作用しうる仕様になっているらしいです。
以上が一つの案として提案するルールだが、あとは一応念のため土遁の禁止くらいだろうか。ついでにもし通信対戦ができるなら敵AP表示に制限(下三桁を隠すあるいはスモークシールなど)を加えると安易な逃げ切り戦術を抑制できるかも、あるいは初期資金決めて撃破勝ち賞金と修理費用賞与かその分徴収などはどうだろう。何度もいまさらだが、若干のルール設定で色々なパーツが選択肢にのぼり、多彩な機体アセンを演出してバリエーションに富んだ対戦が楽しめることを期待したい。そしてやっぱりいまさらだな。
※以下は完全に空想の世界です。何の意味も有りませんのでそれにお付き合い頂ける方のみお読み下さい。
※レポート改訂版で新たに調べた内容を踏まえていくつか変更しました。
シンプルかつ奥の深い初代AC系の復活を希望したく、幾つかの提案もとい妄想をまとめてみた。PSACの魅力は練り込まれたアイデアと細部にこだわったギミックなどが生みだす自然的かつ応用幅の広い仕様に、シンプルでバランスのいい対立軸によるパーツのラインナップというところだ。簡潔なパーツ要素が一種ジャンケン的条件を演出しながらも、それに縛られる事無く奥が深い仕様群が戦術や技術的な価値を格段に高めてくれるのがイイ。基本的にはバランスは取れていると思うのでグラフィック部分のみ完全リファインにデバグだけでも十分イイモノが出来そうだし、変更はミッションや対戦ステージあるいはインターフェースなどの向上に注力して欲しいかな。あわよくば初代系第四弾てのもいいよね。
○極力実現させて欲しい点
・グラフィックリファイン。ベースデザイン変えずにポリゴン増加&実現できなかった部分のリファイン。キレイになる、それだけでも。
・システムの根幹に手を加えない。仕様変更をすると別物になってしまいかねない。初代系は十分なデーターがあるだろうからもし加えるなら慎重に影響を分析してね。
・カメラワークの調整。ちょっと遅延幅が大きすぎて視界の確保が難しい、そして酔う。演出的側面もあると思うので、「カメラワークを調整しました」的なアナウンスを添えて。
・2P補正の解除。解除できないとも思えないし、セカンドカーブースト的に設定化でもいいのでもちろん1P側に合わせて。おそらく再販となると1つのキーワードになのでは。
・PP以前のステージ復活。多彩な地形、広いステージ。新しいステージもイイね。ミッション流用でもいいので沢山欲しい。なんだか特徴的なものばかり用意しようとしているようだけど、同ステージの昼夜逆転だけでも戦術は変わりますよ?
・ワイド化。視界が広いのはいいよね。特に分割対戦にはとてもウレシイ調整だと思う。
○バグ・不都合と思われる要素
・土遁(地面抜け)。文字通り一瞬で奈落の底へ転落します。あ〜れ〜。EX300までもが沈みます。あ〜れ〜。
・リロードキャンセル。これミサイルと射撃武器の連携戦術に確実に影響。必然的になってしまうのに全面禁止といわれても。それほど難しいデバグとも思えないけど・・・。
・被弾硬直時間の延長現象。バグか判別できなかったけど。HG1が凶武器化している最大の要因と思われる。不確定要素というのは面白いけどパターンがちょっと理不尽。
・一部コア迎撃機能不全。これはバランス的にむしろウェルカムだけど、機能不全よりは下方修正して迎撃できなくは無い程度の方が面白い。
・四脚脚部ジャンプとホバー操作の競合。たとえば方向操作時にホバー優先でブースト単独で脚部ジャンプなどに切り分けるとか。
・キャノン反動の極小化。低安定機体でキャノン反動がほぼ無効化するバグ、発射反動は大抵の場合有用。
・グレネードキャノンの着地発射誤爆や展開中誤射。まあ操作で抑制できるけど、解消してくれると安心して操作できるよね。
・キャノン構え時に被弾高が変化しない現象。特定アセンの場合と、解除直後に再構えで被弾高が変化しないバグ。
・キャノン反動によるジャンプ動作短縮。一応バグっぽいのでリストアップしたけど、これで四脚にキャノン載せるメリットができるのでスルーでもいいかと。
・ガイドの旋回限界。バグではないがロケットとキャノンの旋回限界とガイドの旋回限界を連動させて欲しい。たぶんこれだけでもロケットの使い勝手が変わる。
○改良されるとウレシイ点
・フレームレート向上。ただf単位に支えられた奇跡的なバランス維持が最大の課題か?単純な比例計算では難しいかも。同時入力も難しくなりそうなので現行でもいいといえばいい。
・ガレージACの複数化。ミッションによって組み分けるのがコンセプトでしょう。まあAC本体がガレージにゴロゴロしてなくてもアセンデータをもとに構築する設定でもいいし。カラーリングデータも含めてね。
・初代からMAにわたるミッション系譜の統合。まあ三部作を纏める場合ですが、初代は特に秀逸。ミッションの増加は文句ないと思いますよ、同じマップの使い回しも演出次第だよね。遂に明かされる地球歴の真実。
・武器パーツのカラーリング・パターン変更。やっぱオリジナリティ追及したいよね。機体にこだわっても、お気に入りの武器がしっくりコナイのは悲しいし。
・機体カラーリングで各部位にパターン設定。できれば各パーツにだけでなくティテールごとにテクスチャを貼れるとオリジナリティ激増!テクスチャは一種類でもいいからさ。
・ロック中も目標距離の表示。なぜ表示されないのか謎なくらいの基本機能ではなかろうか。小さくて見にくくてもいいし、円柱とか球とかこの際どうでもいいからさ。
・高度計の実装。速度計が実装できない事情はお察します、世界観的にもこんな機動兵器には無理ってことで地下だし。でも高度計はあってもいいよね、ごく簡単に実装できそうだし。戦術的にも有用です、間違いなく。
・ヒットシグナルの改定。連射時の命中率が分かりにくいので。特にAP表示制限を実装する場合は欲しいかも、現行は単ヒット表示時間が長すぎ。点滅速度とか積み上げるとか。
○設定できるとウレシイ点
・対戦相手のAPの表示。短絡的なAP勝ち逃げ防止に設定化でも。そもそも相手の耐久力わかるってどうなのさ。表示オンオフもいいけどカラーゲージとか棒グラフなどに設定可能だといいな。
・カメラ位置。戦術や機体コンセプトによってカメラ位置が視界に干渉したり状況判断を左右したりするので。機体との位置関係(角度や距離)を調整できるだけでも。カメラの遅延幅も調整化してもいいかも。
・アリーナ戦闘後の再戦選択方法。強制的にリプレイモード突入はちょっとね。勝ってもすぐに戦闘中断・再挑戦がクセになってしまった。
以下、特に個人的な意見(基準はMAです)
もともとかなり微妙なバランスの上になりたっているので、僅かな変更が勢力図を一変させかねないし、変更が単に特定のユーザーの欲求を満たすものであってもならない。そこで、基本的にはあまり日の目を見ることのないパーツ達にクモの糸を。まあ、結局糸は切れちゃうんだけどね。特に重量増はオールドユーザーの反発必至か。明示されないと気付かない程度の差でも使い勝手やアセン範囲が激変するくらいのバランスの上に成り立っているパーツが多いので難しい。
それともし初代3部作統合できるなら、ユーザー側からの最大の関心は細かい仕様をPP・MAどちらに準拠するかかもしれない。
○変えてもいいのでは?な点
・ミッションのやや変更。ヘッドパーツの死に設定が悲しい。生物兵器とかジャミング車両とか。そういえば地上戦艦はぜひ動いて欲しかった。
・ミッション中のAC出現増。成功報酬ミッションなら出現ランダムでも、このヤマはオレがもらった的な。数機鉢合わせなんてのもイイね、日和る奴とか突っ込む奴とか組もうとする奴とか。
・ミッション中のAC性能をアリーナに準拠。変更的にはやや難かな?状況次第でAPと弾数減らす設定にしとけばいいかなと。
・ミッション中の報酬加算要素(強E耐性)の増加。たぶんかなりのプレーヤーが即エネルギー武器に変更。実弾の立場は対戦だけですか?やっぱり演出次第だよね。
・強化人間の名前変更不可設定復活。やっぱ制約ってのは自制の要素もないとね。安易に強化人間に走るとACの本当の魅力を見落としてしまうかも、もったいない。
・視点切換えをポーズボタン以外で。対戦中に任意で視点が切り替えられるとウレシイかも、戦車なんか前見えません、対空戦にも便利だし。カメラワーク改善できなければせめてコレだけでも。
・全高120程度の障害物を各所に。これとリロード中でも収納&移動可があれば二脚系でも肩キャノンが使えるし、遠距離スナイピング戦術の可能性も広がる。
・アリーナランカーを減。3部作統合できるならEXランカーの見直しを。存在意義が容量稼ぎとしか思えないものまでいるし。
・CPUロジックの改良。背面を目指すのではなくもっと合理的な動きを。狭角化運動や明確に押す・引く・適性武器等の選択と有効距離の確保、滞空制御や連携戦術、ホバー斬り等の効果的な戦術ロジックも欲しい。
・アリーナランカーのアセン改良。アセンももう少し煮詰めて欲しい、いくらなんでもあの組み合わせはないだろう的なのが結構・・・いいじゃん凶アセンだって、所詮CPU。あと改造武器はそのままで、そして蘇る悪夢、瞬く被弾閃光、弾き飛ぶAC。
・CPUロジック切り返し条件の変更。少なくともサイト中心をまたぐと切り返す行動原理はかなりマズイでしょ、操り人形化しちゃうし。そしてかなり単純な戦術でも対人戦の想定練習が困難にもなる。
・ランカーメイキングのロジック多様化。設定パラが単純化しすぎてアセンと戦術の相関性まで詰められない。せめて戦術関連を武器別にするとか。そしてできればランカーメイキングデータの交換ができると吉。
・セラフ(改)の耐久力増。ちょっと紙すぎ、耐久力以外の性能は神掛ってるけど、クリア後ならいいいでしょ。
○強パーツに性能調整を、な点
・「LN−2KZ−SP」実弾防御減。ちょっと多めに。オモシロイとおもうよ、超E防御で超歩行、イケてるじゃん。
・「WG−HG1」リロード9。戦術性はそのままに、多くの機体が1f差でなんとか抜けられる!
・「WG−MG500/E」EG消費“+150”くらい。脚とコアで選べるね。
○死にカテゴリに光を、な点
・ホバータンクのブースター出力向上。遅いホバー。悲しいホバー。あと水に浮けるとウレシイな、ウレシイよね?うんウレシイ。
・タンク系旋回性能アップ。だって無限軌道だよ?超信地旋回だよね?あれ、もしかして無限軌道じゃない?
・火炎放射器の引火機能追加。ついに引火機能実装。完璧なネタ武器として主力武器にも成りうる・・・かも。
・焼夷弾及び特殊ロケットの追加攻撃加算化。焼夷弾はそれだけで十分選択肢に、お前は既に・・・的な。できればもう少し効果時間の延長を。
・実弾爆雷もう少し軽く。射撃機構も推進剤もないほぼ爆薬(?)のみでロケットより構造重量が重いってどうなのさ。
○その他 パーツの希望(妄想)的調整案の墓場、ほとんどパーツに一言コラム状態になってしまった。まあもし性能調整するなら・・・目指せ選択肢の一角。でもバランスが崩れちゃうかもね。
・「WM−S60/6」射出速度減。せっかくの特徴的なパーツなのに散開強すぎて有効距離が狭すぎる。ロック距離がもう少し長ければ散開幅減でも。
・「WM−MVG404」散開幅減。非散開でもイイ、802との差別化を。できれば重量微減も。
・「WM−L201」散開→非散開。おちつけ重ミサイル、あっちこっちに射出するかフツー?。せめて散開幅減。
・「WM−AT」推進寿命増。命中できなくてもプレッシャーを利用したいよね。それとこの弾数ならPP重量でもいいのでは?
・「WM−TO100」衝撃微増。衝撃“6”計画、重量にみあった魅力的な選択肢になれるかも?
・「WX−S800/2」リロード減。謎の超重量、アレはいったいナニ?装甲?それともバーベル?大デメリットでも安定射出の特徴を生かしたい。まあ、看板でもいいけどさ。
・「WR−S100」重量を減。謎の超重量増。S50に比べいったいナニが増えたのか?さもなくば2発吐くとか、もう別武器か。
・「WR−RS7」レーダージャミング追加。この使いにくさ。せめてレーダージャミングくらいは追加してほしいよね。地味に関与する頭部機能がむしろ悪化させてるし。
・「WRR−10」寿命増。これって風船?非常に面白いパーツだけど、もう少し寿命が長いと戦術的なアイデアがより具体化するかも。
・「WC−肩キャノン」二脚系射撃後のリロード中収納可。足を止めるだけでもスゴイ隙なんだから、リコイルや反動ブレーキ中はともかくリロード中くらいは収納・移動可能にしてもいいんでないかい。
・「WC−CN35」重量やや減。多分唯一の精密系キャノン前提のパラ設定だろうけど弾速遅すぎて角度射撃にはあまり意味ないし。
・「WC−ST120」衝撃と反動を増。衝撃6計画、ついでに下記のリコイルコントロールOP実現して射撃間隔を短縮できるようにリコイル武器に変更とか。
・「WC−LN35」弾数増。牽制射撃とサポートに活路を見出したい。弾幕張れる武器って少ないよね。実弾という特性を生かせるキャノンは少ないのでちょうどいいかと。
・「WC−GN230」爆風範囲を微増。爆風継続時間を少し長めにするだけなので。発射反動増もイイけどほぼ限界みたいだし、オーバーフローするし。IRと肩を並べたい。
・「WC−XP4000」E消費を減。涙のXPシリーズ長男。筋はいいけどあまりに大喰らいすぎて。あるいは使用されてない黄緑パルスで弾速増とか。
・「WG−RF35」弾数を増加。精密系唯一の衝撃武器に光を。弾幕を張るのだそしてひょっとしたらリコイルコントロールOPで・・・。
・「WG−MGA1」集弾性微減・弾速微増。MG500とも500/Eとも差別化がはかれるかな。
・「WG−Finger」値段割引。PP版ならともかくちょっと高過ぎでは。
・「WG−AR1000」射程距離増、被弾閃光増。アサルトマシンガンとして違った使い道が見つかるかも。
・「WG−HG770」分裂後の弾速を微増、分裂前の弾速と入れ替え。これって命中率がコンセプトじゃなかったっけ?まさか開発陣が射撃システムの仕様をご存知無い?。
・「WG−RF/実弾」弾速を増。名は体を表すのだ、そして確実に実スナが楽しい。レッツスナイピング!
・「WG−XC4」弾速微増、リロード微増。いや結構いいと思うんデスヨ、この武器。あまりに平均的なので射撃戦特化型のエネルギーライフルとして。
・「WG−PB26」弾寿命で爆破。射程が長いのであまり意味はないけど主に演出的に。腕グレとともにせめて射程限界で爆炸して欲しいなぁ。
・「WG−RF/E」リロードタイムを増大。昇圧していますしばらくお待ちください。サイトタイプをND化してもいいか?でもFCSレンジも要調整だね。
・「肩レーダー」索敵距離自動切換え。できるよね、書き換え仕様あるし、1〜3段階くらいで。オプション連動機能でもいいけど。肩レーダーの立場低すぎ、つまりレーダー無し頭部の立場も。
・「LS−3303」爆風追加、閃光でもいい。爆炎斬りでビジュアルパーツの立ち位置を不動のものに、地味に爆風攻撃力加算でブレード三巴時代到来。単パーツだけのブレ判定伸長は無理そうだし。
・「LS−1000W」弾寿命で爆発。ブレード二択にはもっていけるかも。E武器で時限爆発?Eグレばりに収束エネがサイクロプラズマ霧散でバランス崩壊するですよ、でも周囲に光環が無いな。
・「GBG−XR」出力微増&レッドゾーン微減。せっかくの逆関節なのにと涙をのまずにすむかも、E系武器のお供としてもジェネ選択の一角に浮上!
・「GBX−XL」容量大増。大容量が売りだよね?OP適用時の上限到達対策でこの容量なんだろうけど上限切り捨ては結構あるし。ここに原動機完全四択化達成、目移りするよぅ。
・「FCS全般」ミサイルロック速度改定。カーソル速度でなくMロック速度ね。18X以外はドングリなのでもうちょっと特徴が欲しいな。
・「FCS全般」射撃武器用ロック速度改定。ほぼダミーパラと思われているので若干前後に幅を持たせてもオモシロイかも。
・「FCS全般」NDロック距離延長。なにこれ深い深いサギ?WSより短いのもあるんですが?ステージの広さがMA準拠ならWS短縮、PP準拠ならND伸長の方向ではいかが?。
・「TRYX−BOXER」1次ロック範囲拡大。縦に長い特徴を生かしきれない総合性能の低さ。縁の下で地力アップ。
・「SP−EH」消費スロットを微増。どっちかというとこっちを。リチャージ早めるって出力より技術的にね。なんか結局コアによってオプ満載か極貧かであまりスロットには悩まないんだよね。
・「SP−SAP」キャノン展開・収納速度微アップ追加。発射反動は戦術的価値があるうえグレ二種以外ほとんど意味ないので大抵選択肢にもならない。僅かな短縮を取るか反動を取るかという選択に。
・「SP−M/AUTO」遮蔽物検知機能。自動オプションがちょっと賢く無駄弾は撃たない。手動入力もできることだし。
・「HD−HELM」額(顔面?)にエンブレム表示。な、なんだってー!!もへじとかゴルゴが流行りそうな予感。
・「XCA−00」迎撃範囲微減、迎撃確率を激増。あの見事な砲身は飾りですか、エライ人にはわからんのですか?まあ迎撃確率は効果?なのでAP微増とかの方がイイかな。
・「XCL−01」ブースターを二つ装備。なんとも違和感が。ついでに新OP複数投入ならスロット微増もいいな。
・「XCH−01」消費Eを微減。最大のメリットをもう少し。デバグして迎撃機能正常化するなら迎撃範囲微減を。
・「XXA−S0」スロットをやや減。アセンの可能性を広げてくれるのはイイが電装コアの立場が・・・。まあ武器腕では一番頼りないコアだけど。
・「XXL−D0」デバグして迎撃機能正常化するなら迎撃範囲微減。まあもともとRATOR&NDと同等サイズだけど。
・「AN−101」AP微増。中量級のための腕部パーツって少なくないかい?まあ組んでみると案外良かったりするけど。
・「AN−3001」消費Eを減少。兄弟そろって微妙だよね。まあカッコイイからいいか?。と思ったら逆関節相性いいな。
・「AN−863−B」「AN−891−S」重量級腕部にカテゴライズ。軽・中二脚はブレードマップが変化。
・「AW−MG25/2」弾数マシンガン系一律500に。両腕ふさいで普通のマシより弾倉小さいって何なのさ、両側当りにくい仕様だし。
・「AW−RF系」弾種をID41(小バズ)とID42(大バズ)にそれぞれ変更。せっかくの武器腕キャラ立たせたい。手動補正で立ちすぎてもイイよね。
・「AW−腕ミサ」とりつけ位置下に。どう見ても干渉しているよね肩パーツと。腕接合部らしき・・・見てはいけないものを見てしまった気がする。
・「AW−XC5500」角度基準射撃に変更。平行射撃と手動補正で無理やり当てて見せましょう。そのまま補正が悪いという評価になりそうな気もするが・・・。
・「AW−DC/2」爆風攻撃力強化。なにこの心躍らせて使ってみた時のガッカリ感。報いてくれぃ。肩グレほどでは無くてもいいからさ。
・「AW−R/4」弾速微減。どこに詰まってんスか、あの弾薬は。これも風船?多いな風船。んじゃ推進構造を減らそう。
・「軽量二脚」通常歩行の振幅微増。軽二の特徴をもう少し。もともと通常踊り歩きでの回避は若干運が左右するし、工夫次第で使えそうな地力アップ。
・「中量二脚」後退予備操作短縮アセン。アセン次第で特定方向のみでもいいので停止扱いからの後退ブーストを。あとできればCLコアで全高維持を。
・「重量二脚」後退予備操作短縮アセン。こっちもアセン次第で特定方向のみで。しかしヒトガタ二脚って全般的にラインナップバランスいいねぇ。
・「LN−S3」待機EGをやや増。この脚部最大のデメリットって完全なダミーパラなんだよね。んで隠しパラを調整。
・「逆関節二脚」重腕幅若干増。重腕でブレードの判定をもうちょっと左前方に。逆関節剣豪ここにアリ。
・「LB−4401」安定性を増加。やっぱ逆関でも一番安定してそうだしね。あとほんの少しで衝撃“6”を無効化できるの。
・「LB−1000−P、LBKS−2B45A」旋回加速性能微アップ。軽量級逆関の神髄を。酔うかも、うぁ酔うな。
・「LB−H230」積載量を増加。この際ジャンプ後のブースター減速には目をつぶってサ、TLジェネで滞空特化重機体にも。
・「四脚」キャノン空中時にガイドを表示。地上限定なのにタッチダウンでサイト内に捉えるのが難しい。
・「LFH−X3」重量微減。装甲削って高火力に特化してもTR−0に優るところが演出しづらい。ついでに地上走行微減速で地味に長短微調整とか。
・「LF−DEX−1」AP増。ちょと扱いづらいけど、見た目的にも耐久力ありそうなんだよね。そして武器腕のお友達に。
・「タンク系」E防御をPP時代の値に。追えない、避けられない、耐えられない。どうしろと?なぜE系まで下げてしまったのか、まあ実耐24万はさすがにアレだけど。
・「LC−UKI60」重量減。装甲・積載削って消費まで増えて、もともと絶望的な地上速度がLv1しか増速してないヨ!せめて空中性能にも恩恵を。
・「ホバータンク系」ブースター据え置きなら重量減。出力調整できないならせめて重量減でもう少し動けると。現状では軽武装・紙装甲でようやく動ける程度、Eグレも重くなったし。
○ついでに新パーツを作るならも考えてみた
しかしこれはムズカシイ・・・そこでサポート性能重視による戦術バリエーションアップで頑張ればガンバレるというあたりを重点的に追加するのはどうだろう。ついでにネタ的なものやビジュアルパーツなら沢山あってもいいよね、産廃という意味では無く。それに初代系の戦術はかなり煮詰まっているらしいのでバランスが変わるの覚悟で新パーツ投入という手もアリかも。使いかた次第というオプションは一杯あってもいいかな、外見がほとんど同じでもオプションで戦術がかなり変わるし、何かを選ぶと何かを諦めなくてはならないし。ちょっとしたモニタ表示機能付加はバランスにほとんど影響せずにミッションでも対戦でも使える。ついでに某フロストパネルみたいなのもあっていいかも、エンブレムと連携してみたり。
以下とりあえず特化系や戦術補助系のものに絞って妄想してみました。
・「SP−レーダー機影表示強化」レーダーで敵の移動方向を表示。垂直より水平の方が欲しい、ACは機影で絶対的な移動方向が判断できないので、狭角射撃がしづらい。軌跡化するか現在の三角形高度表示を水平運動方向に対応するのはどうだろう?既存仕様はなさげ。
・「SP−レーダー地形表示機能」レーダーで同高度の地形・構造物の表示。機体中心の同高度を基準に輪切りにした形でもいいので。地形戦の様相が変わってくるしミッションでも重宝する。頭部のマップ機能とレーダーとの連動機能追加という形でも選択肢が広がってオモシロイかも。既存仕様は無いと思うので少し苦しいか。
・「SP−ロック中遮蔽物警告」ロックオン中に構造物に遮蔽された場合に警告を表示。これCPU側は制御しているようなので検知プログラムはあるよね。遠距離攻撃や地形戦のお供に、これもミッションで活躍できる。
・「SP−旋回加速度上昇」最大速度を上げてしまうと軽量級が凶悪化する懸念があるので加速度というところがミソ。ブレホにも影響しないし、逆関節はさらに引き立ち、タンクと四脚は手動補正がやりやすくなる。スロットは多めかな。
・「SP−リコイルコントロール」リコイルを軽減し連射力を高める。実弾系もモノによって射撃間隔短縮があってもいいのでワ。冷遇されてる実弾スナイパー弾速増加の変わりにリコイルを付加して連射力微悪化→オプ適用で連射力現行か微短てのもいいかも。初期ライと実スラもオプション入手で救済できる。肩グレは要調整になるかね。
・「ブースター」T2とHP25の間を埋める低消費版。地上戦特化機体向けに。立場としては廉価版中出力のP350に対して初期ブの微アップグレード低消費版の新パーツ的な。あるいは初期ブの消費を下げて初期回帰でもいいかな。
・「WM−X地雷」浮遊機雷に対抗して投擲地雷、二次元的な制約があるので寿命を長めにして側壁や天井にも打ち込めるとイイね。そんなわけでやや遠投気味に非拡散・放物線射出。対地上走行機体もしくは天井トラップなどに。
・「WM−水平射出型二段式ミサイル」SMSS24の前方射出型、ACのような機体挙動をもつ兵器でしか扱えなさそうなのがイイ。右フック左フック折返して背後から挟撃。バランス的に正面射出がNGならせめて左右か斜め後方射出などで、射撃武器との連携が可能なミサイルが少ないのでミサ追加するなら連携用がいいな。
・「WM−軽量・弱衝撃ストーカー」TO100のストーカーミサイル版。連携可能なパーツはかなり戦術バリエーションを拡げてくれるので軽量化の代償に衝撃はアセンによる無効化範囲に、弾数控えめかリロード長めでもいい。
・「WR−爆風衝撃」爆風衝撃メインの特殊ロケ、爆風大きく攻撃力は低め。空中や対地で目標の周囲の構造物に当てて爆風衝撃を叩き付ける。射程2000〜3000程度で寿命爆破できればなおいい。ポジショニングや連携、ミサイルサポートに、長リロードだと産廃確定か。
・「WR−Eロケ」01QLのロケバージョン的な、パルスロケでもいいか。対重量級戦のための火力を考えると比較的軽量のEロケが肩にあるだけで武装の選択肢がもう広がるわ広がるわ。でも当てられなければハナシにならないところがポイント。
・「WX−X投下型爆弾」まさかの両肩爆弾。左右斜め下方へ射出後自由落下式でミソは爆風攻撃系なトコロ。極地面制圧用、直下対地攻撃、すれ違い投下、バックステップ置き土産、人間花火、爆風背景仮想戦隊、芸術は爆発だ、といろいろ夢は広がる。自爆バリアには相当の覚悟が・・・、重すぎて飛べないとかはカンベンしてね。
・「WG−実弾系角度予測射撃」重装二脚系でも腕で使えるロック可能な実弾系角度射撃武器という位置づけで、サテライトや広角運動の打開に。単発だと併発型のXW11と違って至近距離や追い・引きでは当りにくくなりそうなので火力は結構強烈でもいいかも。楽しそうだけど仕様がハッキリしてないと産廃化しそうだね。
・「WG−RF実弾系スナイパー」指マシ超級の弾速。性能的には総火力・重量・リロード・衝撃などRF/5⇔RF/P⇔新パーツ的変遷。追い撃ち、対空狙撃、連携用ミサに先行、スナイピングとバリエーション豊か、まあ順当にいくと総火力はRF/Pよりも落ちるのでむしろ連携必須だろね。
・「WG−R照明弾」射程距離に到達すると発火し閃光を放ちながら一定時間広範囲を明るく照らし続ける。なんという素敵なパーツ、既存仕様も確認済み。開幕撃ち推奨、ギャルホルンの音も高らかに戦闘開始のノロシをあげるのだ。暗いステージでのサポート、目くらまし、ミッションのお供にも。というわけで右手武器ロケットかな肩でもいいけど。慣性をうける弾頭射出でもオモシロイかも、攻撃力はゼロでいいけど単なる上方射出じゃつまらない。
最後に、自分の機体を自由に組み立てられるってのが基本コンセプトというのなら組み上げた機体の性能を正確に明示してほしい。モニタ表示にとどまらず公式資料集などにリークしていると思われる情報すらダミーやら不正確という始末、それとも掲載されている仕様やパラは出版社側が独自に解析しているとでもいうのか?。そもそもパイロット目線で考えるなら、戦場で命を預ける機体の性能を知るよしもないってのはどうなのさ。脚部やE系武器の燃費もわからずにマネジメントしろと?それどころか歩行性能や上昇性能に至っては完全な偽データをつかまされる始末、正しい機体運動性能が確認できるだけでアセンは激変するというのに、この世界の物理法則はおろか自分の機体全高すらもわからんで死地に赴く身にもなってくれヨ。なんなら隠しパラや詳しい仕様は出版社から攻略本の形で別売という形でも、あるいはクルマ並のマニュアル付き異色ゲーでもいいじゃないのサ。
いや文句たれてるわけでなく期待したいってのが本音なんですけどね。まあ延々と妄想的希望案を書き連ねちゃったけど、それはともかく美麗な画面でやりたいね、初代アーマードコア。